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【完結】魔女の箱庭  作者: うかびぃ
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【???side】決行1週間前


「殿下、アルテナよりお手紙です。」

「ん?サラ殿か?」

「いや、元第二王子からです。」

「あぁ、サラ殿と一緒にいる魔術師か。」



アルテナとのやり取りが始まってから自分自身も結構な頻度であちらを訪れているが、サラ殿に会いに行こうとすると必ずといっていいほど隣にシュゼールの元第二王子、レイル殿がいる。1人の所を見つけても、毎回彼が合流してくる。



「俺は彼に警戒されているようだからな…。牽制か?」

「殿下があわよくばサラ様を娶ろうとしているのを察知しているのではないんですかね。」



少し砕けた口調の側近に返す言葉がない。

サラ殿をヤシュカに迎え入れたいと思っているのは事実だからだ。

魔術師というだけでも貴重なのに、あの都市で見かける奇想天外な乗り物に見たこともないお茶。彼女がどうやってあの都市を作り上げたのかは知らないが、恐らくこれからもっと発展する。そしてアルテナだけでなく、その恩恵を受けるヤシュカもオズマン侯爵領も栄える。

そんな素晴らしい人材を手元に置いておきたいと思うのが普通だろう?



「まぁ、引き篭もりたいと常々嘆いておられるサラ様がアルテナから出てくることはなさそうですがね。」



ドンマイ殿下!と無表情で親指をグッてしてくる側近に軽く殺意が湧く。

手にしたペーパーナイフを眉間目掛けて投げるが綺麗にキャッチされて今度はニヤニヤされる。

なんとムカつく奴なんだ。



戯れもほどほどに、ナイフと共にソレを受け取り中から質のいい便箋を取り出せば、



「ん?違う種類の便箋?」



全部で3枚ある便箋は何故か全てデザインが違った。よく見ると筆跡もバラバラ。



「レイル殿は何を考え……っ!?」

「殿下?いかがなさいました?」



とりあえず1番手前にあったレイル殿のものから目を通せば、そこにはなかなかぶっ飛んでいる計画に是非手伝ってほしいと。内容を読み進めればそれだけ便箋を持つ手に力が入ってしまった。

2枚目は彼の兄である第一王子、更に3枚目は母である正妃様からであった。

ほぼ敵国であるヤシュカの王子に気軽に手紙を寄越していい人間じゃない。

ぜひ息子(弟)に協力してあげて欲しいだなんて、あそこの王族はどうなっているんだ。

 


「これはこれは…。今のヤシュカの現状を考えればとてもありがたいことですが。」

「あぁ。俺もこれには是非とも参加したい。しかし…。」

「サラ様に内密とは。あとで怒られそうですね。殿下も道連れ好感度だだ下がり待ったなし!殿下ドンマイ!」

「楽しんでるな…。」



昔からの知り合いのせいでこういう時に容赦のない側近はとてもイイ笑顔で手紙を覗き込んでいた。その至近距離にある顔に一発拳を繰り出すが見事に躱される。ちくしょう。



「お返事書かれますか?」

「時間がないからな。すぐに書く。その間に…。」

「はい、3人程見繕っておきますね。」



言うやいなや溶けるように姿を消した側近。普段は優秀なのになんとも勿体ない。

1つ溜息を零して引き出しからまっさらな便箋を取り出す。優秀な部下はきっとすぐに見つけてくるだろうから、こちらも急いで書かなければ。



計画が成功した時に見られるだろうサラ殿の怒った顔を想像しながら筆をとった。





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