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似非ボッチの私が逆ハー女の親友になってた  作者: 黛 カンナ
愛憎うずまく波乱のセレ祭 当日編
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第43話 セレ祭当日②

私は会長からもらったチケットを持って視聴覚室へ行った。視聴覚室とは名ばかりであり、正直な話映画館と殆ど変わりなく、結構豪華なつくりとなっている。5代前か2代前かは忘れたが、やはりこれもとある映画好きな理事長が権力を振り回して造ったのがはじまりだ。


そして、ここでもセレントの悪しき文化というか伝統があり視聴覚室、もといシアタールームに入れるのはチケットを配布される特別校舎の生徒たちと特別校舎に入学が決定している生徒たち、及び教員ぐらいのものなのだ。


そして我ら普通校舎の生徒達は、一応見れるには見れるものの、その扱いはちょっと酷く、チケットを持っていないとパイプ椅子に一番見えにくい後の席にされる。


しかもその席で見れるのもごく一部で、大抵はアウェーな空間をきらっていくか、人数制限にあうかのどっちかだ。


私も本来はそっち側の人間なのだが、会長にチケットをもらったので普通に入れるし、ちゃんとした席に座ることが出来る。


「何アレ…」「なんでこの子がいるの?」「普通校舎の人間でしょ?」「やだ~…」


若干アウェー感は否めないが、普段とあまり変わらないので私は気にしない。


さて、胡桃と天王寺先輩はいったい何の映画にしたんだろうと少し気になったので、受付で貰ったパンフレットを開く……


題名;胡桃姫


余りにもストレート過ぎると言うか、もうちょっと…こう…なんとか成らなかったのかな?っと思ってしまう題名であった。写真には胡桃がお花畑で走っているのが出されている。何だコレ?


と私が頭を悩ませている間に辺りは暗くなり、映画が始まったことが分かる。


『なんで高校の自作映画ごときに予告編とか映画泥棒のやつとか出てくるんだ……』


何故か、あの……うん、頭がカメラで出来ているスーツの男がダンスをする、あの映画泥棒のやつが流れ出した後、何故か予告編が出てきた。何の予告編かというとこの後に放映される映画らしい。どんだけ本格的に造っているんだよ。


それが、10分程度で終わったあとようやく映画は始まった。

内容は若干シンデレラとかをベースにしたと言うか、若干中世ヨーロッパ風のかぐや姫っぽい奴だった。


ドレスを着てとても可愛い胡桃がお空からふってきて、美少女になり求婚してくる男達に無理難題を押し付けると言う感じの話だった。機材がいいのか、写りはよくて胡桃の可愛さを最大限に引き出しているし、色々なアングルからとっている。


胡桃は愛され少女なのでみんなから愛される。それは勿論自分のクラスも例外のもれないので愛されているのだろう。そういうのが充分に伝わってきた映画だった。


胡桃が一番可愛いとおもうアングルでとり、胡桃が可愛くみえるようにしている。これは言うなればクラス一同が全力をあげて胡桃を可愛く見せる為にとった映画ともいえる。


そして天王寺先輩の役割は、無理難題を力技でむりやりに叶えた王子様だった。実際にありそうで怖い。そして求婚をせまるが、胡桃は逃げ出し、ガラスの靴をおとしてしまう。


おとしたガラスの靴を手がかりに町中を執念で探す王子。……演技が凄くてちょっと怖かった。最早悪役にしか見えないのは私だけなのだろうか?周りを見渡せば女子生徒はうっとりとみているので気のせいだったのだろう。


そして天王寺先輩もとい王子はやっとの事で胡桃姫を見つけ出す。しかし胡桃姫はこういう


「私にはチアーキ様をお慕いしているの……」


「あんな目が腐って隈が酷くて年上好きで彼氏が大量にいる不健康女では胡桃姫を幸せに出来ない」


……なんだろ、とてつもなく苛立ってしまった。コレ、私の事じゃないよな?


そして話はすすんでいく。胡桃姫はチアーキを諦めきれないと知ると天王子はコッソリとチアーキを暗殺しようとする。……一瞬寒気が襲ったが気のせいだ。


しかしチアーキは元々天王子に胡桃姫をたくすつもりだったので、そんなことはされず、なんやかんやで二人は幸せに結婚しましたとさ。

めでたしめでたし。


終わる頃には拍手の嵐で、私も拍手をした。

正直色々といいたい事はあるし、天王寺先輩が怖かったのだが


けっこう良い映画だった。

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