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【完結】魔女の箱庭  作者: うかびぃ
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呪いの模様って誰が考えたんだろうね


役所の交易課から手紙を出し、監視室で何か問題があったが確認したが現状騒ぎはなかった。市場に向かった獣人さんは見た感じ調査そっちのけで抹茶スイーツを堪能しているように見えたが、被害が出ていないのなら放置だ。

引き続き監視をお願いして部屋を後にしそのまま図書館まで転移する。



「おや、おかえりなさいサラ様。」

「館長さん、丁度良かった。呪い系の本って何処にありますか?」

「え?呪いですか?」



なかなか声のボリュームが大きかったらしい。館長さん以外にも近場にいた人にギョッとされてしまった。

ただ事情を説明すればすぐに同情の色合いが強くなり、最奥の棚まで案内してくれる。



「本当は禁書扱いで閲覧制限をかけるべきなんでしょうけど。ここの皆さんはまったく興味がないようで、だからこそ同じ場所に置いておけるのですが。」

「これからも解呪以外の目的で使われないように頑張りますね。」



確かにこういう系統のものって危ないから隔離されてたりするけど。今回みたいに侵入してきて悪用されない限りは心配ないようだ。

案内してくれた館長さんにお礼を言って棚と向き合う。一人で探すには割りと量がありそうで、果たしてこれを全部確認出来るのだろうか。

まぁロシュロール殿下が来るまではやるしかないんだけども。



模様の複雑さで呪いのレベルが上がるとトゥコーテンさんは言っていたし、初心者向けな簡単なものには載っていないだろう。

そもそもこの系統に初心者向けなんてあるのだろうか。【初めてでも安心!呪い全集】とかあったら笑ってしまいそうだ。

とりあえずあの呪いが服従系と目星をつけて、近いものに片っ端から目を通していく。

が。



「駄目だ。さっぱり分からない。」



絞り込んだ棚自体はそこまで大きくなく冊数も少ないのだが、如何せんそれぞれが分厚い。そこに内容の複雑さが加われば11歳の自分には分かるわけもなく早々に音をあげた。

一度家に帰って呪術に詳しい魔女がいたか確認してこようかと、本をしまう時。



「随分と物騒な本を読んでいるんですね。」

「っ!?…ロシュロール殿下。」

「誰か殺したい程憎んでる方がいるんですか?」



後ろから掛けられた声に過剰に反応して本を落としそうになったのを、声の主が私の手ごと取ってしまってくれる。

振り返れば端正な顔のロシュロール殿下がなかなか近い距離にいて更に驚く。

見ようによっては壁ドンである。前世一度もされたことない憧れのやつだ。

流石イケメン。似合いますね。

と、思考が脱線してしまった。確かに殺したいかはともかく、憎らたらしい人間(身内)はいるが。



「いえ、そんなことは。殿下に送った手紙はついさっきでしたのに、随分早くきていただいてありがとうございます。」

「手紙?私は観光目的で先程こちらに来ましたが、何か急用でしたか?」



なんと、手紙と本人が入れ違いとは。しかしこれはベストタイミングだ。

私は今朝からのあらましを掻い摘んで説明し、彼に手紙を送る原因となった呪いのことも話す。段々と険しい表情になっていく顔は見なかったことにする。



「ヤシュカでも呪いに関しては重罪を犯した者への刑でしか使われません。法律で禁止にしようと長年言われていますが、暗黙のルールで基本民は使いませんので。」

「そうなんですか。」

「えぇ。知識がある者が珍しいくらいですよ。私はいずれ刑を与える側になりますから、だいたいのものは覚えていますが。」



その一言に期待を込めて殿下を見上げれば、綺麗に笑ってくれた。



「呪いを解きに行きましょうか。終わったら、私の観光に付き合ってくださいね?」









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