ヒロインに出会ったかもしれない
昨日はやることがあってあげることができなかった.°(ಗдಗ。)°.
今日は朝から姉に連れられて家から一番近い街「エルダの街」に来ている。なんでもこっちに少し用事があるそうでその間家に帰れず、俺を心配して宿に連れてこられている。
「いいレイ、ここが今日から数日間のあなたのお家よ。朝も話したけどお姉ちゃんちょっとの間帰ってこれないけど一人で寂しくない?怖いなら部屋の中でじっとしていてもいんだよ?なんならご飯とか部屋に持って来てもらえるよう頼んでおこうか?」
「ううん、大丈夫。姉ちゃんこそ用事?頑張ってね」
「ありがと。じゃ、いってくるね」
「いってらしゃい」
最後に頭を撫でられ、借りた部屋から姉が出てゆく。
さてこれからどうしたものか。確か宿の昼飯が出るのが上の刻11〜13まで。今が上の刻の9だから後2時間は最低でもあるのか。ふむ、いつものように魔法の練習をしようにも場所がないしなー。なんかやらかして部屋とか壊しちゃったらまずいだろうし。仕方ない、街でも回るか。
そうと決まれば早速行動開始だ。姉が一応で置いていった、お金が入った袋を懐に入れる。部屋の鍵をかけいざ出発。
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と意気込んではいたものの
「広すぎんか?ここ」
思ったより広すぎる街を探索していたのだが、1刻も歩いていたらこの体では疲れ果ててしまう。そんな疲れを癒すため、今は市場で買った果物の詰め合わせの紙袋をそこらへんにあったベンチに置き、その左側に座り食べている。
「おお、これりんごじゃん。まあ知ってたけど」
疲れた体に糖分が染み渡る。くぅ、このために生きてるってもんだぜ!それにしてもいい買い物したな〜、最初は買おうとしても厄介払いされたがお金を見せたら態度一変、サービスで果物を追加で入れてくれた。やっぱ所詮この世は金か。
「なんかそう考えて来たら悲しくなって来たな・・・いやいや気にしたらいかん、りんごがまずくなる」
余計な思考を振り払ってりんごにかじりつく。うむやっぱりうまい。
りんごはすぐに胃の中に消え去り、2個目に取り掛かろうかそれとも昼食のために残すか悩む。そしていくばくかの格闘の末、食べることを決意しりんごを手に取る。しかし掴もうとしたてはりんごではなく空気をつかむことしかできなかった。
不思議に思いふと紙袋を覗くと果物が何者かの手に連れ去られていっていた。それを追いかけると、袋を挟んで反対側に果物を食べている銀髪幼女がいた。
「かわいい・・・」
無意識に声が出て、はっ、と口元を抑え前を向く。だが肝心の彼女は聞こえていなかったのかまだ果物にかぶりついている。その愛らしい姿を横目チラチラと見ながら観察する。
肌は日光でも反射しそうなくらい白く、肩まで伸ばした少しぼさついている銀髪と眠そうに半開きにしている淡い緑色の瞳が幼い容姿と相まって非常に可愛らしく演出されている。またそんな目をしていながらも果物を小さい口に頬張って食べているのもグッドポイントの一つだ。服は白い長袖のシャツと緑の膝まであるスカートといかにも町娘が来ていそうな服なのだが、この子が着ると現代と同じモデル効果が生まれるのか、全く別のものを着ているような錯覚にも陥ってしまう。
しかしそんな可愛らしい子でも人のものを取るのは良くない、ここは先人としてひとつ可愛いだけでは生きていけないと社会の厳しさを教えるべきだ。
「ねえ君、美味しそうに食べてるところ悪いんだけどさ、その果物は俺が買ったものなんだよね。だからさ返してくれるとありがたいな」
・・・しまったー!下手に出るという社畜期間で身についてしまったスキルがまだまだパッシブ状態だっ
た・・・くそう、これじゃあ舐められる。
現に彼女は、少しこちらと果物との視線を行き来させたものの何も言わずにまた食べ始めてしまった。
ううん、もう可愛いからいいや。
なんとも早い諦めである。だがこの世には可愛いは正義という名言もあるのでその言葉に従ったということにしておこう。
「しかし男レイ、ここで何にもなしに引き下がることはしない」
報酬に対価はつきもの。その少しボサの差した頭を撫でさせてもらうとしよう。なに?YESロリータNOタッチの精神だと?俺はロリコンじゃないから適応されない!のか知らんが触れる方が俺は嬉しいんだよ!
そんな強気な口調とは裏腹に触ろうと伸ばした右手は生まれたての子鹿のような震え方をしゆっくりとしか近づけていない。
そのせいか手が近づいた頃には「ケプッ」という可愛らしい声とともにまるまるひとつ食べ切られてしまった。そして急に出てきた声に思わずビクつき手を引っ込めてしまった。なんとも情けない男である。が、しかしここから誰にも思いつかない行動に出る。
果物が入った紙袋を地面に置き、レイの膝を枕にするように横になったのだ。そう、これが世に有名な膝枕である。
「え・・・あっ、そのぅ・・・・」
いきなりのことで困惑しあたふたしてしまう。「え、なんで急に!」、「どうして!」や「ウオォォ!!!!!!」、「あ”ぁ”〜か”わ”い”す”ぐ”る」など様々な思考が脳内を飛び交う。
「撫でて・・・」
だがそんな混乱をよそに少女からのご要望がはいる。それはここにいる男を屈服させ隷属化させるには十分すぎるようで、先ほどまでとは打って変わってまるで熟練の傭兵のような慣れた手つきで撫でだしてしまう。
「んぅ・・・ふふふ」
「ハァァァ・・・」
少しボサついている髪の感触と時折くすぐったいのか漏れる声がレイを限界化へと導く。
その光景は約2時間続いた。
レイが買っていた果物は色々入ってますけど合わせて日本円で2万くらいしてます。高級なやつです、はい。
ちなみにお姉ちゃんが渡した金額は20万です。お姉ちゃん、実はお金持ち