第二章 叙任権闘争
「嬉しそうね、何かあったの?」
「ええそうね、素敵な殿方が見つかりましたの」
「最近貴女がよく話題に出すあの方かしら?」
「ふふっ、どうかしらねぇ〜」
「貴女に素晴らしい出逢いがあったなら友人として祝福しますわ。でも、物語の男の子って最初に出会った女の子に惚れるものよ。たとえハーレムものでもね」
「彼はよくありがちな鈍感系主人公でもやれやれ系主人公でもありませんのよ。そんなベタな展開なりませんわ。というかさせませんわ」
「廊下でぶつかっただけで恋を悟るチョロインがそんなこと言っても何にもならないと思うわ」
「う、うるさいわね。別に良いじゃない。恋はロマンティックで美しいものであって然るべきなのよ」
「恋は甘酸っぱいロマンスであるべきって本当貴女はお嬢様キャラの王道をいってますわね」
「わたしはそんな単純な奴じゃないわよ。というか、そういうヒカリはどうなのよ?いい加減男を食い漁るのはやめにしたら?」
「あら?風紀委員にそれをいってよくって?」
「風紀委員だからこそよ。風紀委員は我が学園の秩序と安寧の維持と守護を職掌とする存在……その長がところ構わず色んなところでドロッドロッでグッチャグチャな情事をするのは品の問題というか……端的に言うとはしたなくってよ」
「思春期の学生なんですし、そうなるのは当然のことではないかしら?それに、ね、わたしずっと前から思ってることがあるの」
「何よ?」
「どうして風紀委員の女の子はいつもオラオラ系な不良にアヘ顔さらして快楽堕ちさせられるのかしら?純潔と秩序を象徴するからといって流石に擦りすぎよ」
「知らないわよ……」