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第六話 拘束睡眠

 

 そして洗濯が終わり、さっそく俺の家へと向かう。


「やっぱりそれ持っていくんだな」


 彼女が持っている荷物。中に入ってるのは、恐らく拘束具や縄類だ。

 今日も変態ごっこをするんだなと思った。


「今度は漏らすなよ」

「分かっていますよ。おむつ着けてますし」

「おう」


 漏らす前提ではあるのね。

 という事は、


「それに今回は、縄じゃなく、拘束具にするつもりですし」


 そう言ってカバンの中の拘束具をちらっと見せる。


 それを見てドキッとする。

 これが今から彼女の手にはめられるのかと。


「ドキッとしないでくださいよ。大変なのはこれからですよ」

「さようで」


 そしてあっという間に俺の家に着いた。

 今更だが、ここに彼女を連れてきて良かったのだろうか。

 何しろ、家を特定されるのは少し怖い部分もある。

 変態に家を知られている事だけでも怖いものがあるのだ。


「さあ、入りますよー」


 そう言って白木さんが中に入ってい。


「ふーん。中は普通なのですね」

「何を期待してたんですか」

「そりゃ、変態部屋を……」

「俺は変態じゃない」


 一緒にしないで欲しい。


「じゃあエロ本を」

「俺はエロ本なんて読まない」

「えー本当にですかぁ?」

「それに今の時代スマホの中」

「てことは」


 白木さんは俺のスマホを奪おうと一気に手を伸ばした。スマホは今俺の手元にある。頑張れば奪い取れるだろう。だが、


「簡単に奪わせると思ったか?」


 俺はスマホを握る手にしっかりと力を入れた。

 流石にスマホの中身は見られたくない。

 別にエロい物とか検索しているわけではないが、人に自分の携帯を見せてもいいと思っている人の方が稀だ。普通、人にスマホなんて見せたくない物だ。


「ケチですね」


 そう言って白木さんは口を尖らせた。


「じゃあ早速寝ましょうか」


 急な話題変更。

 急すぎて驚いた。それに、


「まだ八時だぞ」

「私たちは明日の学校のために体力を残さなければならないのです」

「急な正論……」


 確かに彼女はお風呂に入ったし、そもそも俺の家でやることというのがあまりない。

 強いて言うならゲームだが、彼女の性癖に会うものはあまりないのだ。

 とはいえ、俺はご飯を食べていない。後で食べないとだが、別にそこまでおなかもすいているわけでもない。


「じゃあ、拘束具駆けてください」


 あ、いつもの。そう俺は思った。

 俺は白木さんの体に拘束具を丁寧にかけていく。


 その拘束具は彼女の腕にマッチした。


 今回彼女に賭ける拘束具は腕をひとまとめに後ろで縛っていくという者だ。


 それに、目隠しもしてほしいという。

 俺だったらそんな事我慢できない。

 地獄なのだ。


 そう、拘束状態で眠るという事は。


「これでいい感じですね」


 そう彼女は呟く。

 そんな彼女の隣で寝る。手足が完全に縛られた彼女の隣で。

 普通にSMバーやらなんやらのサービスかと疑ってしまうほどだ。

 俺の部屋が完全にラブホと化してしまっている。両方とも行ったことはないが。


「今の状態が気持ちいいのか?」

「はい、気持ちいいですよ。天国です」


 相変わらず。


 そして俺は軽くご飯を食べた。残り物のパスタをチンしたのだ。

 その間も、白木さんは縛られたままだ。

 寝室と、リビングが違う部屋にあって本当に良かった。


 そしてご飯を食べ終わった後、俺はベッドに寝ころんだ。

 俺の家にはダブルベッドが一つしかない。

 なので必然的に彼女の隣に寝るしかない。


「じゃあ、寝るか」


 俺は呟き、ベッドにダイブする。もちろん白木さんを避けてだ。


「はい。電気を消して口枷を当ててください」


 まだ起きてたのかよ。あれから一時間たってるぞ。

 やっぱり先程の昼寝のせいで、眠れてないんじゃないか。


「てか、やっぱり口枷もするんだな」

「勿論です」


 そして俺は口枷を彼女の口に当て(言うまでもないが、普通に彼女の体に当たり、少し気まずかった)

 そして電気を消した。


 今も彼女は真っ暗な空間の中、何も見えないまま、襲われる危険性を感じつつ、行動できない、喋れない状態でいるのか。

 もしかしたら今白木さんをくすぐったら喜ぶかもしれない。俺は絶対にやらないが。


 しかし、俺もかなり気を許されたものだ。

 何しろ俺が仮に彼女に襲い掛かったら白木さんは抵抗なんてできない。

 信用されているからだとは思うけども、立場が逆だったら絶対にそんなことやりたくはないものだ。


 とはいえ、電気が暗いとはいえ全く見えない訳じゃない。俺の隣にいる拘束少女はしっかりと存在している。

 普通の添い寝でもしんどいというのに、なんなんだ。


 エロ過ぎる!!!


 逆に俺が眠れないかもしれない。



 白木さんが寝返りを打った。その影響で俺の顔の近くに白木さんの顔が来る。手を拘束している拘束具のベルト? が俺の方に見える。それがまたエロくてヤバイ。

 本当にどうにでもなれ。



 もしかしたらおもらしも計画の一部なのかもしれない。

 正直あんなことをしていて、今までお漏らしをしたことが無いわけがないのだから。

 シーツとか布団の予備はあるはずなのだ。

 それに、彼女の家は少なくとも、裕福なはずなのだし。


 さて、俺も寝ようか。って寝られるかという話なんだよな。

 本当に大変すぎる。

 今なら、彼女の事を好きにできるんじゃないだろうか。

 そんなよくも分からないような欲望が来てしまう。

 だが、この欲望に打ち負けるのは、白木さんの好きな通りになるという事。

 俺はそれは認めてはいけない。


 我慢だ。俺は目をつぶる。


「っ~~」


 今度は背中に、白木さんを拘束している拘束具が当たった。寝返りでも撃ったのだろう。

 しかも間の悪いことに、そのあとこちらのテリトリーに侵攻してき始めた。

 これはどうしたらいいのだろうか。


 逃げたいが逃げられない。

 白木さんは恐らくすでに睡魔に負けている。

 よくこんな厳重拘束状態で眠れるものだと言いたい。

 尊敬はしないが、すごいとは思う。


 ここでの問題は、白木さんが人肌が恋しいのか、こちらにどんどんと進行している事だ。

 これではドギマギとして眠れない。まるで眠れるものではない。


 くそ、これじゃあ俺が根不足に陥ってしまう。

 何か手はない物か。

 とりあえず俺に取れる手はただ一つだけ。

 無心。無心だ。

 何も考えなければいい。それだけで、心を閉ざし、彼女の誘惑に打ち勝つこと空出来る。


「っ」


 だが、ますます接着していく。

 これじゃあ、止む気配など全然見えない。


 くそっ、俺はこの状況でとれる手はあるというのか。



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