1.きっかけは喫茶店⑰
♦告白
喫茶店を後にした2人は、蓮の車で綾のアパートまで送っていくことになった。
“夜道は危ないからな”と蓮の言い分。
運転席の蓮を助手席に座り、ちょくちょく蓮を見る綾。
まだ胸がドキドキしている。
静かな空間で、鼓動の高鳴りに気づかれないか心配になる。
蓮「綾…」
綾「…はい」
綾のアパート前に車を停めた。
蓮「手ぇ貸して」
言われるがまま蓮に手を差し出す。
綾の手を取り、綾の手の甲に
ちゅっ…
ワザと甘い音が鳴るようにキスした。
悪戯っ子の目をして、上目遣いで綾を見る。
益々綾の鼓動は高鳴る。
蓮「俺、綾ともっと一緒にいたい」
蓮は綾の手を自分の頬に当てる。
蓮「迷惑?」
綾「め、迷惑じゃないです。
私も蓮さんと一緒にいたいです…」
蓮「これから、俺の隣を歩いてくれるか?」
優しい声で問いかける。綾の手を少し震えながら握る。
いつもは怖いくらい凄んでいるのに、
こんなにも優しく、どこか怯えているよう…
蓮さんの気持ちが伝わってくる
断る理由がない。
綾「はい、蓮さんの隣…歩きたいです」
その言葉を聞いた蓮は、今まで見せたことのない安堵の笑顔で、
綾の手を自分の額に当てた。
蓮「…綾が好きだ」
真っすぐな気持ちを伝えていることが感じられる。
綾「好きです、
蓮さんが…」
蓮は綾の後頭部に手を回し、
自分の額と綾の額をくっつけた。
2人の距離は急接近した夜だった。




