俺は天才かもしれない
コロナ時に不謹慎かもだけどカラオケ行きたい(΄◉◞౪◟◉`)
「レイ!レイ!起きて!起きて!」
上から聞こえてくる声に、俺は意識を取り戻す。寝ていたわけではないのだがとろけるような感覚が脳を支配していた気がする。そう思えるほどに手のひらに記憶にない感覚が残っている。そのことに困惑しつつ、姉の方に向く。
「あ、起きた?よかったー。なんか目が覚めたらレイが虚ろな目で私の頭を撫でてたからびっくりしたよ」
「え?俺姉ちゃん撫でてたの?よく覚えてないや」
クソゥ、なんでそんな貴重なことを覚えていないんだ俺は!!!いや、違う違う違う!覚えてないとはいえ女の命を触ってしまったんだ、いくら家族とはいえ謝らないと。
「あ、あのごめ・・・」
「レイ、ごめん!」
「へ?」
あ?あれ?なんで俺謝られてんの?完全に謝るのはこっちだと思うんだけど。
困惑する思考を持ちつつ、姉が謝ってきた原因を聞くことにする。
「レイ、自分が倒れたこと覚えてる?」
「へ?倒れたの俺?うーん・・・あ、そういえば昨日庭で魔法の練習してた時に急にクラってきて・・・」
「そう、それね、私が悪いの。私がちゃんとレイの魔力量を管理してなかったから」
「え、いやいや、それは俺が調子乗って勝手に魔力の流す量増やしただけで・・・」
「それも私がちゃんと見てたら防げてたの。ごめんね」
いやいや、過保護&完璧主義すぎでしょこの姉。完全に俺が悪いのに監督不行き届きみたいなこと言い出したよ!てかちゃんと見てたら俺の魔力管理もできてたって、魔力ってそんな簡単に見れるもんなの?
いや、そんなことは今はどうでもいい。なんとかしてこの姉を止めないと・・・
「ごめんね・・・本当にごめ・・・」
「わかった、わかったから。はい、この話は終了!」
「で、でも・・・」
「そんなに謝るなら、次の練習の時はちゃんと見てて?これでいいでしょ?」
「う、うん!次はちゃんと見ててあげるからね。お姉ちゃん、もうあんな失態はいたしません!」
ふぅ、良心がいたむぜ。でもこうしないと姉がごめんなさいボットになっちゃいそうだったからな。償いはあとでちゃんとするから今は許してね。
「ねね、じゃ、いつからする?何時間でも付き合うよ!!」
「え?んー・・・じゃあ朝の狩りとしては遅そうだからこの時間使って付き合ってもらっていい?」
「え!?もうそんな時間!?あちゃー・・・うん、じゃそうしよっか」
姉も部屋にある時計を見てようやく気づいたが、今の時間はすでに上の刻8を回っている。日本時間でいうと午前8時である。ちなみに上の刻は午前、下の刻が午後と考えてもらえればいい。1日の時間は24時間となんともご都合主義である。
姉の狩りの時間は上の刻4から長くて9までなのだが最低でも2刻はやるのだが、もう半分の時間しかないので少し無理を言ってキャンセルをしてもらった。大事な時間を潰してもっらたので無駄にしないよう一刻も早く準備しないと。
ベッドから起き上がりすぐさま庭に行こうとすると
「「グウウゥゥ」」
と、二つの腹の虫が鳴き声をあげる。
「先に朝ごはんにしようか・・・」
「そうだね」
空腹には勝てなかったよ・・・
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腹も満たして準備万端。姉も気合を入れて俺の隣で仁王立ちしている。時は満ちた、今こそ魔法を使う時!
前回と同じように手を前に突き出し・・・て、なんで俺の手握ったの姉ちゃん?
「あ、今なんで手握ったの?って思ってるでしょ?」
「まあ、そりゃ」
「ふっふっふ、これはレイの魔力量を図るための準備だよ」
そう言いながら姉は俺の手をにぎにぎしてくる。プニプニとした感触は心地よいようなくすぐったいような複雑な感情にさせられる。
「こうすることでね、レイの魔力の量と流れ方を離れていても感じれるようになるの。はい、もう大丈夫、危なくなったら私がストップかけるから」
「わかったよ、ありがとう。よしやるぞ」
姉に握られていた手に再び魔力を集中させる。さっきの朝食の時言われた言葉を思い出す。
「レイが昨日倒れた原因はね、私の武器を真似しようとしたから。最初のうちは・・・うーんそうね、この果物ナイフくらいでいいんじゃない?」
とアドバイスをもらっている。あの時見たナイフの形を思い出す。
昨日と同じように気だるさが体を襲ってくる。あの時のように倒れてしまうのではないか、と少し不安に感じるが姉を信じ意識を集中させる。
ゆっくりと持ち手から生成されてゆく。意識が乱れると形が崩れると言われたので、余計な情報を受け付けないよう目を閉じる。頭の中で構築されているイメージが流れ込んでくる。そのイメージを壊さないようゆっくり、慎重に作り上げてゆく。
イメージの最後まで生成が終わると手から流れていた魔力の流れが止まる。
「で、できた?」
成功したか?と緊張し恐る恐る目を開けた先には・・・刃渡り10センチくらいの魔力で作られたナイフがある。ただ本物と違って色が半透明の紫っぽい感じになっているが。
あれ?おかしいな?姉ちゃんの真似した時は質感とか色もあったはずなのに・・・
嬉しさ半分、ちゃんとできたのか?という疑問半分で素直に喜べない。
「おめでとう、レイ!」
だがそんな疑問も嬉しそうに抱きついてきた姉にかき消されてしまう。
「すごい、すごいよレイ!2回目でもうできるなんて!」
「ありがとう、でも姉ちゃんがしたようにならなかったんだけど・・・失敗じゃないの?」
「あれは少し特殊なやつだから。本当はこれが正解なんだよ」
「へぇ、そうなんだね」
疑問の回答の一部を得られ、多少満足した俺はそのあとも姉に止められるまでに数回、気だるさが蓄積されていく中魔法の練習を行った。
また、あとで思い出して聞いた話だが、俺が姉の魔法を真似した時に色や質感があったのは、無意識に先ほどのより少し難しいことをしていたかららしい。あれ?俺やっぱ天才?ふははは、これは将来が楽しみですな。
なんかネタいれるとか言いながら全くネタに振れてないような・・・気にしたら負けか。てかそれより文章量が少なすぎて笑える(笑えねぇよ)