死んだと思ったら、やっぱ死んでました
ツナマヨです!最初はちょっとギャグ控えめになるかもです!
まばゆい光が目の前に広がり視界を覆ってゆく。
一瞬光が全てを覆い尽くすかのような感覚に陥り、急に暗闇がそれを遮る。
体に力が入らない。
あ、これ死んだな。
他人事のようにそう思う。
でもそれでもいい。
この胸に抱いた子が無事なら。
無事を確認したくても暗闇が邪魔をして見ることができない。
けれど抱きしめられているのが嫌なのか必死にもがきながら元気に声を上げている。
ああ、よかった・・・
無事を確認でき安心したと同時に、俺ー井原 瑠夏ーの意識はとお・・・く・・・なっ・・・
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気がつくと目を開けていた。
暗闇に覆われたはずの視界には明るい色をした木製の天井が見える。
周りを見回そうとしてもうまく起き上がれず、しまいには疲れて諦めてしまう。
俺はあの時死んだのでは?
ようやくその疑問が浮かんでくる。
もしやあれは夢だったのではないのか?それとも今俺が動けないのも含めて、あれは本当に起きたことで今の俺はどこかの誰か人に助けられてこんなところで寝かせられているのか?それともまさかここが死後の世界!?
そんな、今おかれている自分の状況を記憶と照らし合わせたりしながら考えていると、突然扉が開くような音が聞こえた。そしてどんどん足音がこちらに向かってくる。
やば、こっわ。
近づいてくる足音に比例してどくどくと心臓が脈打っているのが伝わってくる。
すぐ近くまで足音が近づいてくると、仰向けに寝ている俺の顔を上から柔らかい笑みで綺麗な女性が覗き込んでくる。
「あ、起きた?レイ。今お姉ちゃん帰ったよ〜」
は?レイ?俺のこと?てか姉?俺に姉なんかいないぞ。てか誰?俺を助けてくれた人?いやでも俺見ながらレイって言ってたし?・・・???
疑問がいくつも蓄積していき、俺の少ない脳のキャパシティを軽く上回って行く。
よしこういう時は本人に聞くのが一番!ことわざでも百聞は一見にしかずというしな!
「あ〜あぅ〜う〜」
・・・へ?声が・・・出せない?い、いやこれは出せないのか?なんか聞いたことあるなまりかたしてるし?も、もしかしたらこれは・・・
声は出せるがうまく喋れないこの状況を俺は一つ知っている。なんせ読んでいた本などにはこういうのがよく出てきたからだ。そう、もしかしたら俺は・・・
真実を暴くべくなんとかして自身の体を見ようとしたその時、不意に両脇から持ち上げられる。
体が地面につかず浮遊感と少しの恐怖が身体中に行き渡る。
「お〜よちよち、どうしたんでちゅか〜。はっ、まさか私がいなくて寂しかった!?あぁ〜かわいいでちゅね〜よちよち。ほらほっぺグリグリグリ〜」
「あ〜うぅ」
謎の女性が顔を合わせてほっぺグリグリとしてくる。
うっ、こんな美人さんとこんなことができるなんてっ・・・もう死んでもいい・・・。じゃなくって!
俺は意識を無理やり引っ張って自分の体を見る。
なんか・・・俺の手・・・ちっさくね?やっぱこっれてあれだよな・・・
異世界転生モノじゃん!