第2話 桜ノ宮 敦(あつし)
レストランに胡桃を残し、自分の校舎の廊下を歩く、その途中で
「やっほー千秋!」「ご飯もう食べた?」
と、何人かに声をかけられる。ので私はてをふった。
『ハロハロ~ご飯もう食べたよ~』
と適当に返しながら、歩く。
生徒会や胡桃のせいと、原来の単独行動好きのせいで私のイメージが悪い。
下手すれば、イジメや完全ボッチになるがそこそこ交友関係がある。
ボッチでありながらの似非ボッチと言う立場だ。
私がいる、中流階級たちの普通校舎の人間ならば気軽に話しかけてくれる人はいる。
普段はグループには入れてくれないが、遠足や体育の時間などの時には声をかけてくれる人は結構いる。
人の話を聞こうとしなかったり、先入観が強過ぎたりする場合をのぞけば、一瞬で友達を作れる程度には、コミュ力はある。
その証拠として、言葉の通じないイタリア人をジェスチャーだけで口説いてそのまま、ワンナイトラブをした事がある。
あの人素敵だったな~
ドン
物思いにふけっていると、何かに当たった
「貴様...」
あ、桜ノ宮先輩
桜ノ宮 敦
留学生であり、帰国子女。生徒会では副会長補佐だ。黒髪に3本の青メッシュを入れており、しかし喋りは日本男児である。
ついでに剣道と空手を好んでおり、ジャパンオタクと言う一面をもっている。
こちらもイケメンだが、生憎こんなヤンキーは好みじゃない。
ヤクザになったらいいのに...
『なんで普通校舎に?迷ったんですか?特別校舎はあちらですよ~』
と、手で場所を伝える
ここには、普通校舎と特別校舎がある。
特別校舎とは上流階級・・所謂金持ちがいる校舎であり
漫画に出てくるような豪勢な図書館や色々なレストランに温水プールや花園その他にも充実した設備が整っている。
普通校舎もそこそこ設備は整ってはいるが、少し裕福な公立レベルであり、特別校舎とは天と地の関係だ。
そんな普通校舎と特別校舎は、専門の通り道でなければ行きゆき出来ない。
『大丈夫ですよ、この年でも物忘れが有る人はいま・・ッグ!...』
思いっきり蹴られた暴力反対!
「ふん!その割りには、ダメージ受けていようだな」
まぁ受身とりましたからね。
と言うか、私の元彼の中に少林寺拳法習っている奴がいなかったら、先輩、傷害罪で罪になりますよ?
あぁ、金持ちだから権力でどうにでもなるのか
『いったい何のご用件ですか?胡桃は天王寺先輩の誘いを断り現在鳳君と昼食食べてますよ』
そういうと、コメカミがぴくぴくしていた
わーお、あんなに血管出ている人初めて...
「あの似非紳士...」
それは同感。
周りは苛立っている先輩を見てキャーキャー言ってる。
...げせない、こんな先輩より歴史担当の佐津間先生(32歳)の方がよっぽどキャーキャーできるだろ。
あのちょっと苦労してるっぽいところが魅力的...
「んなことよりちょっとこっちこい!」
行き成り腕を引っ張られる、痛いよ。
『どこにですか?』
「特別校舎だ」
吐き捨てるように言われた。そう、吐き捨てたるように。