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 「……まぁ、こんなもんか。」



 定期テストの結果が書いてある掲示板の1位の枠に、自分の名前がある事を確認して呟く。



 1位……というと凄いと思われるかもしれないが、これがモデルをやるなら継続的に取っておけと父に言われた内容なので、もちろん頑張ってとっている。まぁ、別の理由もあるのだが…………



 「さすがだね、功。今回も1位かぁ。」


 廉が感心するように掲示板を眺める。


 「お前も7位なんだし、なんら変わりないだろ。」



 廉も、一応成績は上位だ。常に1桁の順位をとり続けている。俺の事をよくインテリと茶化して来るが、こいつも中々のインテリだ。



 「あ、あったぁ! あったよ! 翼!」

 「あ、ほんだ。ある。」

 「何があったんだ?」

 「いやぁ〜、舐めてもらっちゃ困ります。あたし達いつも成績はどどど真ん中じゃなかったですかぁ?」

 「うん、そうだね。ど真ん中どストライクだったね」

 「それがなんとか……50位以内に入りました!!!」

 「やっと、功くんと同じ列に名前が載ったよ。」

 「お前今回頑張ってたもんな。偉いよ。」


 家の時の癖で、つい頭を撫でてしまう。


 「えへへ。まぁ、功くんはいつも通りの1位だけどね」

 「「夫婦誕生。」」

 「「廉、うるさい。」」

  愛実、



 謎のダブルハモリを見せたのは笑ったが、翼と愛実が頑張ったのは本当だ。翼はテスト期間夜に俺の部屋に来る事は分からない問題の質問以外来なかったし、愛実も奮闘している姿は何度か見た。その結果が順位に出ただけだろう。


 …………そして、頭を撫でてしまったせいで、密かにコソコソと話されていたのは気付かなかった。






 「はい、今から体育祭の競技決めをしようと思います。」



 定期テストの結果発表が終わると学校は一気に体育祭ムードへと切り替わる。

 そして、学級代表である、俺と翼でクラスの司会進行を行う。



 「個人競技は、50m走、100m走、2000m走~~~~~~~~などとなっております。」


 えー、俺なににしよっかなー

 ねぇねぇ、○○あれしようよ! あれ!


 などなど、クラスメイトから様々な声が聞こえる。しかし、これは個人競技であって、俺たちが作戦を行う、団体競技の枠あではない。なので、まだ、様子見と行ったところだろうか。リレーで俺、翼、愛実が立候補すると、集まる人は多そうなので、そこは一応対策を立てている。……成功するかは分からないが。





 そんなこんなで個人競技の全枠が埋まった。


 俺→2000m走

 翼→借り物競争

 廉→同じく借り物競争

 愛実→障害物競走

 ──となった。ここまでは順調だ。




 「……えー、次に、団体競技へ行きます。団体競技と行っても決めるのはリレーのみです。希望者しない方は手を挙げないで結構です。それでは……」



 もう、何人か手を挙げようとしているのが分かる。女子も男子も両方多数居ることは予想通りだ。ジンクスってのは怖いと改めて思う。



 じゃあ、ここで──作戦開始だ。



 「あ、一つだけ言い忘れてました。すみません。この学校ではジンクスがあるんでしたよね? それで先生とも話合ったんですけど……ジンクスに焦点を当てるか、リレーとしての勝ち……つまり、体育祭としての勝ちに焦点を当てるかアンケートを取りたいと思います。今から挙手を願います。」



 ──そう。これが作戦だ。このクラスは運動部が多めだ。そして、クラスの主要メンバーも俺らを除いては運動部が閉めている。だから、必然的に……



 「……ジンクス12票、勝ち28票により、希望がオーバーした場合、ここにある50m走のタイムで決めますのでご了承ください。」



 そして、これが適応された場合、俺たちの勝ち(?)は確定する。なぜなら俺と廉は男子の中でこのクラスの1位と2位、翼と愛実は女子の中で1位と2位。挙手した瞬間もう確定する。我ながらせこいと思うが、愛実のためという名の翼の願いだ。仕方がない、許してくれ。


 クラス中(大半女子)かれ絶望の声が寄せられる。廉もいるしなぁ、とか思いながら俺は言葉を並べる。



 「それでは、リレー希望者の方挙手願います。」



 そして、作戦2! ↑を言った瞬間廉を睨みつける。そうすることで「やれぇ!!」って思いが伝わる……とと思いたい(願望)


 ……そして、上がったのは「え?僕も?」と思っているであろう廉を含む俺たち4人と運動部男子数人。女子多半数だ。……が、しかし、タイムの結果、俺達4人となった。






 放課後。またまた例の3人でファミレスに集合していた。



 「改めてまして、みんなありがとォォォォおおおおお!!!!」

 「上手くいったね。ナイス功くん。」

 「だな。上手くいって良かったよ。」

 「いやー、それにしても廉の例の件についてはみんな驚いた? 」

 「あー、あれか、もちろんちょっと驚いたよ。」

 「私もちょっとビックリしちゃった。」





 これは、競技決めが終わり昼休みの話何だが、結論から言うと、足の速さだけで決められた事が不服だった女子数人はクラスの女子の中で1番早い愛実の悪口言っていた。



 まじで、愛実調子のってるくない?

 あー、確かに。足速いのが偉いんじゃねぇつーの。



 そんな会話が廉と2人きりの時に聞こえたのだが、その時……



 「陰口を言う君たちより愛実は偉いと僕は思うけどね。」



 という一言を言ってから去っていったのだ。爽やかスマイルと共に。そして、その発言はなぜか広まり、女子数人の株は下がり、廉の株は上がったという出来事が起きたのだ。






 「ちょっと、性格悪いかもしんないけどそれ聞いた時嬉しくなっちゃった。」



 そんな言葉と共に幸せを噛み締めるような笑顔はまるで、溶けていくようだった。

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