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似非ボッチの私が逆ハー女の親友になってた  作者: 黛 カンナ
愛憎うずまく波乱のセレ祭 当日編
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第49話 セレ祭 ⑦

「はあ?千秋と鳳がおらへん!?」


驚愕の表情でいつものヘラヘラした笑みを崩しながら報告してきた後輩、浩太に詰め寄る。浩太はそれに驚きながらも必死で言葉をつむぎ。


「そ、そうなんすよ!!さっきから探していたんすけど…」


「千秋はともかく、鳳もって……」


頭を抱える会長、和人はどうしようかと思った。現在、特別校舎で作られた大きいドームには何人もの偉い人達や大物達が居る。大抵は在学生の保護者達や卒業生達、そしてスポンサーだ。


生徒会のメンバーはステージに立ってスピーチや顔見せをしなければならない。そしてレプラも行事の責任者として顔見せしなければならないのだ。


会長としての立場や伊集院家としての立場、その他もろもろ背負っている和人としてはなんとかしなくては成らない


「まったく、鳳までどうしたというのだ」


桜ノ宮は苛立っていた。千秋が舞台に出るのを嫌がるのは明白だから逃げるのは何となく分かっている。外見は整っているので顔見せというだけでは見栄えはするが、自分の立場や書類上はともかく実質上の地位を視野に入れている千秋はそんなことはしないし、こちらとしてもデメリットはない。


しかし、問題は鳳である。

鳳・アレンクシスは生徒会役員、しかも地位も人気も凄まじいものであり舞台には絶対に立たなければならない。時期会長とさえ噂されている彼が出なくては示しがつか無いのだ。


「別にいいんじゃねーの?最悪は俺様か和人で何かすごいことして会場をもりあげて良い感じにすれば」


なんともアバウトな天王寺からの提案であった。


「ええ感じってどんな感じやねん、アレか?俺に火の輪をくぐれとも言うとんのか?」


「いいなそれ」


「いい訳あるか!」


天王寺はいたって真面目そうにいい、それに和人はツッコミを入れる。そして天王寺は和人の許可が有れば今すぐにでも取り出しそうなのが怖い。


そして、色々な意見が出しめきあう中リカだけば黙って俯いていた。それに気づいた和人は、静かにリカの方へ行った。そして、周りに聞こえないようにリカにだけ聞こえるように言った。


「なあ、千秋に何かしたんか?」


「してないわよ!」


リカは言いがかりだと言わんばかりに和人に言った。その様子を見て観察力の高い和人は、リカは何もしていないのは分かるが、すくなくとも何かがあったのは明白だった。


「なあ、千秋と合流した時……母親と会わせたんか?」


和人は質問を変えた。千秋とリカが出会って逃げるほどの混乱があったとしたらこれ位なものだろう。しかしリカはそれにも首をふり。


「お母様とは会ってないわ、だって……あの子、ずっと振り返らないで鳳くんとどっか行ったから」


「成るほどな~…」


なんとなく、意味は分かった。きっと千秋の様子に気づいた鳳がどこかへ逃がしたのだろう。鳳の千秋への感情が変わってきていたのは薄々感づいてはいた。しかしこの様な場面で出る事となるとは……


どうしたものだろう、今はオーケストラの皆様が曲をひいているので時間はあるが、それも直ぐに終わってしまう。アンコールを大量にやって時間を稼ぐとして、それはもって20~25分位が限界だろう。


この無駄に大きな校舎で二人を見つけるのは大変だ。しかも鳳のことだ簡単にみつかる場所にはいないしで……はぁ


「最悪の場合は浩太が火の輪をくぐってインパクトを与えて生徒会メンバーの人数をぼやかすしか無いんんちゃう?」


「何とんでも無い事言っているんすか!?って天王寺先輩、道具を出さないで……どこから出したんすか?」


事態が事態なだけに変な方向へ話が始まってしまう。しかも変な雰囲気に入ると人間は思考が一時的に可笑しくなり、浩太も半ば諦めそうになっていたが……


「すみません、遅くなりました」


鳳が登場した。走ってきたのか多少汗をかいており、それをすぐに拭った。

しかし、千秋はそのばにいない。


「なあ、千秋はどないしたん?」


小声で鳳に聞くが、鳳はすこし困った表情をしていた。それを見てなんとなく察した和人はそれ以上触れずに。


「まあ今はそんなんええわ、もうすぐセレモニーが始まるで」


オーケストラの音楽が終わり、和人はそういって舞台にたった。

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