第五話 おねしょ
あれ。
白木さんいつのまにか寝てないか?
近づいてみる。
完全に寝ている。だっていびきをかいでるんだもんな。
さて、そうなったら俺はどうしたらいいんだ。
とりあえず拘束を解いてやるべきか?
いた、逆に彼女の事を考えるなら放置しておくのがいいか。
それに俺は彼女の協力なしに、拘束を解く方法を本当に知らない。
だが、俺には何もすることが無いという訳ではない、
カバンに入れてある漫画を横に置き、スマホでSNSをいじる。
どうやら今日の体育館倉庫での一件の事は書いて無いみたいだ。
流石にと言った所だろう。今日の一件の事を書いてしまえば、学校関係者の目につく可能性もあるわけなのだから。
しかし、やはり結構熱心にSNS活動に精を出しているな、と思った。
活動自体は三年前から開始しているみたいだ。という事は中学生から始めたのか?
そう思い、投稿を探っていく。
幸いあまり投降をしてないようで楽にさかのぼれる。
しかし一人でかなりの変態行為に励んでいるな。
かなりの情熱だ。
普通そんな情熱なんて出てこないだろう。
その時俺は、体の異変を感じた。
便意だ。
普通ならこのままトイレに行けばいい。
ただ、そこで問題が生じる。
ここは女子の家だ。果たしてトイレに行っていい物か。
元々白木さんは変態だ。
そんな彼女の家に行ったとしても、問題はないはずだ。
だけど、そんな憶測で行ってもいい物かと疑問に思ってしまう。
だが、その当人は眠っている。彼女をわざわざたたき起こしてトイレに行っていいか聞くのも流石に行けない気がする。
よし、と俺は単身トイレに向かった。
トイレの中には流石に拘束、拷問用具は無いようだった。流石にトイレでまで変態趣味を押し出すほどの変態では無かったか。
しかしトイレの中は女子という感じがして、不思議だ。
罪悪感を感じてしまう。
トイレで、弁を出すことに十分。
物音が聞こえてくる。
これは……。
まさか目が覚めて、俺を呼んで五るのか?
俺は咄嗟にお尻を吹き、彼女の元へと出向く。
「どうしたんだ?」
「トイレ行きたい」
そう言う彼女の股から黄色い液体が出て、布団を濡らしている。
手遅れじゃないか。
「すまん。すぐに動いていればよかった」
「私こそ。おむつ吐いてたらよかったね」
という割には、興奮している顔をしているが。
「とりあえず縄解いて」
「おう」
そして彼女の縄の縛り目を見て思った。
これは縛るよりも解く方が難度高いんじゃないかと。
寝ている白木さんの拘束を解く事、に比べたら協力を得られるからしやすいと思う。
しかし、鬼門となってくるのは、普通に解く際にきわどいところを触らざるを得ない部分があるという事だ。
「これはさみで切ったら」
「だめです。肌に優しい縄は意外と高いのです」
だめだった。
まあ、そう言われるとは思っていたが。
そして解いていく。丁寧に、できるだけ生肌に触れないように。
だが、やはり縄が濡れている部分がある。
これは仕方のない事だとは割り切っているが、これがおしっこであるという事を考えると、脳が爆発しそうだ。できるだけ、考えないようにしなければ。
そうして何とか縄をほどくことが出来た。
「はあ、疲れた」
「助かりました。……トイレに行ってきます」
「ああ、行ってらっしゃい」
昨日とはまた違う意味での辛い事だった。
勿論興奮するシチュエーションもあったが、興奮しないものもある。
興奮しないと言ったら語弊があるな。
正確には、悪い意味での興奮だ。
俺はそう言う部分での変態になりたいわけでは無いのだからな。
しかし布団に染み付いた黄色いシミと、縄の濡れ。これ、綺麗にするの大変だろうなと思う。
エロい気持ちなんかじゃなくそう言った気持ちで見てしまうのだ、
そして彼女が戻って来た。
「これどうするんだ?」
俺は訊く。
この状況も俺が間接的に生み出したようなものだ。
「うーん。濡れてるからねえ。洗濯しかないよね」
「そうだな」
「でも、私の家布団一個しかないんですよね」
「そうか、ってえ?」
それじゃ、今日はどこに寝るんだ?
「だから泊めてくれませんか?」
「はあ?」
確かにそういう話になるのも納得だし、俺の家には泊められるスペースがしっかりとある。
だが、流石にそれは何と言っても。
そう、問題があるのだ。
ベッドはある。だが、ダブルベッドなのだ。
つまり、添い寝をしなければならないことになる。
しかも白木さんの事だ。きっとあれを求めるだろう。
拘束されながらの就寝を。
「ダメだろ」
俺には拘束されている白木さんの隣に寝て平静を保つ自信はないし、何より俺だって思春期だ。
理性が持つとは思えない。
「私は、エロいことをされても怒りませんよ。それこそ、襲われるかもしれないと思いながら、寝るのは楽しい物なのです」
さあ、俺がなぜ断ってるのかの理由を知りながらまだ求めて来る。
そっちがいいからいいっていう話でもないんだよな。
「俺はよくないんだけど」
「写真ばらまきますよ。動画ばらまきますよ」
そう言って写真を見せて来る。
「まさか強制じゃ」
「はい」
強制なのかよ。
「だからお願いします」
「分かったよ」
俺はため息吐いて、仕方ないと思い頷く。
そして、洗濯機に、とりあえず布団を入れる。
今日洗濯して室内に干して、明日学校に行くついでに取り込むらしい。
なるほどとお持った。それならば、普通に滞りなく行ける、
「じゃあ、洗濯が完了する前に見てほしいものがあるの」
そう言った彼女は動画サービスを見る。
そのサービスの中ではとあるドラマを開いた。
「これは」
それは見知らぬドラマだ。
そのドラマの中で彼女は手慣れた手つきで飛ばしていく。
「これなのですけど」
とあるシーンで止めた。そのシーンはまさに高速シーンだった。
そう言う事か、と俺は思った
この変態シーンを見せたいからこそ、このドラマをながすのだろう。
そこには縄のさるぐつわで縛られてて、さらに目隠しもされ、拘束台の上に乗せられている。
厳重拘束だ。
「やっぱり見る方も好きなのか」
「はい、見るのも大好きです。あなたもそう思うのでしょ?」
「そうかな」
確かに俺は彼女の拘束姿を見るのも好きだ。
エロい目で見なきゃならないのだ毛は辛いが。
「だからこれも好きかなと思って」
そして映像がスタートされる。
拘束されている少女が必死にもがいている。
その姿は全年齢対象という事が嘘かのようにエロい。
これは子供の性癖をゆがめてしまいそうなものだ。
「エロい目ですね」
そう隣からふと言われドキッとする。
「隠さなくてもいいですのに。こんなものエロい目以外の味方は無いのですから」
「それは分かっているが」
「だから思う存分エロい目で見るがいいです」
「ああ、だが俺はもっとエロい物を知ってるからなあ」
それは白木さんの拘束姿だ。
それに比べたら全然エロくない。
「そうですか。私以外では満足できない体になってしまいましたね」
「なんだかその言い方、気になるな」
「ふふ、まあならあとで見せてあげますよ。何なら今縛っちゃいます?」
「それは今はごめんだな。刺激が強すぎる」
「ふふ、まあしたい時があれば、いつでも言ってくださいね。あ、でも学校ではだめですよ」
「それは分かってる」
そしてそこから暫くの間、彼女は黙って流し続けていた。
そして洗濯物が乾くまでの間、さらなる過激なモノまで見せられた。
これを男子から見せられるのならわかるが、女子からなんだよな。
これはまさかだ。まさかすぎる事態だ。
そして洗濯が終わり、さっそく俺の家へと向かう。