第3話 特別校舎に行きたくない
『いやですね』
私はそう言って手を振り払った。
「何故だ」
桜ノ宮先輩は苛立っている
『知っているでしょ?普通校舎の人間は特別校舎には入れません』
そういう決まりなのだ
普通校舎と特別校舎には二階に一応繋がる道はあるが、普通校舎の人間は入れない、因みに警備員が配置されておりそこ以外では特別校舎にいけない。
正門は、まず敷地内に入った時点でアウト、退学、停学等の処分。
どうやら盗難防止や中流階級の人間が特別校舎に入ることを生理的に無理な人の為らしい... ...なんじゃそりゃ
だったら最初っからそんな物を付けるなよって話だぞ
しかし、桜ノ宮先輩はいい放った。
「何を言っているんだ、そんなもの許可さえあれば大丈夫だろうに」
そう、あまり推奨はされていないが、特別校舎の人間が
「この子、入れていいよ」とさえ言えば、入れるのだ。
実際私は何度も胡桃につれていかれた。
『誰かさんの悪意ある行動のせいで私は居心地わるいのですが?』
主にどっかの生徒会のせいでね。
そもそも普通校舎の人間が特別校舎に入ること自体可笑しいのにあんたらのせいで私は相当居心地悪いぞ。
コミュ力だそうにも、皆先入観ありすぎで話通じないのが殆どだし、どうなってんだ。
「お前なら、上手く立ち回れるだろうに」
『買いかぶり過ぎですよ』
単に格好つけているだけです。
このまま特別校舎行きは避けたい、特別校舎なんて冬場に寒くなった時に温泉施設に行くぐらいでいいんだ
... ...何で温泉施設あるんだよ
「失うものがまったく無い特別校舎に行くのと...
普通校舎で二重に括弧つけてまで作った薄い交友関係を失うのどっちがいいんだ貴様」
『あー、もう分かりましたよ』
やれやれのポーズを出す
言っておくが、先輩が言っていたことが怖くなったのではない。
確かに今、周りの目は厳しいが薄い交友関係ならばいくらでも作れる。
対する特別校舎は、生徒会が好きすぎてだめだ。胡桃という逆ハー女はいても、もしかしたら・・と言う幻想があり、気に入って欲しいが為に生徒会が嫌う私を嫌っている。
ある意味信者だ、怖い怖い。
ぶっちゃけた話、このままでいた方が多少の嘲笑と敵視だけで終わり、幾らでも修復可能なんだが... ...
喋るのつかれた。
ハニーココア飲みたい、ハニーココア。
ハニーココアとは、ココアの中に蜂蜜が入っている飲み物だ。
めっちゃ甘いが、疲れた時には最高ののみものである
「さっさと行くぞ」