第1話 太陽の王国
ここは太陽系の特に中心の星・太陽
ここは薄く層みたいなのが星全体を囲っておりその層の上でのみ人々は生活を可能としている
そんな王国の名はソレイユキングダムという
この星の王族の主な役割は太陽系の乱れがないように保ち、太陽系のすべての星に平等に日光が降り注ぐようにすること
そんな王国で一人退屈そうに窓の外を眺める一人の少年がいた
??「つまんねぇ」
彼の名は「シズク・リトルジェントル・フレイア(14)」
この国の第一王子である、先ほど最初のレッスンを終えて自室に戻ってきたところである
??「なにがつまらないと言うのですか?お兄様」
シズクにそう尋ねるのは彼の弟にして第二王子である「ミライ・リトルジェントル・フレイア(10)」である
シズク「つまらねぇだろ、毎日同じことの繰り返し。常日頃から誰かに見張られる生活、どこへ行こうにも絶対にボディーガードはついてくるし、休息の地なんてどこにあるんだよ」
ミライ「仕方ありませんよ、僕たちはこの国の王子であり、特にお兄様はこの国の次期国王なのです」
シズク「分かっちゃいるけど、どうもな・・・せめて他の王子たちとの会話の時は部屋の外で待ってもらいたいものさ」
ミライ「その件でこの間大騒ぎして、王子たちと話す間は部屋の外で待つように決まったじゃありませんか」
??「失礼いたしますわ、シズクお兄様、ミライも」
その言葉と共に部屋に入ってきたのはシズクの妹にしてミライの姉、そしてこの国の第一王女である「ヒナタ・リトルレディ・フレイア(12)」だった
シズク「どうした、まだお前はレッスン中だろ?」
ヒナタ「適当に切り上げさせましたわ。だって今回の教師ははっきり言って権力に目がくらみすぎているおっさんですもの」
ミライ「お姉様、言葉遣いを気を付けないとまた使用人達からのグチグチ攻撃ですよ。お兄様も」
ヒナタ「そういえばやたら調子に乗ってきていますわね、あの者達も」
シズク「最近では俺の見合いが進んでると噂で聞くな」
ヒナタ「早すぎやしません、この星では結婚は男女ともに20歳になってからでしょう?」
ミライ「お兄様が結婚可能年齢になるまであと6年はあるじゃないですか」
??「その事につきまして女王陛下よりあなた方へお呼び出しがかかっております」
そういって突然現れたのはこの宮殿の執事長であり、3人のお世話役でもある「フォンディ・スターレ」である。基本神出鬼没なため、心臓の準備が必要な執事である
シズク「母上が?」
3人は慣れているので今更驚かない
~謁見の間~
女王の間(別名:謁見の間)にやってきた3人は母であり、この国の女王である「アカリ・クイーン・フレイア」に膝をついて頭を下げる
アカリ「3人とも顔を上げ楽にしなさい」
母がそう答えると3人は顔を上げて立ち上がる
この国では王の「楽にしなさい」は「立って姿勢を楽にしなさい」の意味のためである
アカリ「さてシズク、ここに呼んだ理由はわかっておりますね」
シズク「この所、使用人達の間で専ら噂になっている。自分の縁談についてでしょうか?」
アカリ「その通りです」
シズク「ですが母上、自分が18になるまで花嫁選びは自分にまかせるとの約束のはずですが?」
アカリ「ええ、その通りです。どうやら私がフォンディに話しているのを誰かが解釈違いを起こし、噂を広めてしまったようですね」
ヒナタ「解釈違い?」
アカリ「はい、皆様には来週から《星の調査旅》に出かけてほしいのです」
ミライ「星の調査旅?」
ヒナタ「あっ!聞いたことがある。確かそれって太陽系にある星々をお泊り調査してこいっていうあれですね」
シズク「なんだ?そのお泊り調査って」
ヒナタ「言葉のとおりよ太陽系にあるここ以外の10個の星達に行ってその城に1日泊まり込んでその星の経済環境や王族の宮殿での暮らしを調査するの。意外と気付かないところもあるからね」
アカリ「ヒナタの説明に捕捉しますと、まずこの太陽からスタートし、次に一番外側にある冥王星に赴き、そこから内側へと調査していくという形となります。本来であればわたくし達、王が行くのですが他の星の王子たちとの交流も含め、今回はシズク、ヒナタ、ミライの3人に行ってもらいます」
ヒナタ「やったわね、お兄様」
何故かヒナタは嬉しそうに兄に尋ねる
シズク「何が良かっただよ、いきなり面倒なことを押し付けられたのですよ」
当然、シズクも妹の言葉の真意がわからない
ヒナタ「この星の調査旅の最大の特徴はね、なんと護衛が付かない旅なの!!」
シズク「マジで!?」
ヒナタ「大マジよ!この旅は王達が護衛なしでいかにして各星に辿り着けるかの試練でもあるの、今まで戦闘訓練や能力訓練を欠かさずにやってきた成果が発揮されるたびで、そのために護衛は一人もつかないの」
アカリ「正にその通りです。シズクが最近の使用人達や家庭教師たちの態度にうんざりしていたのは知っています。わたくしもシズクくらいの年齢になるとそうでしたから、だから今回のこの企画を提案したのです。やかましい使用人達から離れる絶好のチャンスなのですよ。ただし覚悟も必要です。この旅は護衛がいない分貴方方へいつもの数倍の危険が迫ることでしょう。この星の決まりとしてわたくし達親達は手出しできません。貴方達だけの力で解決するのです」
シズク&ヒナタ&ミライ「はい!」
アカリ「ヒナタ、ミライは兄の言うことをよく聞くのですよ。シズク、2人を頼みます。今回星の案内は其々の王国の第一子が務めます、貴方方の態度が私達フレイア一族の評価に直結しますのでくれぐれも粗相のないようにお願いしますね」
シズク&ヒナタ&ミライ「はい!お任せくださいお母様!!」
この返事の後3人は他の王子たちに話す内容などを事細かく話し合った
能力や戦闘訓練もいつもの倍以上のやる気を出していた
そんなこんなでついに1週間後、とうとう星の調査旅出発の日がやってきた