第59話 秋雅(千秋の父)
千秋の父の名前は秋雅に決定しました!
千秋の父、天崎 秋雅と言う人間は完全なる定型的な仕事人間だった。家庭を省みず、自分の子供を妻に任せっきりで関心を向けた事は殆どなかった。
しかし秋雅は自覚をしていないだけで、娘への愛情は確かに存在していた。それに気付いたきっかけはある事件だった
千秋は...死にかけていた。正確に言い直すならば、殺されていた、薫子の手によって。薫子は千秋を押し倒し、包丁を千秋の首もとに突き立てていた。
一体何があったのかは分からない、たまたま早く帰って来ただけで状況が飲み込めなかったが、気がつけば秋雅は咄嗟に薫子を突飛ばし、千秋を守るようにして抱き締めた。
「本当にすまん...本当に...すまん!」
病院から目が覚めた後に見たのは泣きながら私を抱き締める父の姿だった。普段、冷酷なまでに冷たくて自分に関心を向けない人だったから、それは凄くすごく衝撃的で驚いた。
「許してくれとは言わん!!...俺は大バカ者だ!!」
そう言って大泣きする父にどうすればいいか分からず、アタフタと混乱していたのは覚えてる。
『え...あと...え?』
呆けた言葉しかでず、とにかくどうしたらいいのかサッパリ訳が分からなかった。母からは包丁を突き付けられ、殺されると思ったら父が現れ、気絶して目が覚めたら大泣きしている父がいた。
なんだこりゃ?
本当に意味が分からない。誰か教えて下さい、え?何コレ?なんなの?なんなんだ?
そしてこのあとに真の混乱が待ち受けていた。
退院できたと思ったら両親の離婚騒動があり、私が子供ながらに努力していたのが紙切れ一つで終わった。
これに関してはそこそこショックだったのは覚えてる。私は父と母が嫌いじゃ無くて、育児放棄とか虐待とかで通報されない様に色々と努力というか、笑ってたのに
それがあんな薄っぺらい紙切れ一つで終わっちゃうなんて...と一周回って笑けてきた。なんだったんだ私の努力。
「私の娘よ!!...」「なんで包...!!」「ずっと放ったらか...!」「それは悪いと...」
両親の言い争いが聞こえる隣の部屋でフライドチキンをヤケクソで頬張って食べてたのは今になってはいい思い出だ。
訂正、嫌な思い出だ。
そして何故かアパートを引っ越す事となり、住宅地の一軒家に住むことになり、私の部屋も作られ訳が分からないまま転校もさせられた。
これに関してもショックだった。アパートには私を泊めてくれる人がいて、逃げる場所がすぐそばにあったのに、こんな住宅地だったら逃げる場所も一苦労になる。
「今日から私が貴方のお母さんよ」
いきなり現れた、[私は家庭的な女性ですよ]な人が母になった時は胃に穴が開くかと思った。
と、結構不満はあったし父もそれなりに察したのか何度か言ってきたことがある。
「大丈夫か?いやじゃないか?本当にすまん、嫌なら言ってくれ」
と、しきたりに言う父に一体何を言えばいいか分からず私は相も変わらず嘘と本音をごちゃ混ぜにした事を言いまくっていた。
『大丈夫だよ!』『嫌じゃないよ』『こんな家に住めるなんて夢みたい!』『新しいお母さんはいい人だよ!』
さて、そんな嘘バッカリ言っていたのは完璧に私の責任である。
話し合う機会は幾らでもあった筈だし、父は本当によくしてくれた。
例えそれが余りにも不器用でも、ちゃんと分かるように表現してくれただけでも感謝している。
けれど私は話し合うことから逃げて勝手にストレスを溜め込んで勝手に倒れて勝手に家に寄り付かなくなってしまったから、とても後悔していた。
もしまた会うなら今度はちゃんと話し合いたいとも思っていたが...
『でもさ、これはちょっとやだなー...』
「千秋?」
『ううん、何でもない』
天王寺先輩の医務室の真っ白な部屋に、真っ白の雪まみれになった父がいる。
天崎 秋雅さん。なんでいるの?
んっと...薫子が千秋を殺しかけたのには訳が...まぁ活動報告見てください。
千秋にとっては何がなんだか分からない出来事でしょうね(笑)




