表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/12

1.きっかけは喫茶店⑦

♦デートは突然…!


土曜日。

綾は休日の朝をむかえていた。

洗濯物を干し、部屋の掃除をして、コーヒーを飲もうとしていたら携帯が鳴った。


≪蓮さん≫


画面の表示を見て、緊張と恐怖で息が止まる。

不覚にも、連絡先を交換していた。

ドキドキした鼓動を抑え、携帯を手に取ろうとしたら、着信が止まる。

綾(…な・何だろう。何か用事?)


蓮からのメッセージが届く。

=今日はお休み?

=何か予定はある?

=時間ある?

綾(は、速い…)

高校生より打つのが速い気がする。


着信 ≪蓮さん≫

綾「…ひっ」

思わず言葉が漏れる。


緊張しながら、電話にでる。

蓮「こんにちは。ごめんね、何度も連絡して」

綾「…こんにちは、すみません、出られなくて…(返信が速すぎて返せなかった)」

蓮「今日はお休み?」

綾「はい」

蓮「予定はあるの?」

綾「…いえ、特には」

蓮「私に綾さんの時間をくれないかな?」

綾「時間ですか…?」

蓮「15分で迎えに行くね」

プツン。

電話が切れた。


綾は思考が追い付かずに、放心状態となった。

暫くして、蓮の15分という言葉を思い出し、我に返った。

支度を急いだ…!


綾は支度を終え、部屋を出たら、アパートの門前に車が停まっている。

前回とは違い、白の高級車だ。

綾が小走りに寄って来るのを見、

蓮が運転席より姿を現す。


慣れた動作で、助手席のドアを開ける。

蓮「乗って」

はい…と言い、ドアを押さえている蓮の前を通り助手席に座った。

緊張のあまり蓮の顔を見られない。

蓮も緊張している綾の様子を見ながら、話はせずに運転をしている。


車を降りると、あの喫茶店の通りだ。

綾「ここ…?」

不思議そうに蓮の顔を見る。

蓮はにこりと笑い、

蓮「そう、行きつけの、ね。綾さんも慣れているお店の方が過ごしやすいでしょ?」


蓮が喫茶店のドアを開け、綾を誘導する。

店内は誰もいない。亭主がカウンターで微笑んで出迎えてくれた。


2人はテーブル席に向かい合って座った。

綾「あの…、今日はお店お休みでしょうか。いつも土曜日でもお客さんがいると思うのですが」

蓮「ホットケーキ好き?」

綾「…?」

質問の回答になってない。

蓮「ホットケーキとコーヒーね」

返答を聞かずに、注文する。


蓮が視線を綾に戻し、真っすぐ綾を見る。まるで獲物を狙う獣のように。

綾の背筋に緊張が走り、姿勢が伸びるのを感じた。


ゆっくりと蓮は口を動かす。

蓮「今日はね、ここ貸切」

綾「貸切ですか…? 今日は何かのイベントでしょうか?」

くすっと蓮が鼻で笑う。

蓮「仕事帰りとは違って、休日の綾さんの服装は可愛いね」

綾「えっ…」

今日の綾は、黒のシフォンシャツにセーターを羽織り、藤色のスカートを着ている。

蓮がにこりと微笑む。

綾の心臓の鼓動が速くなる。


亭主がホットケーキ・コーヒーをテーブルに置く。

蓮「食べて…」

緊張して食べられない…。

そんな綾の様子を察したように、蓮が綾の手に持っていたナイフ・フォークを取る。

ホットケーキを自分に寄せ、メイプルシロップをかけ、手際よくカットする。


蓮「はい、“あーん”して」

綾「…‼ 大丈夫です、自分で食べられますから」

蓮「あーん」

綾の口前にホットケーキを差し出す。

綾は断念して、ホットケーキを口に入れた。

蓮「可愛い」

綾「…!(な・何をしてくるんだこの人は)」

綾が頬を赤らめ、蓮がコーヒーをゆっくり飲んでいる時、喫茶店のドアが勢いよく開いた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ