第三話 縄
そして、俺は今日も帰りに白木さんの家に直行した。
「見てください」
そう言って彼女はスマホで動画を流した。
それを見ると、今日の体育館倉庫での出来事らしかった。
「こ、これは」
「実は撮ってたのです♪」
結局全部撮るんだな。
そう言うツッコミが喉」から出そうになった。
動画を彼女が流す。それを見ると、俺は結構な事をしてたなと思う。
胸を揉まなかったからセクハラじゃないとか言ってたが、冷静になってみてみると、髪の毛を引っ張り、背中を指でなぞる。どちらも普通にセクハラな気がしてきた。
客観的に見て、堂々とした変態だと思う。
「これは俺への死刑か?」
「いえ、そうじゃありませんよ。改めて山村さんのドM性を理解してもらおうかなと思いまして」
「それが死刑なんじゃないのか」
「まあ」
そう言って白木さんは伸びをした。
「これがあなたの本性だという事で」
「これが俺の本性か」
なんだか嫌だな。
「つまり俺はセクハラ野郎という事か」
「勿論です。まあ、こんなSNSを運営してる時点で、私も似たようなものですけど」
そう言ってSNSを見せる白木さん。
そのSNSはフォロワーが三千人になっている。
「さあ、今日もさっそく始めちゃいますか」
「始めるんですか」
「ええ。まずは、私の拘束は当然として、今日は縄で縛ってもらおうと思います」
「俺、そんなの無理だぞ」
縄で縛ったことがあるのは精々本数冊とかくらいだ。
そこまでの経験はない。
それに、人を縛るなんて、初めての経験だし。
「大丈夫です。私が手順を教えてあげますから」
「ああ」
「あと、その過程で、胸を触ることになりますけど、構いませんか?」
「え?」
今なんて?
「だって、胸を強調させるように縛ることになるから当然じゃないですか」
確かに考えてみればそうだ。
俺は普段AVとか、それに準ずるエロ画像を見ることはない。
ただ、一度見たことあるそれでは胸が強調されていた。
でも。
「少年漫画とかでよくある縄でぐるぐる巻きとかじゃダメなのか?」
縄で雑にうで周りに回す奴だ。
あれだと胸を触ることは無いだろう。
「だめですね。あ、でもがんばれば胸を触らなくてすむかもしれません」
「本当か?」
「勿論、でもうまくすればですけどね」
上手くすればか。
「どちらにしても、刺激が強いことになること間違いなしですけどね」
「結局かよ」
「えー?……まあいいでしょう」
そう言って、せき込みして。
「じゃあ、着替えてきますね」
「本当に、下着じゃないとだめなの?」
制服の上から縛ってもいいと思うが。
「そしたらしわになるので、ばれちゃうんです」
「そうか」
なら仕方ないか。
「でも、中学の制服はあるので、それ使ってもいいですけど」
「あるのか」
「でも、それだと、胸を触らないのが、難しくなる気がしますけどね」
「なら、ダメなのか」
一番縛りやすいのが、昨日の下着スタイルなのか。
仕方ない。
下着姿になってもらうか。
「分かりました」
そして彼女は着替えに言った。
しかし、色々と会ったからだが、今の状況も中々おかしいな。
白木さんは平然と俺の前で胸を出すし。
「お待たせ。じゃあ、縛ってください♪」
そう言って白木さんは腕を後ろに組む。どうしようか、この時点でかなりエロい。
「おう」
そして、彼女から、指示されるままに、体を縛っていく。
胸をできるだけ触らないように。
しかし、胸を触るか否かしか考えていなかったからいまさら気付いたが、今の状況かなりきつい。
縛っていくごとに、どんどんと彼女がエロくなっていく。
恐らくこの光景。全男子が憧れるシチュエーションだろう。
恐らく徹にこのことを言ったら、うらやましさで爆発しそうだ。
彼女の胸が俺の興奮を誘う。
だってすでに、胸が強調されるのに。
これをさらに強調させようとしないといけない。
そして胸は触らないとはいえ、彼女の腕は支えなければいけない。
ああ、なんでこんな試練を与えたんだ。
そして俺は四苦八苦して、ようやく白木さんを縛り終えた。
足も縛らなくちゃならない以上、生足も触らなければならなかったし、胸も恐らく触った。
「本当は、つるしてほしかったのですけどね、今ならこれが限界でしょう」
本当はつるしてほしかったのか。
「さあ、私を責めてください」
「もうこの時点で俺は疲れてるんだけど」
もうかなり精神を疲弊させている。
「でもせっかく縛ったんですから、ほらほら」
そう言って白木さんは体をくねくねと動かしていく。
そして、その足の動きが何だかエロい。
興奮してしまう。
「分かった」
俺は彼女の言葉にうなずく。
正直、今ももう苛めたい欲求が出ている。
「とりあえず何して欲しい」
俺は彼女の隣に立って言う。
「それだけで興奮しますよ」
「やっぱりマジもんの変態だな」
「私に変態と言っても、誉め言葉にしかなりませんよ」
そう言って笑う白木さん。
確かに、彼女に変態は誉め言葉でしかないな。
「ただ、そこで立っているだけでもいいのですけど、まずは私を踏んでください」
相変わらず変態的な指令を出してくるな。
「別にそれくらいなら、いいけど」
「なら思い切り踏んでください」
しかし、いいとは言ったが、少し躊躇してしまう。今までの責めに比べたらやはりレベルが上がっている。
だが、やはりくねくねとしている彼女を見ると、このままにしていく方が目にきつい。
エロい彼女を見て耐え忍ぶか、足で踏んで、エロい目に会わせるか。俺の選択は後者だ。
俺は靴下のまま彼女の顔を軽く踏む。
「ふふ、奴隷感があっていいですね」
「奴隷感?」
「ええ。ご主人様の欲望のままにいじめられる奴隷です」
「欲望のままには白木さんでしょ」
俺の欲望よりも、白木さんだ。
「ふふふ、分かってないですね。実際にエロい目をしてるじゃないですか」
「うっ」
確かに感触が気持ちよくて、少し気持ちが高揚している。
正直、恥ずかしい。
「思う存分エロい目を向けてください。変態になってください。その分私が興奮することになりますから」
「お、う」
「なんですかその言い方は」
ぷんぷんとしている。
最初の学校のミステリアスな雰囲気がまるで嘘みたいだ。
「もう少し強く」
そう言われ、俺は踏む力を少し足す。
「ああ、いいっ!!」
喘ぎ声的な物をだす白木さん。
普通に行けないことをしてる気分になる。
「もっとです、もっと強く」
「ああ」
俺はもう少し強い力で踏む。
「今度は、足をお願い」
「ああ」
そして俺は足を踏む。
縄の感触が伝わる。
縄で縛られている白木さんの生足。
なんとなく踏みごたえがある。
そして何度か踏みにじったと、
白木さんの足の自由を奪っている縄を触る。
その過程で、生足も触ってしまうことになるが、もう気にはしない。
「エロいな」
俺は縄をさすりながら言う。
「そうです。私はエロい女です」
「そうだな」
エロいよ。
それを否定できる女はいない。
少なくとも、全男には、エロエロに見えるだろう。
しかも下着姿だし。