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似非ボッチの私が逆ハー女の親友になってた  作者: 黛 カンナ
愛憎うずまく波乱のセレ祭 準備編
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第35話 出来る千秋と悪循環

「これの予算なんですが、もう少し・・」


一人の生徒が書類をみせながら、少女に話しかける


「ダメったらダメ!!こんなのに予算なんて勿体ないわ」


それをバッサリ切り捨て、生徒の話を聞こうとしない。彼女の言ってる事は正しいのだが、どうも伝え方に問題がある。


「は!?こんなのとはなん・・!!」


写真部の部長は、バカにされた事に対して腹を立て、激昂を飛ばそうとするが、千秋が横から入った。


『あー、ご免なさい先輩。いいですか?写真展には写真のフィルム代とパネル代だけでいけたりするんです』


「馬鹿にしてるのか!?」


『いえ、単にこちらもやむを得ない事情が・・』


低姿勢でこちらの不備だと認めつつ、相手にも無理だと認めさせ、謝罪とフレンドリーさで怒りを残さないようにする。


「(問題のある光景やな・・)」


和人はそう感じた

基本的にリカの伝え方にちょっと問題があり、そのしわ寄せが千秋に向かっている。こんな仕事だからある程度は嫌われ覚悟でやるのは仕方ないが、やり過ぎるのはどうかと思う。

そして、同じ様に思っている人がもう一人いた。


「大丈夫でしょうか?・・千秋さん。アレって仕事量が多すぎですよ」


遊園地以来、何故か千秋を気にかけて心配をしている鳳アレンクシスは和人に言った。


「んー・・でも、千秋があの量をせな成り立たへんしなー・・」


そう、色々な資格を持っている千秋は勿論書類仕事なんて簡単に出来る。そして出来るからやる。量も多くなるのは仕方ない。


勿論リカも出来てはいるのだが、元々のスペックが違う故に千秋程の量にはいたらず、それを自覚してるので焦り、ミスが多くなる。


リカのミスのフォローをするため千秋はまた仕事が増え、その現実に苛立って人に八つ当たりし、そのフォローに追われ、また仕事が増える。


完璧な悪循環である


誰が悪いとかそんな問題ではない。千秋は出来る事をして、リカは出来ない事も頑張ってやろうとしている。

ただそれだけなのだ。


「天崎さん!私のした書類を勝手に見ないでくれる!?」


『いや、計算間違ってたから・・』


そして、リカ自身にも攻撃を受けている。

根本的に千秋とリカは余り相性がよくない。


基本的にリカの様な努力で上に上がってきた真面目な秀才タイプとは相性が悪く、派手で目立つテンションの高いグループ達との方が案外上手くやれている。


軽く生きている様に見え、自分より劣っている様に見えてるのに実は自分より優秀で有ればプライドが傷つく。


ノリが軽いカーストトップは普段の生活。つまりは数字に成らない所で価値を見出だすので、余り気にはせず、そこでトップでさえいれば良い。


逆に真面目な中カースト達は成績やテストの点数。数字になる場所で価値を見出だし、周りの子達を過剰に気にする。


もしくは逃げる事が下手なのだ。真面目であるが故に目の前の真実から逃げれないで有りもしない攻撃を受ける


リカはその典型だろう。


しかし、もしリカが素直に千秋を受け入れていたら案外楽になっていたのだろう。千秋は浅く広くの関係で深く関わらなければ、居心地のいい楽な友人になれた筈だ。


「千秋さん、大丈夫ですか?」


鳳は我慢の限界だと言うように千秋の元へ行った。本当に心配している様で無意識に背中をさすっている。


『え?・・心配してくれてるの?』


手を休めずに千秋は言った。最近、鳳は何か変わった気がする。優しく背をさすってくれている事実に驚いた。


「え?・・あ、いや・・貴女がダウンしたら回らなくなってくるじゃないですか・・だから・・その・・」


終いには俯いてしまった。


どうしよう、もしかして疲れたせいで効率が下がったのかな?


と、頭の中は書類整理やらフォローやら計算やらリカやらの事で一杯になり、そっち方面へ頭を働かせる余裕の無い千秋はそう結論付けた。


『ごめんね・・ちょっとだけ自販機に行ってもいいですか?喉が渇きました』


書類を一段落させた千秋は手を上げてそう言った。自販機に行くとは名目で事実上の休憩願いだ


「ん?ええよ、行ってきー」


それを察した和人はそう言って許可する。多分彼女はまた激甘ココアでも飲むだろう。


『ありがとうございます』


若干疲れのこもった声でそう言った千秋は生徒会室のドアを開け、出て行った。

千秋は鈍感な訳では無いです!

単に今までがアレだったのと、現在はそんなこと気にしてる場合じゃ無いので鳳の心境を理解出来てません。

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