魔女、テンションあがる。
更新遅くなり、しかも短めで申し訳ないです。
「おはよーございまーす。」
「サラ様、おはようございます!」
今日も役所は上手く機能しているようで何より。
一度目的の課に直接転移したら驚かれて説教食らったので、それから役所の玄関前に転移するようにしている。
中に入れば数はまだまだ少ないものの、職員の皆が書類片手に楽しそうに仕事していた。私は前世学生だったからバイトだけだったけど、楽しく仕事が出来るのは素晴らしいことなんだろうな。
「こちら、住民からの要望です。」
「ありがとうございます。」
渡された資料を隅のソファに座って確認し始める。自分では順調に運営出来てると思っていてもこうして結構な量の要望がくるのだから、やはり元学生には難しい。父もこうして苦労しているのだろう。
「ん、教会の建設?」
「あぁ、それですか。先日訪れた2人組が持ってきたんですよ。なんでも、結婚したいとかで。」
「え!?結婚!?」
なんと。ついに結婚するまでになったのか。
この都市が住民を増やし始めてからまだ半年も経っていないのに、なんという電撃婚。それとも、元々カップルでこちらに移住してきて生活も落ち着いたから考えたのだろうか。
教会は正直後回しでいいと思っていたが、
「これは最優先で進めるべき案件ですね!」
「ふふっ。サラ様、髄分とやる気ですね。」
「だって!この都市で初めての結婚式ですよ!?うわぁ…!今ならまだ住民全員でお祝い出来るかなぁ?」
今すぐにでも帰って箱庭をいじりたいのを我慢して、職員の1人が出してくれたお茶を口に運ぶ。ここ最近は冷害のせいで暗くなりがちだったから、持ち直す良いキッカケになるかもしれない。
「はっ!中央市場に服飾店ってあったっけ!?」
「一応準備は出来ておりますが、裁縫師はまだ雇えてませんね…。」
「なんてこった…!とりあえず今回は私が用意するとして…。日取りとかどうしようか…。」
「手紙出して空いてる時間に来てもらいますか?」
「うん。至急お願い。」
善は急げと指示を出し、転移魔法を作動。とりあえず作って採寸して調整して。
この後の予定が無くて良かった。おやつ食べながらじっくり考えられる。
「私はこのまま帰ります!他の資料にもちゃんと目は通しておくから!カップル来たらすぐ手紙ください!」
やや引き気味な職員に爆笑してる社員。
私のやる気に様々な反応を返した彼等が私がいなくなった後すぐ、鴉にルーヴさんへの手紙を頼んでいたのは知らない。
2日後に裁縫師を紹介されて驚くことだって勿論、知らない。




