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1.きっかけは喫茶店 ②
♦サンドイッチは美味しい
数週間経った。あの日以降に喫茶店へは入らなかった。
今日は土曜日。
土曜出勤は午前中のみだ。
勤務を終え、ランチをどうしよかと考えながら歩いている。
あの喫茶店が開いている。
迷うなかれ、綾は喫茶店へ入っていった。
同じカウンター席に座り、メニューを見、注文をする。
料理を待っている間、お客さんを観察する。
テーブル席にはカップル・家族連れ。カウンター席にはおじいちゃんが居る。
綾(あの男性はいないね)
ほっとしながらサンドイッチを頬張った。
「助かったよ、ありがと」
カウンター奥のドアよりあの男が姿を現した。
亭主「いつでもどうぞ、持ちつ持たれつつな関係ですから」
男はジャケットを羽織りながら、綾の存在に気がついた。
綾は気が付かない振りをしてサンドイッチを食べ続けた。
男「ここのサンドイッチは美味しいよね」
カウンターより話掛けられる。
顔が近い、手を伸ばせば触れられる距離だ。
綾「…は、はい」
にこりと微笑み、男は店を出た。
香水の残り香が漂っていた。




