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可哀想だね。の続きです。

グニャリ


……一瞬、脳みそがつぶれたような感覚やった。


それ程までに俺はその言葉が大嫌いで仕方なく、絶対に言われたくなかった。


『自分が表舞台に出れないから、他の人をだそう。その方がまだマシ……って心情かな?


この偏屈した諦めかた……もしかして嫉妬や嫌悪、敵わない人が身近にいるとか?』


そういわれて頭に浮かんだのは、胡桃の姿。


何度も比べられ、何もしていないあの子が愛される理不尽に怒りを通りこして諦めたをもった感情。


『和也…くんだっけ?…観客気取りは楽しい?』


千秋は俺が咄嗟に名乗った偽名で呼びながら、疑問視系でそういった。


あ、見透かされているなと思った。何もかも俺の心情を全部見透かされていると感じた。


「そんなんやから嫌われるんとちゃうん?」


完全な嫌味で俺は返した。嫌われ者なんかに俺を見透かされたくないというプライドもあったんやろう。


『あのさ、自分のことも肯定出来ないのに、相手を否定する資格なんかないと思うよ』


困ったように、愉快そうに、千秋はそう言った。もう何もかも正論でムカついて、俺はどんどん引っ込みがつかなくなった。


その後も顔を見合わせては口喧嘩となった。誰もいなく、二人っきりのときに始まる。


互いに頭をフル回転させ、表面は冷静をもちながらも裏面では怒りを溜めまくり。


千秋も俺も無駄な語学力を使ってけなしあって…多分内容は「バーカバーカ」と余り変わらない事を難しく言い換えながら互いに罵りあった。


そして最終的に…


「お前を育てた親はろくでなしやな」


千秋の親の悪口をいった。







「あぁあああ!!!あん時の俺死ねや!!」


生徒会室の会長席からガタッと立ち上がり、俺は頭をかきむしりながら天を仰いだ。仰天。


「会長!?どうしたんですか?」


俺の突然の奇行に、ハーフの美少年である鳳・アレンクシスは驚く。因みにコイツは千秋の彼氏。


「いや…ちょっと千秋との出会いを思い出してん…」


本当に忘れたい過去の話……ホンマにあの時はもう…目を覆いたくなるわ…


千秋が出た為か鳳は書類をすませて俺の方に詰め寄る。


「その…いつ、出会ったんですか?」


「小学校の時の…俺が5年生のときやったなあ…すぐに転校したけど」


そのことに若干驚いている鳳、そういやコイツは高校で会ったんやと思ってたな。


「どんな感じだったんですか!?千秋」


いつのまにか呼び捨てなんや…まぁええ


「噂の転校生としてやってきてな……今みたいな隈とかなくて、めっちゃ綺麗な子やったで……


でも、女子から大分妬まれて嫉妬されまくってて……んでもって『』がついてた。」


性格は今よりちょっと硬かったかな?というか冷めてた。


「久しぶりにあったら驚いたで、隈は酷いし目の色素が薄くなってたし…顔の造形は未だに整ってたから面影はあったけど……


転校せーへんかったらその過程も見れたんかな?」


んでもって、ストレスの原因を多少は排除できたのだろうか?


「何ですぐに転校したんですか?親の都合とか?」


「いや、俺と殴り合いの喧嘩をしてそれが原因で転校した」


「前に言っていた、会長とのなぐりあいってそれだったんですね」


元々イジメ疑惑はあったのだ、しかも俺たちの親が干渉しだして、俺の母親の義姉が千秋の前母という事もそんときに知った。


千秋の父としては、もう関わりたくも無かっただろう。


あの時の俺は正直にいって千秋が羨ましくて、妬ましかった。しかも胡桃とは違い、その理由が明確に分かったが故に攻撃した。


「千秋の両親の悪口を言ったらな…あいつ、今まで飄々としとった癖にいきなり殴ってきてん……」


親の悪口を言われて嫌じゃない子供はいない。あんな親でも千秋には大切な人やった。


「千秋って本音を言わへんと思ってたけど……『』の時もちゃんと千秋やったんやな…」


それに気付くのに俺は結構な時間がたってた。


いつのまにか俺はレプラになって会長になって理事会に干渉して…頂点目指してたんやけど…


「なんか…忘れている気が…」


「何をです?」


「いや、何でここまで拘ったんかが…まぁええわ。無駄話は終わりしよか」


そういって俺は仕事を再開させた















「はぁ…はぁ…お前結構やるやん…」


「君は素人すぎるね、はぁ…力任せすぎだよ…ゲッほ!」


殴り合ってマジ喧嘩して、地面に倒れる二人。


「言っておくけどね、これで勝った気にならないでね、臆病者」


「それはこっちのセリフや!お前こそ勝った気になるなや!このボッチ!」


「なんですって!?私はいつか可愛い親友を作るんだから!そして、その子を守るもん!」


「せやったら俺は頂点に立ったるからな!いつか捻くれたお前の『』を永遠に無くしたる!」


「やれるもんならやってみな」


互いに向き合い、こう叫ぶ。


「「勝負は終わってないからな!!」」

ある日交わした子供の約束。


まぁ下らないものですよ。二人の出会いはw2話で完結だったので、結構展開早いです。


本当は千秋視点とかいれると大分変わるんですけどね。

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