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9話 僕と身体能力

僕達が訓練場に出ると学校の校庭みたいだと思った。

200メートルくらいのトラックを騎士が走ってたり、トラックの内で組手をしてたり、奥の方で魔法使いが魔法を的に当てたりしてる。


「おお!あれって魔法だよね?火が出たよ!あ、次は水だ!すげー。」


「よく見えるね。」


「目が良いのが自慢だからね!でも近くで見たいから行ってくる!」


タツヤが僕の腕を掴み引き止める。


「いやいやいや、今からどのくらい動けるか確認するんでしょ?」


「そうだった。じゃあ、どのくらい早く走れるかあっちまで走ってくるよ。」


またタツヤが僕の腕を掴み引き止める。


「着替えたら待ってて下さいって言われたじゃん。勝手に動いちゃだめだよ。」


「…そうだったね。」


…しょうがない…魔力を操作しながら待とう。


徐々に動く魔力。最初は通信制限になったスマホの通信より遅い感じの動きだったけど、今は海の砂場を掘るとじゅわーと水が出るような感じの動きになった。前より動くようになってきた。


魔力操作はイメージはあまり関係ないのかもしれない。革製品の様に使えば使う程味が出るように、魔力を動かして動かして動かし慣れないといけないのかもしれない。


魔力を心臓中心でぐるぐるとゆっくり動かす。20周くらいするとまたほんの少し早く動くようになった。動かし続ける。


肩をトントンされる。振り返り、トントンしたタツヤを見る。


「集まってだって。」


クラスメイトが着替え終わり全員が集まっている。


「ありがと。」


僕達はクラスメイトの所に向かう。メイドさんと騎士が僕達が来たのを確認してメイドさんが話し出す。


「これから勇者の皆様に身体能力の確認をしてもらいます。」


「そんな事よりレベル上げした方がいいんじゃね?な?」


「そうだね。僕達勇者だから早くレベル上げした方が良いと思います。」


「俺もレベル上げに賛成!」


「「「俺も(僕も)」」」


と3スケと一部の男子がレベル上げしたいと騒ぐ。メイドさんと騎士が目を合わせる。騎士が頷く。


「わかりました。レベル上げを上げたい人は騎士の元に集まって下さい。そうでない人は私の所に集まって下さい。」


3スケと一部の男子が騎士の元に行く。


「レベルが上がったら綺麗になれるし痩せれるから、一緒にレベル上げに行こっ!」


「え?でも」


「大丈夫だよ。私達勇者だもん。」


「でも」


「もぉ!大丈夫だって!」


そう言って渋るスズキさんを無理矢理騎士の元に引っ張っていくサトウさん。僕達はメイドさんのとこに留まる。


「サトウさんの話ってどうなんだろう?」


「綺麗になる、痩せるって話?劇的に変わることはないと思うよ。」


「だよね。」


「というかいきなりレベル上げってやばいと思うよ。剣王術とか武術はわからないけど、たぶん魔法は使えないから。アオタ君どうするんだろうね。使えるか試してからいけばいいのにね。」


「勇者だから、スキル持ってるから使えるって思ってるんでしょ?」


「そうだろうね。」


メイドさんが残った僕達を見渡し話し出す。


「先ほど言った通り、皆様には身体能力の確認をしてもらいます。その後に魔力感知、魔力操作を取得してもらいます。」


…うわぁ……これは魔法が使えない事を分かってるな…


1長距離を走る。

2土が入った袋を持つ。

3立ち幅跳び。

4柔軟性を測る。

5短距離を走る。

6腕立て伏せ、上体起こし。

7投げられた球を避ける。書いてある文字を当てる。

8魔力感知、操作の取得。


トラックを軽く走りストレッチをする。


1長距離を走る。トラックを5周する。

異世界に来る前より持久力が上がっている。インドア派の僕でも少し余裕を持って走りきった。


2土が入った袋を持つ。10キロ、20、30、40、50、60キロの袋を持つ。

精米した30キロの米を車から家に運ぶだけでも辛かったのに、30キロは少し余裕、40キロは重いなと思いながら持てた。


3立ち幅跳び。

前より跳べたと思う。


4柔軟性を測る。

前より柔らかくなったと思う。


5短距離を走る。

少し速くなった。50メートル8.5くらいが8秒を切った。


6腕立て伏せ、腹筋。連続で出来なくなるまでやる。

腕立て伏せ、異世界に来る前は10回くらいから辛くなってきたのに、20くらいから辛くなった。32回。

腹筋。34回。


7投げられた球を避ける。書いてある文字を当てる。ドッジボールの大きさから野球ボールの大きさの球。どんどん小さくなる。

何球か避けれなかったけど、全部書いてある文字は当てれた。


身体能力の確認で残ったクラスメイトは全員異世界に来る前より能力が上がってるようだ。


「お疲れ様でした。自身の身体能力の確認は出来ましたか?」


『はい。』と僕達は返事をする。


「では、次は魔力感知と魔力操作の取得をしてもらいますが、なぜ魔力感知、魔力操作の取得なのかと疑問に思ってる方もいると思います。」


僕とタツヤ、ナツキ、アヤさん以外のクラスメイトが頷く。


「それはスキルを使用する時に必要だからです。魔法スキルは当然、武術スキルの武技を使用する時にも魔力を必要です。魔力操作が無ければ魔力を込める事が出来ないので、魔法も武技も使えません。だから、まず魔力感知を、次に魔力操作を取得してもらいます。」


今朝アヤさんがナツキ、タツヤにやったように一人一人にメイドさん魔法使いさんが付いて、魔力を流して魔力感知を取得する。そのままその人の魔力を一緒に動かす。最初は1対9の割合で動かしてもらい徐々に補助を無くしていく。魔力操作を取得してもらう人だけでスムーズに動かせるようになると魔力操作を取得する。


アヤさんはナツキの補助を、タツヤはメイドさんに補助してもらって魔力操作を取得していた。


僕は自分で取得したいから一人で魔力をぐるぐると動かし続けながら、僕より早く魔力操作を取得したクラスメイトが魔法や武技を使っていたのを見る。


異世界ってすごいなぁ…クラスメイトが何も無いところから火やら水やらを出してるよ…おぉ!剣を振って飛ぶ斬撃を出してる!すっげー!


と興奮しながらぐるぐると動かす。みんなより3時間くらい遅く、昼食前に僕は魔力操作を取得した。

最後まで読んで頂きありがとうございます。気に入って、ブックマークでもしてもらえると嬉しいです。

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