4話 僕とタツヤと魔法の検証
「あー痛い。」
ハルキは頰を摩る。
「ハルはデリカシーが無いんだから…」
「ビンタする事はないでしょ?」
「まぁ、いろいろあるんだよ。」
「ま、いいや!スキルを試そう!」
立食パーティーが終わり、一人一部屋、一人一人にメイド又は執事がつき案内された。
僕は一緒にスキルを試す為タツヤの部屋にきていた。
「何から試していこうか?」
「うーん。共通してあるアイテムボックス、生活魔法、火魔法、水魔法からでいいんじゃない?」
「火魔法は室内で危ないから、火魔法以外を試そう。」
「あ、そうだね。放火魔になりたくないもんね。じゃあ、アイテムボックスからいってみよー!」
僕はアイテムボックスからポテトフライを2つ出す。湯気が出ているポテトフライと湯気が出ていないポテトフライが二人の前のテーブルの上に出現する。
アイテムボックス
①収納量は1魔力1kgある…らしい(神様曰く。
②基本時間停止である。(“何も考えずに”、“時間が経つイメージ”をして収納してみたら、前者は熱々、後者は常温になっていた事から、時間設定が出来る。
ポテトフライは熱々でも常温でも美味しいね。サクサク食感も、しんなりしたポテトフライも良いね。美味しい。
「立食パーティーの時から試してたんだね。」
「そうだね。あとまだ試したい事があって…あ、できた。」
「触れてなくても収納できるんだね。」
「みたいだね。次は…タツヤ、ポテトフライをテーブルの下に、僕に見えない様に持ってて。」
「わかった。」
「じゃあ、やるね……うーん、見えてないとダメみたいだ。
次は少しだけ見える様にして。」
「おけ。」「おお!収納できた!」
「お皿が残ってるけどね。」
ーー
〜〜
ポテトフライ
皿に盛ってあるポテトフライ×4
〜〜
ーー
「あら?本当だ。タブレット?ウィンドウ?っていうの?
それにもポテトフライと皿に盛ってあるポテトフライって分かれてるよ。
あ、汚れた皿って追加された。」
アイテムボックス
③視認が出来ていれば触れていなくても収納できる。
④アイテムボックス内でアイテムを合成?、分解?が出来ない。(皿に盛ってあるポテトフライをポテトフライと汚れた皿に分からなかった。逆も然り。
「あとは収納量を超える物を収納しようとしたらどうなるか、生き物は収納できるかだけど…」
僕はじーっと、タツヤを見る。
「いやいやいや、嫌だよ!絶対ダメだよ!自分54kgだから16kg、身体の一部の残して収納されるとか絶対嫌だよ!」
「あー。僕は超える物は収納できないだろうなぁって思ってたから、一部だけ収納される可能性もあるのか…その考えはなかったよ。じゃあ、タツヤで試すのはやめよう。」
「ぜんたっいダメだよ!絶対!」
「…ふり?」
「フリじゃない!」
アイテムボックスの残りの検証は後日する事にした。
「次は生活魔法を試してみよー。」
「生活魔法というか魔法ってどう使うのさ?」
「神様が、スキルは取得したら分かるようになるんじゃ。って言ってたから魔法も意識したりしたら分かるんじゃない?」
「神様の声真似、似すぎ……。」
タツヤは僕の声真似が笑いのツボに引っかかったらしく、お腹を抱えて笑っている。
意識してみたら、すぐに分かった。
生活魔法
①アファート、火を出す。
②アウォート、水を出す。
③アライート、光を出す。
④リムステーブ、汚れを落とす。
僕はアイテムボックスから汚れた皿を出して汚れを落とす生活魔法を試す。
「リムステーブ……あれ?落ちないな…どうしてだろう…言い方か…リムステェェブ……リムステーブッ!……リム、ステーーブ!……だめだ…」
「…あ!もしかして、魔力じゃない?魔法って言ったら魔力だよね?魔力を込めるんじゃない?」
「あー!それだ!魔力を感じる為に魔力感知のスキルを取ったのに…なんですぐに思いつかなかったんだろう…なんで言い方にこだわってたんだろう……」
魔力感知を意識すると、スキルが働いたのだろうか、僕の身体、タツヤの身体が薄い霧の様な物に包まれて見える。いや漏れている?
これが魔力なんだろう。そして特に心臓がある場所が濃く見えて、そこから離れていくにつれて薄くなっている。
「心臓がある場所に魔力があるよ。あと身体から魔力が漏れてるっぽいから、血みたく循環させるか、ウェットスーツみたくピッタリと魔力を着て漏れない様に魔力操作した方がいいかも。」
タツヤはうーん。うーん。と唸っている。
…うん。魔力感知のスキルを取っておいて正解みたいだね。
魔力を手に集めて…うーん…上手く集まらない…血の様に……ほんの、ほんの少ししか動かない…いやー、これは大変だぞ……
でも、ほんの少しだけだけど、動く様になってきた!これこれ!出来るようになるこの感じ!楽しいな!
「まず魔力感知して、操作、制御出来るようにならないといけないね。」
「そうだね。
というか、結構時間が経ってるね。今日はここまでにして、解散しようか。」
「だね。」
「じゃあ、また明日。おやすみ。」
「おつかれさまー。おやすみー」
僕は割り当てられた部屋に戻る。シャワーを浴びて用意されていた服に着替えて、ベッドに横になり、目を閉じて魔力を操作する。
お!さっきより動いた!いいよいいよ!もっと動け!
暫く経ち睡魔が襲ってくる。
あぁ、今日は楽しかったなぁ…
あぁ…夢から覚めなく……ない…なぁ………
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