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8話 僕と訓練場への道中と運動着

メイドさんの案内で訓練場に向かってる道中、アティは3スケとのやり取りを嫌な顔をせずに対応している。3スケは楽しそうに喋る喋る。最初はナツキ、アヤさんが注意したが、アティが大丈夫です。と言った時から3スケは気分を良くして喋る喋る。


一応勇者だから気分を害さないようにしてるのかな?王女も大変だなぁ…とちょっと思う。


僕は魔力を操作しながら付いていく。みんなの声が遠くに聞こえる程、魔力操作に集中していたからか前で止まったアヤさんにぶつかる。


あぁ、これがながら運転で事故する理由か…となぜかそう思った。


「あ、ごめん。」


「大丈夫よ。でも魔力操作しながら歩くのは危ないわよ。美術品にぶつかって壊したら大変よ。」


アヤさんは僕を心配して止まってくれたようだ。


「ありがとう。そうだね。やめ「こうすればいいわ。」え?どういうこと?」


アヤさんが手を繋いでくる。


「手を繋いで誘導してあげるから、魔力操作を続けていいわよ。」


「いや、魔力操作は続けたいけ「アヤ!?何してるの?!」」


「ハルキが魔力操作しながら歩いてて危ないから手を繋いで誘導してあげようと思ってね。」


「…そう。」


ナツキが少し俯き、僕に近づき繋いでない方の手を握る。


「ふ、二人で誘導した方があ、危なくないでしょ!」


「いや、だから魔力操作は続けたいけど「いやー、やっぱり私は恥ずかしいから幼馴染みのナツキに任せるわ!ほら、行きましょう。」」


ナツキが手を繋ぐとアヤさんは手を離し歩き出す。ナツキを見ると俯きぷるぷると震えている。


「ナツキ、今は魔力操作をや「行くわよ!」え?だからね」


ナツキは顔を真っ赤にして早く歩き出す。僕は引っ張られ歩き、はや歩きで少し前を歩くナツキの横に追いつくとナツキは歩く速度を緩める。


「…魔力操作していいから!」


「いや、だか「していいから!」わ、わかった。」


僕はわかった。と返事をしたものの繋いでいる手から熱くなったナツキの手の体温が気になり、魔力操作に集中できなかった。無言で歩き続ける。


どうしてこうなった…?と考えているとアヤさんがちらっとこっちを見てニヤニヤしているのを僕は見た。


…アヤさんめ…許さんぞ…


アヤさんへの復讐心に燃えているとメイドさんが扉を開けて押さえていた。僕らははや歩きでそこを通ると外に出た。


「そ、外だからもう大丈夫でしょ!」


「そ、そうだね。あ、ありがとう。」


ナツキが手を離し、アヤさんのとこに行き何かを言っている。


「大変だったね。」


「…助けてくれても良かったじゃないか。」


僕はタツヤをじーっと見る。


「無理でしょ。」


「…まぁいいや。ここが訓練場?」


「さぁ?」


タツヤに聞いてもわかるはずがないか。


見渡してみると僕達がいた建物は見える範囲だけど凹の形になっているようだ。凹んでいるとこにもう1つ建物があって他のクラスメイトがその建物に向かって歩いている。あそこが訓練場なのかもしれない。


「あちらの建物が訓練場です。」


当たっていたようだ。


メイドさんの後を付いていく。


「結構広いね。もしかしてここって王城だったりする?」


「…はぁ。もしかしなくても王城だよ。ねぇ?この国の名前知ってる?」


「ため息吐くと幸せが逃げるんだよ。それは知ってるよ、フォクシマリン王国でしょ。」


「おお!すごい!話を聞いてたんだね!」


「ばかにしてる?まぁ話はほとんど聞いてないけど、朝アティのステータスを見た時に知った。」


「だよねー。聞いてないよねー。」


「ねぇ?ばかにしてる?」


「してないよ。異世界に来てもハルはハルだなぁっていつも通りだなぁって思っただけ。」


「いつも通りじゃないよ。めっちゃテンション上がってるよ?」


「新作ゲームの発売数日前から発売後のハルと今のハル、変わらないよ?だからいつも通りでしょ?」


「そう言われてみればそうかもしれないね。」


「でしょ?で、ここはフォクシマリン王国王都フォクシマーのフォクシマリン城だよ。」


「へぇ。」


「それで自分達が召喚された理由なんだけど、魔王を討伐してほしいからなんだって。」


「ふーん。異世界転移、勇者に魔王かー。魔王ってどんな人なの?」


「残虐非道な魔族の王で魔族最強で人族の敵で醜い姿らしいよ。」


「ふーん。魔族って?」


「人族と違う人達だって。ファンタジー物語のエルフ、ドワーフ、獣人も魔族らしいよ。」


「マジか…エルフ達も残虐非道なの?」


「そう言ってたね。」


「魔族全員が残虐非道なの?」


「そう言ってたね。」


「…絶対違うでしょ?」


「さぁ?そう聞いただけで、実際は違うかもしれないし、違わないかもしれないね。」


「…実際会って確かめる。全員が残虐非道な訳ない。」


「ハルならそう言うと思ったよ。」


「おかしいでしょ?人間だって悪人もいるんだよ?魔族にも善人だっているでしょ。みんなはそれを信じてるの?」


「アカギ君達3人は信じてるのはわかるけど、どうだろうね?」


僕は小声でタツヤに言う。


「…魔族と戦いたくないって言ったら、殺されるかな?魔族の仕業として。」


タツヤも小声で言う。


「…わからない。でも言わない方はいいよ。」


「…だよね。とりあえず、どのくらい動けるか把握しないとね。」


「そうだね。」


話している内に訓練場に着いた。中に入ると真ん中に机があり男性が座ってる。その後ろに2つの扉がある。

クラスメイトが全員揃うと、一人のメイドさんがみんなの前に出てきて立つ。


「訓練場の使い方を説明させていただきます。訓練場を使いになる際は受付で名前、利用時間を伝えて下さい。」


座っている男性が手を上げて、微笑む。


「そして男性は右の扉へ、女性は左の扉へ入って下さい。中は更衣室で、シャワー室があり、奥に訓練場に続く扉があります。皆さんに運動着をお渡ししますので受付で受け取り着替えましたら、訓練場に出て待ってて下さい。」


僕達は名前を言って運動着以外も入ってそうな袋を受け取り、男女別れて更衣室に入っていく。


「運動着もだけど今着ている普段着、寝間着とご飯も部屋も用意されてて至れり尽くせりだね。」


と言って袋から中身を出す。焦げ茶色の長袖上下になんかの皮で出来た肘当てと膝当て、胸当て、自衛隊が履いてそうなブーツが入っていた。


「僕達は勇者らしいからね。そのお陰だよね。」


普段着を脱いで運動着上下を着る。


「サイズがぴったりだよ。すごいね。」


「自分もぴったりだ。」


ブーツを履き肘当て膝当て胸当てをつけて、少し身体を動かしてみる。


「初めてブーツも肘当てとかも付けたけど、全然動きが阻害されないね。」


「うん。なんか凄いね。」


着替え終えたタツヤを見る。


「お!タツヤ似合ってるね。」


「ありがとう。ハルは…うん…違和感しかないね…」


「…うん…インドア派の僕には似合わない格好だってわかってるよ…」


「…なんかごめん。行こっか。」


「…そうだね。」


タツヤと一緒に訓練場に出る。


最後まで読んで頂きありがとうございます。気に入って、ブックマークでもしてもらえると嬉しいです。

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