第6話 天王寺、教室に乱入
教室に入ると、まだ予鈴しか鳴ってない為か結構周りはガヤガヤしている。
そんな時の定番パターンが机で私は寝た。
これはある種のボッチパターンだ。どうだ最高だろう?疲れは取れるし暇つぶしにもなるし周りに耳を傾けてしまえばある種の情報を得ることも出来る。
スクールカーストをご存知だろうか?
インドのカースト制度を学校にみたてた、ようは階級なのである。
勿論ここ、聖セレント学園のトップは生徒会であるように見えるが、アレは、別枠だ何か皆崇拝の域に達している、ある種の宗教。
しかも特別校舎だから、普段のここでは通用しない。
「千秋~!さっき桜ノ宮先輩と喋ってたじゃん」「ねえねえ!やっぱり好きなの!?」
起こされて、詰め寄られた。
『ハハ、胡桃がらみだよ何時もの』
そう言って笑う。愛想笑いが標準装備です。
私の立場は、カーストで例えるならば中下層辺りかそもそもカーストにすら入ってないだろう。
「そうなんだ!だよね!」
何が、だよね!なのだろう?
...判っている、この子達はバカにしているのだ。愛されているのは胡桃であってお前じゃないんだぞと。
「ごめんね、邪魔しちゃって」
そう言って女子達はどこかへ去った。
まぁこれが、似非ボッチを自称している訳である。
クラスでは基本的にポツンと居座っているが、ちゃんと喋る人はいる普通に私は愛想がいいし、こんな風に、ちょっとの嘲笑で終わるならば易いぐらいだ。
だから普通校舎は結構好きであり楽園だ。
耳を傾けなければ基本的に静かだし、だからと言ってしゃべる相手が居なわけではない。
何よりここは生徒会がこないから...
「おい、貧乏人はいるか」
楽園を潰す声が聞こえた、何なのだろう?神様は私が嫌いなのだろうか?
というかもう直ぐ授業始まるぞ、ああそっか生徒の自主性とか訳の分からないこの学園のモットーにより生徒会が一番権力もっているんだったな。畜生!!!
何が生徒の自主性だ、金持ちに屈した哀れな大人のいい訳だな。
だったら生徒会に楯突く自主性も下さい。生徒会のメンバー達のアレは自主性ではなく傲慢です。
何て言っても、この男を止めれる筈が無い。
しかし、「いるか?」と聞いているという事は、まだ私の認識はされてないはずだ。
早急にヘッドフォンを出して、音楽を聴きながらツップンした状態で寝ているフリをする。
コレは、似非ボッチが本気で喋りたくないときに使う手だ。
音楽聴いているから聞こえません。
そんな素晴らしい状況を生み出す必須アイテムだし私の事なんて、手で起こそうとするほどのニュースがある訳でもない。
ヘッドフォン最強... ...
何て思っている時期が私にもありました。
ブチィィィイイ!!
ヘッドフォンの紐事ぶん捕られました。泣きたいです。
「よぉ、貧乏人」
『... ...ハロハロ~天王寺先輩』
ヘッドフォン最強神話が崩れた瞬間であった。悪魔が笑っている。




