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【完結】魔女の箱庭  作者: うかびぃ
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外から見ただけじゃ分からないわこんなの。

お久しぶりです。また更新していければと思っております。メインの方はもう少し時間がかかりますがよろしくお願いいたします。


瘴気の森って言うからにはこう、暗くてジメジメした酷いものだと思っていたのだけど。

まるで人の手が加えられたかのように整備されている森の中に驚きを隠せない。細いながらも道がちゃんと造られていて、少ないながらも灯りがある。もしかして私と同じく魔女と呼ばれる人間が存在するのかしら。

もう1つ気掛かりなことがある。森に入って既に3時間程は経過しているのだが、一向に海が見えてこない。この森の向こうに広がっているはずのそれを目指しているのもあったので不安が募る。そこまで規模の大きい森ではないはずなのに。



「これは判断誤って自滅パターン?」



なんて呟きにタイミング良くカラスの鳴き声が響いた。







そろそろお腹空いたなぁなんて思い始めた頃だった。

それまで続いていた細道が途絶え、鬱蒼としていた景色が拓ける。

最初に視界に捉えたのは、この世界にはあまりにも馴染まない近未来的な建物。パッと見て3階建てのそれは、前世でよく見た形の小規模なビルだ。デザイナーズマンションに見えなくもない。

視線を上から下へ移せば自分の身長くらいの塀に囲まれていて、よく見ればインターホンらしき物も付いている。その周りは水が貯められていて、小さな湖に浮かんでいるようだ。



「ミスマッチ過ぎる…!」



中世に近い世界観の中でこの景色は明らかに可笑しい。ただ、もしかしたらこの建物の中に私と同じ転生者がいるかもしれない。

それならばと、僅かな期待を胸に建物まで続く橋に足を運ぶ。

見れば見るほどミスマッチな建物を見て思うのは前世のことである。両親に会いたいのは勿論、今世の生活環境を前世の知識を使って便利に出来ないか等々。こちらの世界は記憶を取り戻した私にはとても不便だ。



「ますますそぐわない建物…これ完全に家だわ…。」



インターホンを前に再びポツリ。横に設置されているポストに【魔女の家】とあるのを目にし、苦笑い。

とりあえず誰かいないかと指を近づけた時、



『お待ちしておりました今代の魔女。どうぞお入りください。』

「!?」



押す直前でそこから聞こえた声に心臓が跳ねる。周りから見れば無表情のままかもしれないが、声すら出せない程驚いた。寿命縮むわコレ。

ガチャンと大きな音をたてて閉まっていた門が左右に開く。先程の声が待ってたって言ってたし入るしかないよね?歓迎されてると思っていいよね?

先程の期待は何処へやら、不安を胸に恐る恐る足を踏み入れた。





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