長引く冬を彷徨って
長引く冬を彷徨って
堂々巡りの林中
淡く色づく季節はあれど
プリムローズは薄黄色
梢をくぐる月明かり
受け止め揺らぐ湖面にも似て
逝ってしまったひと想い
息のできない夜更けには
裸木一本下から照らす
黄水仙が伸び上がる
あなたに纏わり戯れた
私のように幹に寄り添い
どれだけたくさん群がれど
プリムローズは薄黄色
水仙の花彩れなくて
裸樹はあなたの影法師
プリムローズは香りだけ
頭もたげた水仙は
その稀薄さに首を折る
記憶に顔を埋めるように
あなたを頬に感じるために
定型詩は死に絶えてしまったのかな、好きな方はいないかな、などと漠然と思って。
植物の説明が足りませんでした、ごめんなさい。
プリムローズ:英名Primrose、学名 Primula vulgaris イギリスの早春を代表する野草。桜草、ポリアンサスなどの仲間。見た目はプリムラ・ジュリアンに似ているが色はうすーい卵色。(プリムローズにいろいろかけ合わせて、ジュリアンやポリアンサスなどの交配種ができています)優しい芳香あり。イギリス人に愛される花のトップクラス。
黄水仙:イギリスの野生の水仙はラッパ水仙型で外の花びらは薄黄色ですがカップが眩しい黄金色。日本水仙ほどではありませんが匂いがほんのりします。プリムローズよりは鋭い、水仙の匂い。詩人ワーズワースが詠ったのもこの水仙だと言われてます。学名 Narcissusu pseudonarcissus