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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

その日─が消え去った

作者: Killer

「僕は─が嫌いだ…」


そんなことを心の表層で呟きながら毎日を過ごす。


校門を潜る時何となく後ろを振り向いた。特に何も変哲の無い校舎だ、大きい訳でも無く小さい訳でも無い。目に留まる所と言えば甲子園出場の垂れ幕がある位だろうか。今は何故かその光景が気持ち悪かった。


まだ日が目を焼く時刻、僕は今アスファルトを踏みしめながら街路樹を横目に歩いていた。最近、道路のパターンを覚えてきたようだ。いつかクイズ大会でも開こうか…そんな事を考え歩を進めた。


数十分後ー


「やっぱり遠いな…」

僕の家は学校からかなり遠い、いつもこの調子、今日も外出が増えそうだ…しかし、、

ーいつ見ても酷いなー


家の中に入り慎重に鞄を置く、別にどうでもいいのだが、"こんなもの"価値も何も無い。さっさと捨ててしまいたい。それが出来ればどれだけ楽か…


「何とかしたいが……」

その時、アラームが鳴った。ああ、3分経ったのか…ならそっちが先だ。


やはり良いな、これは…、人類の知恵の結晶と言うべきか、代わり映えのしない所がまた良い。この後は…どうすべきか、、、いや、今は集中しようか。


「しかし、本当にどうしようか…」


集中しても、どうしても頭にチラつく。とても重大な問題だ。その時、箸が空を切る。、、どうやら集中自体は出来ていたようだ。箸を置き、そのまま放り捨てる。分解者の力を信じよう、プラスチック以外は分解してくれる筈だ。アレが分解者に入るかどうかは謎だが…


箸も放り捨てたかったがこれしか無いためダラっと流しに持っていき洗う。洗い終わった後、手を振りながら時計を見る。

「7時30分か…」


なんとも微妙な時間だ、暇な時間はあるがそこまで楽しめる程でも無い。何をするか非常に困る。いっそ、9時なら良かったのに。まあ、夜も悪くない。久し振りに夜を更かすのもアリか…確か今日は……何日目だったか…。大した事では無いが、どうせなら………いや、やめておこう。アレは思い出したくない。


「その前に…」

ズボンを水でもみ洗いし、絞る。シャツは…まあ良いか。そこまで目立たない。最悪ジャージを着ればいいだろう。まだ汚れが落ちていない…踵を踏み潰して外に出た…、


街灯が照る黄昏空が頭を温める。塀が立ち並ぶ住宅街、ここは何も変わっていないな…ああ、本当に何も変わっていない…


現時刻は8時、暗いという訳では無いが人は殆どいない、あの日の様に…


数分後ー


自動ドアを潜り服を放り入れる。そのまま数十分待ち、服を取り出す。あまり落ちていないようだが、、まあ何とかなるだろう。


その後家に帰り呟く

「本当に酷いな…」

開けたくはない。だが、勇気を出してドアを開け敷居を踏みしめたその瞬間瞳に映るのは、、














一面真っ赤なフローリングだった。血溜まりを避ける様に鞄が置かれていて、血溜まりの中に人…?だろうか何かが転がっている。一面に蛆が湧いており真っ白だ。顔は見るに耐えない状況であり死因すら分からない。例えるならば強酸に付けた後に焼いた死体、だろうか。


「ー"何とか死体が隠れるようにしたいが…"ー」


しかし本当に腐敗が進んでいる。冬ならここまで腐らなかっただろう。















「だから本当に…」



















「僕は夏が嫌いだ…」





そのまま僕は財布を取り出し家を出る。その時一枚の紙が落ちる。













そこには『如月夏』

そんな名前が書かれていた…

そして、  
































ーその日夏が消え去ったー

      

                   〜完〜

これが執筆順で数えると初作、他の小説にも関わってくるので一番重要な小説だったりする。

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