第1話 婚約破棄されました
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私の名前はリリア・セレスティア。
フェルディア王国の公爵家に生まれ、王太子アルフレッド殿下の弟、第二王子ヒューバート殿下の婚約者……だった。
過去形で言ったのは、さきほど開かれた卒業式で突然、婚約を破棄されてしまったからだ。しかも人前で大々的に。
「リリア。君の行いをこれ以上許容できない。今後、僕の婚約者を名乗ることは一切認めない。婚約は破棄だ!」
学園の大広間で皆の注目を集める中、ヒューバート殿下は満面の笑みを浮かべて言い放った。
その横には、私のことを「あの人は酷い人間ですわ!」と面白おかしく言いふらしていた男爵家の娘――クラリッサ・ユールが寄り添っている。
彼女は殿下に抱きつきながら、「リリア様のいじめには、もう耐えられません……!」と涙ながらに訴えていた。
どちらかというと、私がクラリッサの嘘によって攻撃されていた側なのだけれど……なぜかクラリッサが言うと、ヒューバート殿下は一も二もなく信じてしまう。
そのおかしな構図は、ここ数か月で固まってしまっていた。
何度説明しても、「クラリッサがそんなことをするはずがない」と耳を貸してくれなかった。
それでも事実ではないのだから、いずれ誤解が解けるだろうと思っていた。
なのに、まさかこんな形で公開処刑されるなんて。
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