第14話 パーティ3
「もういやっす!!なんなんすか!?あの女!?ブスの癖に!!目が腐ってる癖に!!あぁぁぁああ!!」
赤寺は、頭を抱えながら叫んでいた
本当に納得がいかないようで、壁に頭をガンガンぶつけて、いたが・・・
「なにやっとるん?」
和仁が通りかかり、歩みよった為、血が出る寸前で壁に頭を当てるのを止めた、会長がちょっと驚いている。
目の前で、自分の生徒会役員が気が狂ったように頭をガンガン壁に当てながら叫んでいれば、そりゃあ驚くぐろう。
「会長~!!千秋が!千秋が!!・・・うぅ・・えぇーん・」
殆んど泣きそうになりながらも、プライドで涙を出していない。壁に頭を当てて叫んでいる時点でプライドも何も無いと思うのだが、赤寺は気にしない
和人は、赤寺の頭を撫でながら
また喧嘩でもして浩太を泣かせたんやろな~・・
と、あながち間違いでも無い事を予想した
今回は喧嘩ではなく、一方的な浩太の逆キレが原因で
千秋に泣かされる前に天王寺に連れて行かれだが。
「あー、分かった分かった大丈夫大丈夫やで・・・せや千秋と言えばな、今ちょっと会場で面白い事になっとるで」
と、何時ものキツネ顔で愉快そうに笑いながら話した
「面白いもの?」
と、首をかしげた
「ええから、ええから」
和仁に連れて行かれる形で会場内に入った。少し大きいドアを開けると・・・
「会長・・・」
「ん?なんや?」
「あいつ、なにやってんすか?」
と、思わず指をさしてしまう。人間とは容量を超える事ざ起きると一周回って冷静になる
「踊ってるんや」
普通、このような会場で踊るダンスはクラシックなゆったりとしたダンスだ、男女が両手を掴み、男にリードされながら女は綺麗に踊る、海外から呼び寄せたオーケストラの音楽で踊る・・・・そう
決してポップなミュージックで派手に踊りくるう場所ではない。
『HEY!!!』
千秋は指をだし相手を挑発し高らかにステップを踏み始めた、男も出来るらしく横で思いっきりなダンスをし始める。
腕を振り回し、足を大きくあげそのままクルりと回って男の腕に絡み付いた、そのパフォーマンスに回りは称賛し、普段いみきらっている特別校舎の人間でさえ、素直に敬意を賞してしまった。又は余りの千秋の変貌に気付いておらず、正体がわかってないからなのかもしれない
オーケストラもノリノリで音楽を演奏し楽しそうだ。
「キャー!!格好良い!!可愛い!!凄い!!キャー!!」
胡桃は、周りにいる人間なんぞ気にせず黄色い声援を送る、ずっと声援を送っていた為か顔が高揚している
「凄いやろ?もう12人もぶっ通しでダンスしとるねんで」
「ええ!!あのダンスを!?どんな体力してんすか・・」
結構な大技を繰り広げ、また新しい男とダンスをし始めた、次はタンゴを踊りはじめ演奏も変わりだす。
「千秋は相手の好みのダンスを踊れるねん」
「ええ!?千秋ってダンスそんなに得意なんすか!?」
自分が聞いた情報ではフォークダンスが出来ないと言う理由で、その時間は特別校舎の温泉に浸かってるか屋上で眠ってるかのどっちかだ。
「いや、ダンスは出来らんかったけど、YouT○beでダンスをさっき見て完コピしとるねん」
その言葉に絶句した赤寺、千秋は本当に何者なのだろうか?別に何でも出来ると言うわけでは無く、普段は寧ろダメ人間のように『基本動きたくない』と言い出す、怠け者みたいな奴なのだが、時にこうしてとんでも無い事をしだす。
基本的に千秋は『似非ボッチが楽』と言う理由で自ら派手なアクションをしたり、目立つ行動は控え、尚且つ本来は怠け者と言って良い人種で、『面倒くさい』と言う理由で何事も最低限しかしないのだが、自分好みの年上男に関しては別だ、その事が絡むと凄い集中力が上がりテンションがハイになってしまい、ドーパミンか何かが脳内で作られてるのだと言う。
ハッキリ言って小学生がアルコールを致死量ギリギリまで飲んでいる状態に限りなく近いので危ないのだが、そこら辺はキチンとしてるようだ
音楽が、少しゆっくりになり次の音楽が変わる間に胡桃の所へ行き
『HEY!そこの可愛い子ちゃん、私と踊らないかい?』
と、手を差し出し捕まってと言う合図を出す千秋
「手でも、足でも、どこへでも」
と、勿論胡桃は千秋の手を取り中心に行った、生徒会からの目線が怖く、殺されそうだが普段からかわしてきた千秋に通じない。天王寺は最初に踊った為、満足しているようである。
千秋はパンツをはいている為、意外と二人が踊っている事に違和感がなく、その為か在校生の男たちが恨めしそうに見ていた。
しかし、二人が踊る姿はまるで天使と悪魔が御花畑で遊んでいるかのような雰囲気であり、ミスマッチであるが故にマッチしていると言う、神秘性があった。それに当てられた男たちは目を奪われる
そして、音楽がなり終わり、その時は保護者もOBも特別校舎の人間さえも盛大な拍手をした




