はろーはろーイレギュラー。
閲覧、ブクマありがとうございます。なかなか話が進まずに申し訳ないです。
翌日に早速冷害対策の会議が開かれ、事前に用意しておいた資料を宰相さんに渡して説明を頼む。極力引っ込んでいて、自分から何かをしないようにしたいからね。
内容が理解出来ているのか曖昧な反応が返ってきたが、とりあえずは各領に通達して実践してみるとのこと。
成果が出ればそれで問題ないし、変化が見られなかった場合はその領に赴くことになりそうである。
様子見しかすることがなく退屈な数日を送ることになってしまったことには別に不満はない。寧ろ引き篭もっていればいい話なのできゃっほーいな気分なのだが、ことある毎にジョエル殿下がお出かけに誘ってくる。その度に失礼のないように断らなければいけないのがしんどい。
「いや、しつこすぎでしょ。」
「よっぽどサラ様を囲いたいのですかね。」
レイル君と殿下は情報収集の為不在だ。部屋から絶対出るなと何度も言われて少しウザかったけども。
そんなレイル君ですが、流石に先日の女子会の後は気まずくて変な態度とってしまってとても不思議がられましたよ、えぇ。
「塩顔イケメンは嫌いじゃないけど、あの視線は無理だわ。」
あの品定めするかのような視線。何か粗相をすればそれを理由に捕らえる気満々というか、欲望を隠しもしないあの目が気持ち悪い。陛下に何か言われてのことだろうけど、王太子のくせにそんなのでいいのか。
「もう来ないことを「コンコン」…もしかして…。」
「それは流石にないのでは…。」
突如響いたノックの音に、相手も分からないのにげんなりしてしまう。全部ジョエル殿下のせいだちくしょう。
「…あら、ハンナ様。…と、王女殿下でございますね。」
「突然申し訳ございません。殿下がサラ様にお会いしたいと。」
メロが扉を開ければ、そこにいたのは数日前に会って以来のハンナさんと王女殿下だった。二人がメロの案内で向かいのソファに座る。王女殿下に物凄く見られるのが謎だが、そんなに黒髪が珍しいのか。
「いきなりで申し訳ないけど、サラ殿と二人にして欲しいの。」
「で、殿下?」
「お願い。」
ハンナさんが驚いてるということは彼女の独断らしい。メロが訝しげに見ているがそれも気にならないほど真剣にこちらを捉えている。初対面の私相手にいきなり二人きりなんて、実は何かしてしまっていたのだろうか。
「…私は大丈夫ですので。」
「サラ様…!」
「ハンナも彼女と一緒に下がってくれるかしら。」
「……扉の前で待機はしていますから。」
納得していない二人を部屋から追い出した王女殿下はソファに深く腰かけ溜息を一つ。
と、思いきや。
「貴女、この世界のストーリーを知っているの?」
は?なんですと?




