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似非ボッチの私が逆ハー女の親友になってた  作者: 黛 カンナ
季節外れの牡丹雪祭り編
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第68話 鳳と和人

鳳・アレンクシスは上機嫌であった。天崎千秋を祭りに誘えたからである。


正直な話、彼女はこう言う祭り事は嫌いだと勝手に思っていた為に更に機嫌がよくなる。いっそスキップでもしてしまいたい位だ。


「よぉアレン、めっちゃ機嫌ええやんか、どないしたん?」


浮かれている鳳の前方から関西弁の男がやってきた。胡桃の親戚であり、この学園を仕切りあの唯我独尊、俺様男である天王寺でさえ従わせる生徒会長。


伊集院 和人である。


「いえ、すみません」


優雅に頭を下げ謝る鳳。それにたいし和人は、いつものヘラリとした笑みを浮かべて、堅苦しいなーと笑う。


「別に悪いことしたわけや無いし、頭あげてーな」


本当の関西弁かよくわからない口調でそういい、和人は手をヒラヒラさせて、頭をあげてとジェスチャーをする。


それに答えて鳳は頭をあげた。


「で、どないしたん?」


「ちょっとだけ楽しみが増えまして...」


それは、最近気になっている女の子と遊ぶ約束である。数多の女性に言い寄られ、ある程度それに答えていた鳳とてそれは嬉しいものである。


「え?何々?教えてや」


まるで無邪気な子供のように目を輝かせて鳳に詰め寄る和人。この時たまでる計算ではない無邪気さも人を惹き付ける要因かもしれない。


そして純粋に後輩が上機嫌なのを喜んでいるようでもあった。


「え...えっとですね...」


しかし、鳳は言葉につまってしまっていた。

それは同じ生徒会の為にある程度和人の性格を知っているからでもある。


もし千秋と一緒に祭りに行くといえば、和人は面白がって散々からかい、最悪ついてくるかもしれない。


しかし、面白がってと言うのはあくまで和人の建前であり本来はきっと違うというのは分かっている。和人は千秋を気に入っており、大切にしているんだと思う。


だから言うのをためらってしまう。


鳳の予想はある程度あってはいるが、考えすぎな感じもする。

但し、目の前の男に考え過ぎというのが通用すればの話ではあるが...


「ん?どないしたん?」


何も言わない鳳に疑問をもったのか、和人はそういう。


「あっ!すみません。少し考え事していまして...実はこの間、新しいチェス盤が発売されることになりまして...」


鳳は気を取り直したようにそう話を始めた。

和人もそれに興味があるのか、話は上手くそれることができた。


「へー...そんな機能までついとるとはな、じゃあ俺も買うことにするわ」


「ええ、いいと思いますよ」


話題は完璧にかわり、鳳は話に区切りをつけた。


「それでは私はこの辺で」


「ん、じゃあな」


和人は軽く手をふり、鳳は綺麗にお辞儀をし、そのままお互い歩き出した。


上手く誤魔化せてよかったと思う。もしかしたら妖怪とも言われる会長のことだから不自然さにはバレたかもしれないが、余り突っ込んでないと言うことは大丈夫なのだろう。


和人会長は千秋を大切にしている。そのやり方は千秋自身からは間違っているやら歪んでいるやらと言われてはいるが、確固たる事実ではある。


鳳の過去の行いを考え、万が一の為に[からかう][面白がる]という体で邪魔をしないとも言い切れなかった。


なので鳳の判断は正解であり、それを自覚してるので鳳もこのまま嵐もなしに祭りを迎えれると思っていた。


「楽しみだな~」


鳳は嬉しそうにはにかんだ。
















「そういや、オカンが隣町の何とか祭りに行くとか言いよったな...」


ある程度歩いた和人がポツリとそういった


んっと...和人の母は出てくるのだろうか?







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