1.きっかけは喫茶店⑫
♦カフェオレより甘い
喫茶店に入り、カウンター席に並んで座る。
綾はカフェオレを口に運ぶ。
強い視線が気になって、緊張感が解けない。
蓮は、コーヒー片手に綾の方へ身体を向け、じっと見ている。
綾(さっきからずっと見られている…。
ヤクザに見られている、恐怖)
綾「あの、そんなに見なくても、髪も服も濡れていないですよ」
蓮「可愛いから見ている」
綾「…私がですか?」
蓮「うん」
綾は頬を赤らめ、顔を正面に向ける。
蓮が綾の頬を手の甲で撫でる。
まるで壊れ物を扱うかの様に優しく、ゆっくりと。
綾「あの…(恥ずかしいから、手を止めてほしい)」
蓮「なに?」
綾「いえ(ヤクザの圧が強い)」
暫く綾の頬を撫で続けた蓮だった。
2人が喫茶店を出ても、雨は降り続けている。
困ったなと表情に出すと、蓮が傘を綾に渡す。
蓮「綾、ごめん。今日は仕事で家まで送れないから、この傘使って」
綾「大丈夫ですよ。駅まで走ります」
蓮「風邪引かれたら困る」
急に正論を言われ、抵抗する余地なく、綾は傘を手に取る。
蓮「それに、
男物の傘を使っていると
彼氏の傘だって分かるじゃん」
綾(急に高校生…)
じゃあね、と蓮は車に乗り闇へと消えていった。




