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03

 翌日。時刻は13:00

 俺は、翼と映画を見に行く約束のため、隣の家の扉の前に立っていた。



「ピーンポーン ピーンポーン」

「はーい! 功くん? 」

「そうだよ。」

「ちょっと待って! もう少しで出れるから。」

「りょーかい。」



 翼が急ぐ「バタバタバタ」という音が家の中から聞こえる。ついでに、翼の母親が、忘れ物を指摘する声も聞こえる。



「お待たせ! 」

 想像以上に急いできたのか、白シャツの第3ボタンまで、空いており、出て欲しくない色気が出ていた。


「お待たせされました。それじゃ、行こっか。」

 そう言って、独占欲だろうか、少し目のやり場が困るためだろうか、第3ボタンを閉める。


「ありゃ、こりゃ失敬。でもそこは、『今来た所だよ。(イケヴォ)』でしょ? 」

「隣人同士だから、それ言ったら嘘つきじゃん。」

「ったく、そんなんじゃ、モテないぞ! トリャ!」



 映画を楽しみにしてたのか、いつもよりテンションが高く、そう言って俺の脇腹をつつく。しかし、俺の体はこしょばしの耐性が高いらしく、まったくこしょばくない。ちなみに行き先は、映画館が付いている大型ショッピングモールだ。



「それじゃ、行くぞ。」

「うん! 」



 (本当にテンションが高いな)と、思った矢先にいきなり翼が走り出したので、不覚にも笑みがこぼれた。







『~~~~~~をお待ちの方はこちらです。』


 さっそく、見たい映画のチケット販売の案内アナウンスが流れてきたので俺たちは、そちらへと向かいチケットを購入し、映画を鑑賞する部屋に行き、席に着く。



「映画って久しぶりだから、なんかドキドキするね! 」

「久しぶりなのか? 愛実とかと行ってるかと思っていたのだが……」

「愛実とかとは、カラオケとか、ラウンド〇ンとかは行くけど、映画は行かないかなぁ。あんまり見たいのないし。」

「そっか。じゃあ、久しぶりの映画を2人で堪能しますか。」

「しましょう!!」



 そんな会話をして、数分後映画が始まる。ストーリーとしては、元々放送されていたドラマを題材にしていて、ミステリーの中に少し恋愛要素が入ってるいかにも人気になりそうなものだった。



 終盤になり感動している翼を横目に、俺は元々の題材になった、ドラマを見ていないため主題歌がいいな、とか今の俳優(女優)さん最近人気だよなとか、映画とまったく関係の無い事を考えるが、そんな俺でもラストの、感動シーンには泣くまでではないが少し感動してしまうほどの魅力があった。



「んいやぁぁ~、良かったねぇ。もはや号泣してしまった。」

「俺も感動したよ。」

「ラストのさ! ラストのシーンがさ!……」



 などと、翼は映画のワンシーンワンシーンを噛み締めるように振り返る。そうやって、堪能してるなぁ。と、翼を感心しながら大型ショッピングモールを歩いていくと、翼行きつけらしい洋服屋に着く。



「へい、マイスタイリストさん」

「スタイリスト? あぁ、そんなことも言ってたねぇ。」

「こっちとこっちどちらが良いと思うかい? 」



 そう言って翼は、もうすぐ春が終わり夏だと言うことで、白く上品なブラウスとその色違いの黒いシックなブラウスを見せてくる。どっちが似合ってると聞かれても、顔立ちもスタイルも整っている翼は、もちろん両方似合っている。



「そうだなぁ、個人的には白の方が似合ってると思うよ。」

「だよねぇ、私も思った。」

「本音を言うとどっちも似合ってるけどね。」

「それな」

「自慢げに言うな。」



 朝のテンションか高いノリではなく、いつも通りのノリにいつの間にか戻っている。多分映画で感動して、テンションも落ち着いたのだろう。



「……折角2人で久しぶりに遊びに来たんだし、どっちも買ってやろう。」

「え、いやいいよ。功くんが自分で稼いだお金でしょ? 」

「今日限定だぞ?」

「お願いじゃぁス!!」

「よかろう。」



 自分がモデルをして、稼いだお金というのは間違いないが、正直物欲があまりなく、洋服も十分持っているのでなにも買うものもなくお金は貯金している。だから数千円の物を二着買うだけなら全然もったいないとも思わない。



「それじゃ、その白と黒のでいいか? 」

「うん! ありがと。」

「…どーいたしまして。」

「他にはないのか? なんか」

「うん、今日の目当てはこれだから。」

「目当て探すの早いな。じゃあレジ行くぞ。」

「イエッサー! 」



 レジに行き、合計金額は約1万円。普通の学生にしたら結構な痛手だが、ある程度儲かってはいるので、問題は無い。


 服を買ってから、翼はお手洗いに行くと言って、そこに向かった。



「あの、すいません。」


「はい、なんでしょう。」

  道の案内をして欲しいのだろうか。大学生らしき女性2人が俺に話しかけてきた。

 

「おひとりですか? 」

 …そのパターンか、と今起こっている状況を理解して、言葉を返す。


「すいません。今日は()()と来ておりまして。」

「あ、そうですか、すいません。もし良かったら回っていただけたらと思ったのですが、()()さんと来てるなら仕方ないですね。」

「いえいえ、こちらこそ。」

「はい、失礼します。」



 いわゆる『逆ナン』というやつだろう。こういう事は高校生になってから数回あった。こういう時に状況を理解している女の子と来ていると『彼女』と嘘をつけることが出来るので、話が早くなって助かる。例えば翼とか。いや、嘘をつくのは悪いことなのだけれども。



「…今の、逆ナン? 」

  噂をすれば…翼がお手洗いから戻ってきた。



「……いや、違うよ? 」

「ふ〜ん、まぁいいや。じゃあ、次のお店へレッツゴー!!」

「GO!」



 若干無理しているように見えたが、そこは指摘するべき所ではないと思ったので、そのままショッピングを楽しんだ。


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