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第58話 天王寺と琴音

千秋の父の名前、まだ募集してます!

場所を変えようと天王寺は提案した。その小さな子供は一端託児所に置いて別の場所で話がしたいと


「何故?彩音がいては迷惑なの?」


「違う、俺たちが子供に迷惑かけるんだ」


心外だとばかりに言う琴音に対して天王寺はそう返した。その言葉に詰まってしまった琴音は素直に天王寺の提案を受け入れる事にした。



用意された個室、この部屋は結構な値段と予約が必要だが、天王寺の権力で黙らせた。


「何で、来なかったんだ?留守電を聞いていなかったとか壊れていたとかいう言い訳は使えねーからな」


それは千秋が琴音の為に用意した逃げ道である。しかし天王寺は知るかと言うかの様にその逃げ道を潰した。


「あの子は一人でも大丈夫でしょ」


天王寺の質問に琴音はそう返した。罪悪感も何もなく本当にそう思っているらしい。


「あぁ、あいつは一人で大丈夫だったぞ、雪が降り積もった寒い中何時間も一人でいて死にかけていてもヘラヘラと笑っていた......それを大丈夫と判断するなら大丈夫なんだろう」


天王寺はあの時の千秋の笑顔を思い出して腹がたっていた。ヘラヘラと笑い、全てを諦めた目が凄く嫌だった。


「だって...仕方ないじゃない......ずっと私を拒絶し続けてた癖に今さら来られてもどうしたらいいか分からないじゃない!」


叫ぶ様にして琴音は言った。琴音だって歩みよろうとした、愛する人の娘だから、自分の娘になるんだからと歩みよろうとした。


「あの子は一人でなんでもして、何でも出来て....それだけならまだしも、あの子は気味が悪い位に気を使って...まるで他人みたいに顔色を伺うの!!」


その言い分に対して天王寺は短い言葉で吐き捨てた。


「実際他人だろーが」


なんとも救い様が無い言葉だが、事実であるが故に酷く心に突き刺さる。


「他人が何言ってんだ?いきなり現れた変な女に対して警戒しねー人間はいねーんだよ。居たとしたらそれは単なるバカだ。」


その言葉に自覚はあったのだろう、確かに自分は他人だと。


「それは、そうだけど......でも...そんなの...狡い」


目線を下にしながら琴音はまるで子供の様にそういった。天王寺はその言葉に何も言わない。


「狡いわよ!あの子は拒絶してもいいのに私は駄目だなんて!同じなのに!血の繋がらない他人が家族になったのは同じなのに!」


狡い...狡い...


きっとそれは心からの本音なのだろう、色々と冷遇されていた。後妻で若いと言うだけで近所の噂の的となり、しかも無条件で悪者にされる。それが悲しかった。


蔑ろにして拒絶したのはあちらも同じなのに何で自分だけ......


「貴方は...千秋の恋人?だから私が許せないの?」


その言葉に沈黙していた天王寺は口を開いた。


「は?俺は千秋の恋人じゃねー。あいつの好みは成人した年上男だ.....つーかな


俺は千秋が大嫌いだ」


天王寺の言葉はおよそ琴音の予想外であった。そんな琴音を無視して話を続ける。


「大体胡桃に一番愛されてる時点であいつは死に値するんだ、正直な話あいつが傷付いていようとどうでもいいし、ぶっちゃけ死んでくれれば嬉しいと思ってる位だ......けどな


けど、あいつが死んだら胡桃と後輩と会長が悲しむんだよ、あいつが傷付いたら悲しむ奴がいるんだよ、んでもって俺様はそいつらが大好きだからそんなの嫌なんだよ。あと胡桃が絡まないんだったら俺様は千秋を死んで欲しいとは思わねー


だからあいつの為なんかじゃなくて自分の為に来た」


早口でまくしたてる言葉に琴音は一体なにが何やら分からなかった。

会長?後輩?え?何をこの少年は言っているのだろう。

琴音はただ混乱する。要は天王寺はいつもの自己中を貫き通しただけなのだが、そんなの分かる筈もない。


「つーかさ、色々と間違えてんだよ」


仕切り直すように天王寺は琴音を笑いながらそう言った。その言葉にどこか自覚があるのか琴音は強く言い返した。


「じゃあどうしたらいいのよ!貴方じゃない!他人だっていったのは!それに血が繋がってなくて拒絶したのは千秋ちゃ...」


「はぁー...まずそこから離れろ」


泣き叫ぶ様に言う琴音の言葉を遮って天王寺はため息をつきながらこう言った。


「別に家族だとか、性格が合わないとか、血が繋がってねーとかそんな事はぶっちゃけどうでもいいんだよ、それは個人的な問題でそっちの家庭問題だ...俺が言いてーのはもっと前提の話だ」


「前提の話?」


そう首をかしげる琴音に天王寺は頷いた。そして口を開き、普通なら当たり前過ぎてまず言葉にしない事を言った。


「自分が"大人"だって事を自覚しろ......





千秋は"子供"だって事を.....認めろ」


母親だ家庭だ娘だ不幸だと言うのはまずそれからだ。

天王寺は千秋の家庭問題には一切手を出しません。それはそっちの問題だと割りきっています。


「お前は大人だろ!」は至極当然の事を言ってるだけです。天王寺は後輩や年下をなんだかんだで面倒見のいい兄貴分だからというのもあります。


「認めろ」の言葉の前には多分「頼むから」が入ってると思います。


次は話変わって千秋の父がでてきます。

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