02
いつも通りの学校が終わり、時刻は21:30
今ぐらいの時間帯になると…
「コンコン…コンコン」
「どうぞ。」
「…失礼します。」
「いつも思うけど、なんでかしこまってるんだよ。」
「…夜ですし…」
「そうですかい。」
そう、翼が僕の部屋に来る。俺と翼は、幼馴染…だが、普通の幼馴染とは少し、違う。
具体的に何が違うかというと…
「功くん。いつもの。」
「ん。」
そういって、俺たちは…なんと言ったらいいんだろうか、座りながらハグ(?)をしながら、雑談をしたり、スマホを見たりグダグダするのが、いつものパターンだ。
そう、俺たちは、普通の幼馴染より物理的な距離感が近い。もしかしたら、そこら辺のカップルより近いかもしれない。
「ねえねえ、功くん。明日土曜日じゃん? 」
「んだな。」
「…それじゃさ、明日功くんが空いてたらどっか遊びに行かない? 」
「……」
俺はこの時、驚愕していた。なぜなら、翼は基本人を誘わない。いつもその美しい容姿や口数は多くはないけれど愛嬌がある所などが気に入られて誘われる側の人間なのに今俺の事を誘ったからだ。
「…もしかして、駄目だった? 」
「い、いや普段翼ってあんまり人の事誘わないから少し驚いただけだよ。」
「…それで、一緒に遊びに行ける? 」
「もちろん。喜んで行くよ。」
「ふふ、嬉しい。」
「…んで、どっか遊びに行きたい所あるの? 」
「もちろんだよ。ここ。」
そういって翼はなにやら少し前にとても注目されていたドラマの続編を題材にした映画のポスターが載っているスマホの画面を見せる。
「映画行きたいの? 」
「そそそ。どう? 」
「あはは、ここまで来たら断れないよ。」
「良かった。じゃあ、昼からでいい?映画見るの。」
「ん? 夕方じゃなくていいのか? 映画見てそのまま帰れるし。」
「その後のショッピングとかあるじゃん! 」
「おっとぉ! これは荷物持ちの予感ですねぇ。」
「その通り!! って、だけじゃないよ。洋服とか買いたいんだけど、スタイリストに命名しよう。」
「ありがとうございます。翼様。」
「うむ、よかろう。」
謎のノリが入ったが、どうやら仕事は荷物持ちだけじゃないらしい。明日は体力が奪われそうだ。
「というか、功くん明日仕事入ってないの? 」
「うん。明日は大丈夫だよ。」
翼が言った仕事といのは、『ファッションモデル』だ。自分で言うのもなんだが、母親が外国人でハーフなのでスタイルは良く、顔も多少は整っているので、1年前に声を掛けてもらえた。と言っても、人気がすごくある訳でもなく、翼と両親以外誰にも言ってないので、学校で広まったりはしていない。1つの経験として、やっておけばいいと思ったからやっているので、チヤホヤされたいからという理由ではない。
「仮にもし、あっても翼と2人ならそっちを優先するよ。」
「もうっ。」
「…それより、2週間後に定期テストだよ? 大丈夫? 」
「だ、だいじょぅぶ。」
「語尾が弱いぞぉ。」
「いいですねぇ、学年1位は。」
「お、開き直った。」
「うるしゃい。」
「はい、ごめんなさい。」
噛んだ事を指摘すると、さらに拗ねてしまうのでそれはやめておこう。翼の成績は中の中なので、少し心配だ。まぁ、いつも「やばいぃぃ~」と、愛実と共に唸りながらなんとななってるから今回もなんとかなる……だろう。
そして、少し甘々な時間を過ごして、翼が自室帰るのを送ってから、眠りについた。
「面白い!」「続き読みたい!」など思った方は、ぜひブックマーク、下の評価を5つ星よろしくお願いします!
していただいたら作者のモチベーションも上がりますので、更新が早くなるかもしれません!
ぜひよろしくお願いします!