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告白されると思ったら、まさかの「私を奴隷にしてください」――俺と変態な彼女の不思議な日々  作者: 有原優


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第10話 気になる事

「ちょっといい?」


 そう言って話しかけて来た人は、三木柚子さん。

 白木さんの友達だ。


「何ですか?」


 俺がそう返すと、彼女は静かに「あの子の事なんだけど」と、言葉を発す。


「白木さんがどうかしたんですか?」

「最近あの子と仲いいでしょ」

「ああ」


 名あkがいい、というか。表向きでは付き合ってることになっている。


「彼女の話は聞いている?」

「聞く? どういう事?」

「彼女の過去の事」


 白木さんの過去?

 一体どういう事だ。


「どういうことだ?」

「知らないならいいけど」

「いや、そこまで言われたら気になるよ」

「直接本人から聞いたらいいと思うよ」


 そう言って三木さんは去っていく。

 一体どういうことなのだろうか。

 全くもって意味が分からない。


 それにそもそも、白木さんの過去については俺も気にはなっているところだ。



 だけど、白木さんに訊いてもきっと答えてくれないだろう。

 実際、聞こうと思ったら、怖い顔をされた時があった。


 まあ、その三木さんの言う話。

 恐らくそれが、白木さんが変態になったきっかけだとは思うが。



 そんな事を考えながら教室に戻る。


「ねえ、お願いがあります」


 俺が向かうと、早速白木さんがそう言った。

 一体何なのだろうか。



「私、今日五限と六限を休むね」

「休む??」

「うん」


 その彼女の手にある物。それを見て、なんとなくしたいことが分かった。


「まさか」

「うん、わたしをロッカーに拘束して」


 ロッカーに拘束。つまりそう言う事なのだろう。


「それって」

「私が、出てこれないようにして、ロッカー内で授業を受けるんです」


 いや、それは。

 ちょっとエッチな漫画とかでは男女が二人でロッカーに閉じ込められたりする。

 それの一人バージョンみたいなことか。


 いやいや、


「どうやって、ロッカーに入るんだよ」


 昼休みは人目があるから、入れられない。

 なにしてるの、とツッコまれること間違いなしだ。


「じゃ、じゃあ。明日早く行って、ロッカーに閉じ込められるのは?」


 たしかにそれはありだ。

 何しろ、教室には監視カメラなんてものはないし(そもそもあったら問題だ)

 それに、誰も教室にいなかったらセーフなのだ。


「だけど、頷けない」

「どうして?」


 彼女は声を荒げる。


「解放はどうするんだ?」


 全員が帰らないと、解放は出来ない。

 つまり、その時までずっと牢獄の中だ。


「それは全員帰ってから。それか、教室に誰もいなくなってから」

「解放はいいとして帰りはどうする? 誰にもばれずに行かなきゃだめだぞ」


 そう、これにはかなりの問題が生じている。


 全くもって困った話だ。


「いや、私はそれでもやりたい」

「俺に、迷惑がかかるとわかってても」

「うん。それに逆らえないでしょ」


 ああ、そうだ。

 俺も出来るならやっててほしい。

 そして、今ロッカーで白木さんがどうなってるかを創造していたい。


「分かった。じゃあ、明日やってみよう」

「やった、ありがとうございます」


 そう言って白木さんは頭を下げた。

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