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似非ボッチの私が逆ハー女の親友になってた  作者: 黛 カンナ
愛憎うずまく波乱のセレ祭 準備編
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第39話 ホテル

現在私は天王寺先輩のホテルに泊まっています。はい、天王寺先輩のです。8歳の誕生日の時にホテルをプレゼントされたらしいです。何それバカだ


「お前失礼なこと考えているだろ」


『いいえ、事実を考えているだけです』


先輩はシャワーから出てきて髪を拭きながら喋りかけた。

ホテルでシャワーと言うとエロい感じがするのだが、生憎どう転ぼうともコイツをそういう目で見ないからエロい展開にはならない。


『と言うか本当にすごいところですね』


私は思わず唸った。一流ホテルの最上階で外には何故かプールがあるし、冷蔵庫の中には美味しそうな物があるし、ネットでしか見たことのない紅茶の葉まである。なんじゃこりゃ、ここは日本か?


「親父が派手好きだからな、よく改造しまくっているんだ。俺様は興味ないからいいんだが、なんというか、経営者のトップとしては凄いんだが人としてアレなんだ」


『わー先輩の父親って感じがしますね』


「どういう意味だ」


睨まれた。いや、天王寺先輩の父って感じがしますもん。天王寺先輩も派手好きでよく生徒会室を改造したりしているし、イベント事においては注目度ナンバー1にまで輝いているし、この人は会長とは違うタイプのトップに立つ人なんだと思う。


『将来規模が大きくなれば先輩も同じ事しますよ』


世界征服とかしそうだ


「お前なぁー・・」


ため息をつかれて。どうやら疲れているようだ


『それより、話したい事ってなんですか?その為に呼んだんでしょ?』


本題に入るために私は話をふった。このままのテンションでは終いにバトルファイトしそうだ。


「お前さ、安藤と何があったの?」


『何がって?』


「とぼけるな、明らかに安藤のお前への態度は敵意むき出しすぎる」


『あぁ……私の昔の母の再婚相手の娘さん』


アッサリと私は白状した。この男に隠し事なんてもう意味がないとおもうし、天王寺先輩の権力ならばバレるのは時間の問題だっただろう。


『母は何時の間にか別の母になってたみたい』


自嘲気味に私は笑う。

いや、可哀想な私アピールとかじゃないよ?単に思うところがあっただけ、父と母は離婚しても実はその後ちょくちょく私達は会っていたのだ。月に一回養育費と言う名目でお金を私に渡してくれていて、最初は受け取ってたけど、途中から辞めた。


話は一言二言で終わり、いつだったか母が再婚したことを話してくれた。どんな表情だったとか幸せそうだったのかとか、不幸そうなのかとかはちょっと覚えてない。でも

薬指にはめている指輪が綺麗なのは覚えてた。


「何でレプラになったんだ?お前は目立つこと…つまり人の上に立つのを嫌ってそこそこ優秀な癖に下に見せて生きるゴミ虫みたいなのがお前の真骨頂だろ?」


『どんな真骨頂ですか』


と言うか言い方が嫌過ぎる。どんだけ卑下しているんだ。生徒会は悪口じゃなきゃ人に物も言えないのかよ、そして大体合っているのが腹に立つ。畜生。


頭の中で先輩に文句を並びたてながら、吐き捨てるように私は言う。


『聞きたいことがあるんですよ』


そう、私は母の娘になった安藤さんに聞きたいことがある。

端から見ればしょうもないことでくだらない事かも知れないが、どうしても私は聞きたい事がある。


『話はそれだけですか?』


「もう一つ」


ベットで寝ようとしている私に静止を呼びかける。それを聞いて私は立ち止まる。


「胡桃を泣かせるなよ」


どんだけ胡桃が大好きなんですかこの人。普通は「無理するな」とかだろ。色んな意味でこの人は本当にブレないなー…と感心する。ある意味胡桃と合いそうだわ。


『わかってますよ』


胡桃を泣かせることなんてしないよ。

いや、やっぱ泣かせるかな?ヤベ、分かんねー…


そんなどうでも良いことを考えながら私は寝た。

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