1.きっかけは喫茶店⑧
♦素性判明
男「頭!」
黒いスーツの男が5名程入店。
みんなガタイが良いため、蓮たちのテーブル横に並ぶと喫茶店が満員状態になった。
綾(なに??)
ホットケーキを食べる手を置き、目を大きくして蓮を見る。
コーヒーをゆっくりと置く。
男「頭、そろそろご出勤の時間です」
話をしていた男が綾をじっと見る。綾は委縮して微動だせず。
蓮「怖がらせるんじゃない、私の客だ」
男「失礼いたしました」
蓮「ごめんね、ホットケーキを食べている時に」
綾「いえ…(タイミングの話ではなく、そもそもあなたは…)」
関わってはいけない、関わってはいけない。人生が終わる…。
蓮「本当は正体を明かしたくはなかったよ。綾さんがあまりにも可愛いから…」
綾(私のせい??)
蓮「自己紹介させてね。
長岡組、第15代若頭・紀成蓮
以後お見知りおきを」
綾(やっぱり、生きている世界が違う…)
蓮「ごめん、薄々は感じていたとは思うんだけど、綾さんをこっちに引き込むのはどうかと思って」
綾(では、さようならかな…)
綾の手に蓮の手が重なる。
蓮「惚れた弱み…? 綾さんともっと一緒に居たい」
綾「え……?」
鋭い眼光に見つめられると動けなくなる。
男「頭、時間が押しています。会長もお待ちになっているので、」
蓮「うるせぇな、分かってんだよ。少し黙っておけっ」
綾(素、素が…)
少し震えている綾の手を、蓮が大事そうに両手で包む。
蓮「怖がらせてしまって、申し訳ない。また会いたい」
男と綾との対応ギャップに唖然とし、綾は微動だにしない。
綾「…は、はい…」
蓮「それじゃあ、来週の土曜日に、ここで♡」
綾(やってしまった…!)
自己嫌悪の嵐が綾の頭を回っている。
病院に勤めているとはいえ、患者さんも一般人だし、あっちの世界とは無縁だった。
綾(無縁が普通!)




