第17話 パーティーの帰り
投稿してた話を大分変えてます!
会長と踊った後、私は早々に帰る準備をした。
何故なら意中の年上男性達とはもう踊りまくったし、連絡交換もした。それに、これ以上ここに居たら、この会場は修羅場になるだろう。美味しそうな食事には目が眩むが、生憎特別校舎の女子達と食べてたらそれも台無しだ。
そう思って、荷物をまとめて帰る準備をする。胡桃には泣かれるか叱られるかもしれないが、この際遊園地デートで手を打たせてもらおう。
そうしている内にバックを持ち大きなドアを開けて出た。
「お前、帰るのか?」
低い声が後ろから聞こえて振り返ると
そこには何故か天王寺先輩がいた
後ろの月の光によりまるで神様のように格好よかった
『何で先輩がいるんですか?胡桃は?』
「あぁ、一緒にいたんだがお前が会長と踊りだしているの見て驚愕して、しかも会場出て行って荷物まとめ始めるから、帰んのかなって」
『はい、疲れたのでもう帰ろうと思いまして』
そう言って歩き出そうとしたら、腕を捕まえられた。
少し驚いている私を無視して、携帯を取り出しどこかへかける
「千秋、送ってやるから乗れ」
送ろうか?じゃないんだ・・
『いや・・大丈夫ですよ?』
「は?乗れって言ってんだよ」
『いや・・胡桃どうするんですか?』
そうだ胡桃だ、この胡桃中毒の男は胡桃を絶対に一人にしない
「送ったらまた戻るに決まってんだろ」
『送らないと言う選択肢は無いのですか?ちょっと私・・色々理由があって・・』
「いいから乗れ」
『・・はい』
多分、この人は何を言っても無駄な気がする。しょうがないので、用意されたベンツに乗り込んだ。多分さっき電話してたのはコレだと思う。
私は、余り送って欲しくなかった。理由としてはこの人と帰るのが嫌とかそういうのではないんだ。ちょっと言うのは恥ずかしいと言うか、多分ちょっとだけ不謹慎で人様にいう事ではないのだが・・
「お前、家どこだ?」
言わなければ動けないという風に言われれば、もう言うしかないだろう。
『3丁目のネトカフェまで』
「・・・俺は<家>って言ったんだぞ?」
『今日はネトカフェで泊まる予定だったから、彼氏の家に電話してないんです』
そこそこスピードの出ている車だが高級車なだけあって、揺れが無い。
しかも景色が綺麗なので、そっちを見てしまう。
「何でそこでお前の彼氏が出て来るんだよ、家に帰ればいいだろ」
『かれこれ1ヶ月半位帰ってません』
そういうと、驚いた顔が車の窓に写っていた。
ちょっと傷付きそうになる。
「喧嘩してんか?」
『いえ、それなら良かったんですけどね』
本当にそれだったならばどんなに良かっただろうか、喧嘩と言うのはちゃんと向き合っているから出来るのであり、その後にはそこそこの改善が期待できる。
『家庭環境がちょっと・・アレでして』
「・・・たしか、親が再婚してんだよな?」
思い出した様に先輩が言葉を漏らす
『よく知ってますね』
「生徒会はある程度の生徒情報をもってるからな、特にお前は要注意人物としてみていた」
『わー・・』
私何もしてないのに
「それが原因か?」
そういう風に聞くという事はそこまで私の情報は漏れて、いないのだと思う。
多分、入学式の手続きに書かされる個人情報紙を見たのだろう。
・・・大丈夫かこの学校、プライバシー保護法どうしたんだちゃんと仕事しろ
『簡潔に言う私は気まずい立場』
コレは本当に簡潔に言った物である。本当はもっと複雑でちょっと面倒くさい。
しかし、今のところ割合させてもらう
「少しは家に帰ったらどうだ?両親悲しむぞ」
そんな事を言えるという事は、この先輩は結構幸せな家庭環境なんだろう。
ちょっと羨ましい
『そうだなー・・・そうだ!!』
私はひらめいた。
ウォッカを一気飲みしたような腐った頭で、私はひらめいた
『先輩!私の家に来てください!』
「なんでそうなるんだ!?」
しかし、私は譲らない
『だって帰った方がいいって行ったじゃないですか!?』
「何で俺も行くんだ!?」
『一人じゃ気まずいんですよ!鉄パイプ持ってラスボスの城に行くようなもんですよ!?』
「お前は自分の家をなんだと思ってんだ!?」
『いいじゃないですか!』
「それにだな・・・家に行くって事は・・親に挨拶って事だろ・・それはつまり・・(ボソボソ」
『運転手さーん!!私の家でよろしく!』
「話し聞け!!」




