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似非ボッチの私が逆ハー女の親友になってた  作者: 黛 カンナ
愛憎うずまく波乱のセレ祭 当日編
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第51話 セレ祭、これにて終了

鳳は屋上への階段を登っていた。セレモニーが終わった後、和人会長はどこかへと行き消えていったと思えば、いきなり戻ってたのだ「千秋は屋上やで」


それだけをいい放ち、またどこかへと消えて行った。鳳は取り合えず、千秋のいる場所へ足を運んだ。

ドアをあけ、花火がまだうち上がる中そこに千秋はいた


『ハロハロー、鳳くん』


「千秋さん...」


手を振って何時もの様に笑う千秋、暗くて見えないが、花火の光で時々目元に泣いた後が見える。


『そんな悲しそうな顔しないでよ、これでも決着はついたんだからさ』


「......あの、戻らないんですか?」


『戻らないね、どうせ書類整理やら意味のない権力者達の媚売りだろう、もう私は何もしないから君たちで勝手にしたまえ』


千秋は早口で色々な理屈を述べ、即却下した。千秋は自分の立場をちゃんと把握している。


自分が余りよく思われてない事も理解しているし、自分が行ってしまったら今度こそリカは立場を失ってしまう。その場しのぎでいい千秋とは違い、これからも別の学園で生きなければならないリカを思っての判断だった。


『今日さ、久しぶりに本音で大声出したよ...もう遅いんだけどね』


自嘲気味に千秋は笑う。千秋は実の母を愛してはいないし、正直な話彼女が母親だったのは自分の不幸だとも思っている。けれど、元気で幸せになって欲しいという気持ちは紛れもなく本音だった。


『なんだろ、和人会長と出会ってからロクな事がないよ』


「どういうことですか?」


『これも会長の思惑だったわけさ』


リカをレプラにしたのも千秋と薫子を出会わせたのも、会長の仕業であった。何故そんな意味のないことをしたのかは分からない、和人は面白そうだからと笑っていた。


もしかしたら、裏で誰かが糸を引いてたのかもしれないし


実はそれが純粋に千秋を思う気持ちだとバレるのが恥ずかしかったのかもしれない。


花火がまだ打ち上げられている。


『...これどんだけあるの?』


「理事長がノリで花火を追加して500から5000にしたそうです」


『......うちの学園の理事長は代々頭の可笑しい人がする決まりなのか?』


唖然とした千秋は苦笑いで花火を見た。

正直な話、ちょっと煩いし花火が火事に見えて来た。


『本当に私は格好悪いな(ボソッ』


「どうました?」


『ううん、単に昔を思い出していただけだよ』


あの時も本音でぶつかりあったかな?アレは物理的に殴りあいになってた、正直もう忘れたい黒歴史だ。


『じゃあレプラの後始末はお願いね、もう仕事しないから』


鳳を尻目に千秋は屋上のドアへ移動した。レプラをやる意味はもう無くなっているし、言いたい事も全部言った。リカはきっと上手くしてくれるし、何より...


『(私を傷付けようとして、打ち上げに一人呼ばれないのもキツいしね)』


きっと便宜上は誘ってくれるかもしれないが、お前は部外者オーラを出されるのは嫌だ。そんな子供っぽい理由も関係していた。


「はい、後始末は任せて下さい。お疲れさまでした」


優しい鳳くんの声が聞こえてすこし振り向き、『またね』と手をヒラヒラさせて屋上から出ていった。......そろそろ花火がウザい、鳳くんの顔が見れなかった。


私のセレ祭は、これにて終了。

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