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ホラー短編シリーズ

どろ水が引きずり込む

作者: リィズ・ブランディシュカ



 どろどろに濁ったどろ水が、向こうの世界を眺めている。


 やわらかそうな肌色が通りを歩いて、まずそうな鈍色の塊がすごい勢いで走り去っていく。


 ならば、興味を惹かれるのはどちら?


 その泥水は、肌色の方を選んだ。


 視界の隅から隅を、ちょうど小さな肌色たちが通っていく。


 それらは、「やっと学校終わったな」とか「この後うちで集まってゲームしようぜ」とか「さんせい!」とか、泥水には理解できない鳴き声を放っている。


「これ、新品の長くつなんだ」


「かっこいい!」


「いいな俺も買ってもらいたい」


 ぱしゃり。


 弾力のあるもので包まれた、小さな肌色の先端が一本。


 泥水の中に飛び込んだ。


 泥水はそれを、知りたくて。ほしくて。


 弾力のある「なにか」をはずして、そっとその肌色を引きずり込んだ。



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