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第11話 メイク

何故私の目はドロドロと濁りきっているのに蛆虫が沸かないのだろう?


いっそ目から蛆虫とか小蝿とか飛ばせて、目の前に居る銀髪男に引っ付かせたい。


目が本格的に腐ってるから、頑張ったら出せるかもしれない。


はあー...唸れー…私の腐った「うるせーんだよ!!!」


『邪魔しないで下さい、今私は自分の目から蛆を沸かせて先輩に飛び付かせたいんですから』


「何やってんだお前…」


天王寺先輩がげんなりした顔をした。


しかし、本当にげんなりしたいのは私だと思う、帰りに行き成り車で拉致され気が付いたら…何か凄い屋敷に連れていかれたんだから。


「俺のSP2人もボコった癖ににした癖に何言ってんだ?」


えー?なんですか?聞こえませんー


『で、一体何の用ですか?』


「ちょっとこい」


行き成り歩きだした天王寺先輩に続いて歩く。


途中、こっちをチラチラ振り返るのだが目を合わせると前に戻す。コレの繰り返しだ。


そして、大きなドアを開けられ中に入ると…


『…コレは何ですか?』


「メイクルーム」


うん、まぁそれは分かります。


大きな鏡とか、色々なメイク道具に沢山のドレスに埋め尽くされ目がチカチカと痛くなるほどキラキラしている。


『いや、何でここに?』


「…お前ってブスだろ?」


バッシンンンンンン!!


私の蹴りを先輩が難なく捕まえた。


『嫌味ですか?そうですか、死んでください』


「そうじゃ無くて…あー…えー…っとアレだ、何て言うか…ごめん」


頭をさげた天王寺先輩。もう一度いいましょう。


頭・を・さ・げ・た・天・王・寺・先・輩


あの唯我独尊で怖いもの無しで自分がすべて正しく俺様!な天王寺先輩が言った衝撃に私は少なからず驚いた。


『…えー…と何がですか?』


ブスの発言をですか?と思ったが違うらしい。


「俺のせいで、パーティーに出る事になったし、よくよく考えたら敵地に行くようなもんだし、たった50万でっつーのはやっぱ筋が通らねーし…


あと、会長はともかく鳳とか他の奴はお前をバカにすると思うからドレスとかは貸してやってもいい」


目線を剃らし、上から目線をよそおう先輩。


何て言うか…不器用な人だな~…


そんな事しなくても私は気にしないし、バカにされたり嘲笑されるなんて結構大丈夫なのに…後、50万は大金です。


傷つくと、思ってくれているのだろう。もっと言うなら…傷付いて欲しくないと思ってくれているのだろう…。


「有り難うございます」


ペコリと私も頭を下げた。


だってその気持ちは、お礼を言う価値があるから。これは私のかっこ付けてない本音だ、もう言わないけどね、意外と恥ずかしいし。


「いや…そんな礼を言われる程じゃねーさ、つーか目の濁ったお前に礼を言われると気持ち悪いんだよ…ったく」


プイっと顔をそらされた。


『分かっていますよ、さて使わせてもらいますね』


と、メイク道具に手をかけようとしたら止められた。


「おい待て、素人が一人でやるつもりか?一応プロを手配してやっても良いんだぜ?」


…素人?今、素人とおっしゃりましたか?


その言葉に瞬時に動いて、自分のスマホを取り出し写メを見せる。


取った資格や免許は多過ぎて、バイトの面接以外では基本的に家に置いてある為、スマホで写真を撮って保存している。


『メイクアーティスト3級の資格とスタイリスト2級の資格を持っておりヘアメイクのコンテスト第3位の実力持ちです、下手なプロより実力はありますよ』


昔、元彼にモデルがいて、その撮影の見学の時に好みの男性を見つけて一気に資格をとったのは懐かしい思い出だ。


「…お前、本当に何者なんだよ?」


『ただの似非ボッチです』


さて、自分を綺麗にしてパーティーに出て50万貰うか。


資格と免許の取り過ぎで、最近バイト地獄だったし、アレって結構金かかるんだよねー…


そう思って私は、取り組んだ。


終わった私を見て、天王寺先輩が目を見開き…勝ったと思った。イエイ!!




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