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夫は聖女を愛していたのかしら?

 ごきげんよう。

 悪役令嬢、ラファエラです。


 今日は、夫の側近の妻たちが4名、わたくしを訪ねていらしたわ。

 わたくしたちの結婚のことを既に知っていたあたり、わたくしたちを嵌めて結婚させたのはこの派閥かしら?


 聖女に将来を潰された令息達の共通項は、「魔族の純血統」だったわ。

 

 その妻たちは、わたくしのことを味方だと思ったみたい。



 わたくしは、生まれた時にブライト国から「悪役令嬢はいらない」と言われていたから、10才の時に神聖国の神の家に入ったの。


 神聖国の神の家には、魔法国連盟のあちこちから「純血統」の貴族令嬢が集まるの。

 10才から17才まで神の家で修行を積むと、「水盆の神託」に魔力の相性のいい相手を教えてもらえるの。


 貴族令嬢率は、具体的に言うと9割よ。


 神の家は、孤児院ですけれども、10人孤児を引き取って育てると、1枠空けてもらえるから、孤児を引き取って我が子をねじ込む貴族が多いのよね。


 神聖国は帝国と接していて移民が流れ込みやすく、孤児も多いの。

 

 神聖国内の孤児の中で優秀な子が神の家に入れられて、貴族に貰われていく。

 奴隷の子が貴族の子に変わる魔法の施設よ。


 女児は西宮、男児は東宮でそれぞれ分けて育てられるけれど、仕組みは同じ。


 つまり、わたくしは7年かけて世界中の純血統の令嬢達とネットワークを作ってきたってことになるわね。


 夫の元側近の妻たちは、そのことを知っていて、わたくしを頼ったって感じかしら?



 でも、残念ながら、お父様がわたくしに神聖国を勧めたのは、単にそこが「女の子しかいない」場所だったからだと思うわ。


 万が一、後になって、「やっぱりブライト国に嫁いでくれ」と言われた場合に、既に執着する相手が出来ていると不都合でしょ?


 だから、聖女の活動期が終わる18才まで女の園で預かってもらったのよ。

 あんまりネットワーク作りはやっていないわよ?


 わたくし的には、17才まで修行すれば、18才になった時に、水盆に魔力の相性の良い配偶者をおすすめしてもらえるのが魅力だったから、異論はなかった。


 どんな相手を紹介してもらえるのか、興味あるじゃない?



 ともかくも、ティールームの盗聴器は魔力透視で見えていたから、さっさと切り上げて、庭に出ることにいたしましたの。


 「お庭を歩きながら話しましょうか?」って言ったら、「それならガゼホで風に当たりながらお茶にしましょう」と提案されて、行ってみてビックリしたわ。


 ガゼホは、盗聴器はなかったけれど、瘴気がヤバかったわ。

 聖女は、その場所で令息たちを侍らせていたのでしょうね?


 気持ちが悪くてお茶どころじゃなくってよ。

 魔力透視は解除するしかなかったわ。


 一通り話を聞いた後、淑女たちをお見送りしてたら、イケメン夫が迎えに来たわ。

 

 昨日と同じく、恭しくエスコートしてくださって、キュンでしたわ。

 何かしらね、あのとてつもなく紳士的な感じ。


 わたくし男性に免疫がないので、ぽぉっとなっちゃいますわ。



 もう少しゆっくりしていたくなって、お茶に誘ったら、「早く国に帰れ」と言われて、涙が出るかと思ったわ。


 それ、イケメン顔で言わないでって、魔力透視を掛けたら、ガゼホは瘴気が強すぎて、ティーカップすら見えないから、やっぱり解除して、イケメン顔を眺めていましたわ。


 わたくし、何やってるのかしら?



 そして、聖女が神聖国に送られるように裏で手を回したのが夫だということが分かりましたわ。


 聖女が階段から落とされた後、自分の近くに置いておけば命を落とすと確信したのね……


 婚約破棄も、元婚約者を「守るため」に遠ざけたのだわ。


 どちらを愛していたのかしら?


 

 こんなに瘴気まみれになるまで傍に置いたのだから、聖女かしら?


 せつないわ。

 わたくしの見た聖女は、あまり良いものでは、なかったの。


 わたくしは、神官デビューの最初の仕事が、聖女牢に出現した聖女のお世話だったのよ。

 話が通じなくて最悪だったわ。



 え?

 聖女は悪者なのかって?


 個体依存よ。


 神殿でいい感じに育つ「聖女」もいるわ。


 聖女は、異世界の記憶とこの世界のゆがんだ記憶を持って生まれてくるの。

 その記憶が邪魔をして、魔族の話を信じられず、歩み寄ってくれない聖女も多いわ。


 聖女史第2期以降は、毎回毎回、揃いも揃って、高位貴族の令息たちを誑かして、国を内部から瓦解させようとするのよ。



 それに、魔族がどんなに進化を遂げても、数十年に1度送り込まれてくる。


 神とやらは、聖女の自動転送を設定したあと、消し忘れてるんじゃないかしら?



 でも、魔族側にもキッチリ対策マニュアルがあって、ちゃんと準備していればこんな酷い状況にはなりえないわ。


 基本的な聖女対策を怠ったのよ。

 何がしたかったのかしら?


 ここ20世代ほど政治に影響がでるほど聖女をのさばらせた国はなかったのに。


 20世代と言ったら、400年ぐらいよ?


 そんなに長い期間、使われることがなかった聖女牢にポコッと聖女が転送されてきたのよ。


 神聖国も大騒ぎだったわ。


 

 ふぅ~。

 今夜も、夫を魔法で寝かしつけた後、瘴気の塊なボディにぴったり張り付いて、混乱をデスペルしているところよ。

 体が大きいから、ぴったり張り付くのも大変よ。


 それに、なんだか変なの。

 これだけ分厚い混乱魔法が掛かっているのに、ちゃんと会話ができるのよ。

 特殊体質かしら?


 せめて麗しいお姿を鑑賞しながら施術できたらいいのに。

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