2話 1日目 僕とステータス
目を開けると、教室ではない所にいた。
夢の続き…かな?
目の前のおじさんが勇者召喚とか言ってるし、さっきの夢の続きかな?一応話を聞いておこう。
「では早速、ステータスの確認をして下さい。」
「あのーすみません。どうやって確認するのでしょうか?」
爺さん神様と話して、自分の他にも勇者がいるんだろうなぁと思ってたけど…クラスメイトが同じ勇者とか…
まぁ今質問した委員長の桜木さんは良い人だから問題ないだろうけど、他の連中は…はぁ…迷惑掛かるだろうな…異世界のみんな、先に謝っとくよ。ごめん。と心の中で頭を下げて謝る。
「そうでしたな。わかりませんよね。申し訳ない。“ステータスオープン”と唱えれば、確認できます。確認出来たら、私に報告して下さい。」
「「「“ステータスオープン”」」」
不透明なタブレットみたいな物が現れる。
ーー
トミタ ハルキ
男 異世界人 16
レベル1
体力32
魔力38
力25
運力10
アイテムボックス、生活魔法
(3)隠蔽lv9、(3)偽装lv7
(1)護身術lv1
(1)火魔法lv1、(1)水魔法lv1、(1)土魔法lv1、(3)空間魔法lv1
(1)料理lv1
(1)暗視、(2)魔力感知lv1、(2)害意感知lv1、(1)魔力自然回復上昇(微)lv1
(1)毒耐性lv1、(1)麻痺耐性lv1
勇者
ーー
神様の所で選んだスキルだ。やっぱり夢の続きなんだ…
夢でも隠蔽しとかないとね…隠蔽と偽装、害意感知のスキルを隠して…あ、最高12個までしかスキルを持てないから、他のスキルも隠さないと…
というかどうやって隠蔽すれば……お、おお?!分かる分かる!こんな感じなんだ!とりあえずスキルを隠してっと。
「どうでしたか?」
座ってステータスを確認し、隠蔽スキルを使っていたら声をかけられた。顔を上げると目の前に美少女が屈んで自分の事を見ている。首を傾げ後ろを見て、また美少女を見ると、美少女も首を傾げる。なにこの娘、可愛いよ!
「僕に聞いてる?あー、私に聞いているのですか?」
「ふふっ。普段通りに話していただいて構いませんよ。」
「そっか。それは助かるよ。ありがとう。」
笑った顔も可愛い!
おじさん達がめっちゃ睨んできたから言い直したけど、普段通りでいいってのは助かる。おじさん達も美少女がいいって言ったんだから、そんな睨まないでよ。怖いよ。だが、普段通りにするけどね!
「それでステータスはどうてしたか?えーっと…」
「トミタ ハルキだよ。好きなように呼んでいいよ。」
「ハルキ様とお呼びしますね。私の事はアティと呼んで下さい。」
「わかった。アティ、今ステータスは出ているんだけど、見えないの?」
「はい。見えません。ステータスは相手に見せると許可をしなければ他人には見れないのですよ。
“ステータスクローズ”と唱えて一回ステータスを閉じて、相手に見せると思いながら“ステータスオープン”と唱えれば、他人も見る事が出来るようになります。」
「そうなんだ。“ステータスクローズ”、“ステータスオープン”どう?見える?」
「はい。見えました。わぁ!こんなにたくさんスキルが!すごいですわ! しかも空間魔法がありますわ!」
ーー
レベル1
体力32
魔力38
力25
運力10
アイテムボックス、生活魔法
【隠蔽lv9、偽装lv7】
【護身術lv1】
【火魔法lv1】、水魔法lv1、土魔法lv1、空間魔法lv1
料理lv1
暗視、魔力感知lv1、【害意感知lv1】、魔力自然回復上昇(微)lv1
毒耐性lv1、麻痺耐性lv1
勇者
ーー
【】の中のスキルは隠蔽スキルを使って隠してあって、他人には見えない…はず。たぶん。
「スキルが11つもあるなんて!今までの勇者様の中で最多ですよ!」
うん。見えていないね。うん。信じてたよ。隠蔽スキルさん。これからもよろしくお願いします。
アティが大きな声を出したからか、人が集まってくる。
ん?何か感じる…なんだろ?
「どうせ、しょぼいスキルばっかじゃないのか?」
「ぷぷっ、見てよ。全部レベル1だよ。ひっく。ぷぷっ。」
「アティさん、こんな奴のなんかより俺達のスキルを見て下さいよ。」
ーー
アカギ キョウスケ
レベル1
体力36
魔力35
力37
運力1
アイテムボックス、生活魔法
聖魔法lv5、光魔法lv3
剣王術lv6
勇者
ーー
アオタ ケイスケ
レベル1
体力34
魔力42
力33
運力1
アイテムボックス、生活魔法
四属性魔法lv5
無詠唱lv3
勇者
ーー
キダ サスケ
レベル1
体力38
魔力29
力42
運力2
アイテムボックス、生活魔法
格闘術lv8
無魔法lv5
勇者
ーー
聖魔法、剣王術とか勇者っぽいね。四属性魔法と無詠唱なんか賢者っぽい。格闘術と無魔法か…武闘家…かな?
あと回復役がいればバランスいいね。勇者パーティっぽいじゃん。
あ、僕達勇者だったわ…
「スキルは勇者に相応しいですね。」
アティが笑っている。
「ですよね!」
「この力で人々を、アティさんを守ります。」
「そこの出来損ないの勇者のトミタなんかより俺達の方が力になりますよ!」
アティは笑っている。しかし目が笑っていない。
それに気が付いていないキダ、アカギ、アオタは笑顔になる。相応しいと言われて上機嫌になる3人組。
「ええ。期待してます。
ではステータスを確認しましたのであちらの方に報告してきて下さい。」
「はい!」
「期待に応えられるように頑張ります!」
「じゃあ、また!
行くぞ。」
キダ、アオタ、アカギの上機嫌な3人組は僕の事を見下したような目で見た後、勝ち誇った顔をして、アティの言われた通り報告しに行った。
3スケが去ってから何かを感じなくなった。あー害意感知のスキルが反応してたのかな?
「…すみません。私が大きな声を出してしまった所為で、ハルキ様が馬鹿にされてしまいました。」
「アイツらの言う事なんて全然!気にしていないから、別にいいよ。アティが言わなかったとしても報告しにいった時にたぶん絡まれたよ。」
「そうですか…
はぁ…ハルキ様達の世界にもああいう人達がいるのですね…」
「…そりゃあいるよ。まぁあれ以上の奴は召喚されたクラスメイトにはいないと思うよ…たぶん。」
「たぶん、ですか…少し不安になりますね。」
僕とアティは苦笑する。
「絡まない事をお勧めするよ。あと適当に受け流す感じで。」
「ふふっ。そうですね。そうします。」
「じゃあ僕も報告しに行ってくるよ。またね。」
「はい!」
笑顔のアティに見送られて、報告しに行く。
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