流石に鈍くはないから。
見返す余裕もなかったので誤字脱字あったら本当にすいません!
食事もお風呂も済ませ、あとは寝るだけとなり。
「恋バナをしましょう。」
「メロ…。体調悪いの?」
彼女の口から思わぬ台詞が飛び出し、つい具合が悪いのかと聞いてしまった。真顔で恋バナって口にするの、ちょっと怖い。
「昼間も仰いましたが、サラ様もお年頃ですしそんな話があってもいいかと思いまして。」
「……メロはどうなのよ。」
それこそ昼間言った通りなのだが、彼女が引いてくれそうもないので恋バナをしてみる。自分だけ話すのも嫌なので先に聞くが。
「そうですね。恋愛感情かは定かではありませんが、ゾンデルさんはとても素敵だと思いますよ。」
「え!?あの人と結構年齢離れてない!?」
「獣人の皆様は私達人間と比べて長寿でございますし、その点に関しては問題ないかと…。」
なんてこった。メロはまだ二十歳手前のはず。ゾンデルさんの年齢を確かめたことはないけど、それなりに歳とってるよね?
まぁ恋愛感情ではないと言ってるからこれからの二人の絡み次第なのかな。
私は終わりとばかりに用意してくれた紅茶に口をつけてしまった彼女からはこれ以上何も聞けなそうだ。
「私は昼間も言ったけど本当に何もないのよ。家を出る前は言わずもがな、出た後はずっとアルテナの発展だけを考えていたし。」
「ずっとレイル殿のアプローチがあったのでは?サラ様は鈍感のようで先程まで気付いておられなかったみたいですけど。」
「いや、ちゃんと分かってたから。あからさまになるまでは知らんぷりするのが一番かなって。気持ちに応えられないし。」
どこぞの少女漫画のヒロインみたいに鈍感でいるにはレイル君が分かりやすすぎるのだ。別に好意を寄せられるのは構わないのだが、どうしても精神年齢が前世通して三十路オーバーなせいで受け入れられないというか。下手すれば息子を見るような視点になってしまうというか。
「ではロシュロール殿下の方は?」
「あの人は完全にふざけてるだけでしょ。」
「カイル様は?」
「それこそないない。ほら。」
部屋に案内されてから届いた監視鴉からの報告書をメロに渡す。物凄く驚いたけど、別に緊急のものでもなかったからメドニエの件が片付いてから見せようかなって思ったんだけども。
「あらあらあら!カイル様やりますねぇ!先生の慌てようがよく分かるメモもお付きになって…。」
「メロ、貴女そんなニヤニヤした顔も出来るのね…。」
トゥコーテンさんのメモと報告書を行ったり来たりしてる彼女の楽しそうなこと楽しそうなこと。確かに【キラキラ王子スマイルにやられる!助けて!】って殴り書きされているのを見た時はちょっと面白かったけど。
「これでサラ様がレイル殿とご結婚なされたら、先生とは姉妹じゃないですか。義理ですけど。」
「いや、飛躍しすぎ。」
「でも、答えられないからと初めから壁を作られるのは彼も可哀想だと思いますよ。結果振られるにしても、彼だってちゃんと自分を見て決めてもらいたいと思いますし。」
最もな意見に返す言葉が見つからない。自分が同じ立場だったら同じように考えたかもしれないし。
「……善処してみます。」
出来たらだけど。




