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似非ボッチの私が逆ハー女の親友になってた  作者: 黛 カンナ
そうだ!遊園地に行こう!
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第28話 千秋の旧友と出くわす

「会長の携帯、繋がりませんね」

鳳はメリーゴーランドから出たあと、遊園地内を周りながら、胡桃たちを探していた。


『あの性格最悪似非関西弁のやることだね・・・って胡桃にも繋がらない』


千秋はスマホで胡桃にかけるが、電源を切られてるらしく繋がらない。仕方が無いのでメールを送ろうかとも考えたが、あの男の性格上、胡桃からスマホを取り上げて千秋のメールを見たら面白がってまったく別の場所を教える可能性を千秋は考えた。


「どうしましょう?このまま貴方と一緒にいたくありませんし・・」


『同感だね、紅茶に毒を盛る陰湿男とは私も一緒に居たくない』


普段ならヘラっとして流せる嫌味も、現在あの関西弁の手のひらで踊らされていると言う事実に苛立っている為、嫌味返してしまった。案の定、鳳は眉をひそめながら


「貴方、胡桃さんの親友なんでしょう?胡桃さんが行きそうな場所とか分からないんですか?使えませんね・・」


『胡桃の行きそうな場所は分かるけど、会長が胡桃を言い包めてあちこち連れまわしてると思うよ・・ごめんね』


「ふぇ?・・あ・・別に、謝って欲しいわけではありません」


突然謝まわれた鳳は少しだけ驚きを見せたが、すぐにまた携帯へと視線を変えた。


千秋はスマホを閉じて冷静さを取り戻してゆっくり考えれば、別にあの二人が居くてもどうでもいい事だし、別に害はない。最悪かってに帰れば良い。


そう結論付けた千秋は、未だに苛立ち携帯と睨めっこしている鳳にその旨を伝えようと思った。会長が本気を出せば、自分達が探すのは不可能である事が想像付いたので、鳳に話しかけようとしたが・・・


「アレー?アキちゃんじゃん!」


一人の甲高い声が響いた。

名前を突然言われた千秋も鳳も声の方向をみる。


―――――この人たちは誰でしょうか?


鳳は先ほどの苛立ちを一旦冷まし、声の主を見るが生憎自分の知っている人ではないようだ。しかも自分も一緒にいるのも関わらず、千秋に話しかけたという事は学園の人間でも無いらしい。

4,5人の男女グループで少し気の強そうな印象を持つ女の子が話かけていた。


「そうだよね!?アキちゃんだよね!久しぶり!覚えてる?」


自分に指差し、首を少しかしげて疑問のポーズをしているが、その目は自分を覚えてない筈がないと言う絶対の自信のような物があった。


『・・わー!なっちん久しぶり!』


千秋は一瞬間を空けながらも、笑顔で対応している。


「本当に変わったね、前は・・クス・・いつも同じ様な服を着てたのに」


「え?そうなの?」


同じグループの男性が会話に入ってきた


「そうそう!この子ってさ昔めっちゃダサかったんだよ・・ププ!まぁ親があんなんだもんね・」


「えー何々?どうしたの?」


また誰かが入ってきた


「いやさ、何時も家に親がいなくてさ本当に可哀想だったよ・クスクス・」


と、嘲笑交じりに彼女は笑う。人の不幸を面白可笑しく話のが彼女の癖なのだろう、悪気は無い・・とは完全にいう事は出来ないが、千秋を嫌っている訳では無さそうで寧ろ本人的には可愛がっているつもりだろう。


『そ、そーなんだよね!ウチって共働きだからさ!あんまり家にいなかったんだよね!いや~なっちんにはお世話になったわー・・』


「ちょっ!照れるってば!・・それでさー・・」


この光景を見ながら鳳は少しだけ苛立っていた。

胡桃を探すことについては、一旦冷静になったが今度は千秋の姿を見て無意識に苛立っていた。千秋は何時もよりテンションを上げて喋っており、口調も若干変わっている。しかも明らかに周りの顔色を見ており、笑みを崩さない姿は必死さを思わせた。


「(何故、私に助けを求めないのでしょう?)」


千秋は鳳の方を見ないで会話を続けている。少女たちは鳳と千秋は無関係だと思っているようで、千秋も鳳を巻き込まないようにしていたが、鳳はそんな事知らないに決まっている。


「(せめてこっちに視線をくれればいいのに、ああもう!苛立ちますね!困ってるんでしょう!?だったら私が・・・・・いえ、違います別に彼女に助けを求めて欲しいわけではありませんし、助けるつもりもありません

」」


・・・別に鳳は、千秋を好意的に思っているわけではない。むしろ嫌悪感を示す相手だ。だから本来千秋が困っていようと、どうでもいいし、それにアレは千秋の自業自得かもしれない。過去に何があったかは知らないが、後先考えずに行動していたツケが回って来たのだろうと


鳳は自分勝手な結論で千秋を放っとく事も出来るし、寧ろそうするのが鳳なのだが・・・


「(・・まぁ、見ていて面白い訳でもありませんし・・そこで集まわれるとお客さんが通れませんし・・後、彼女の声は煩いので苛立つから・・だからコレは千秋を助けるとかではなく、自分の耳の為です!だって彼女たち煩いんですから・・)」


自分の苛立ちは、周りのグループにも聞こえる様に結構な大音量で喋っている少女のせいだと結論づけた。


「でねー!アキちゃんの親って最終的に「ちょっと煩いのですけど」・・」


喋っている少女にとても冷たい声が被せられた

鳳はちょっと不器用で何も知らない・・う~ん、なんて言えばいいのかな?やっぱ分からないや

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