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【完結】魔女の箱庭  作者: うかびぃ
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まぁだからといって、何かあるわけでもない。

そろそろ毎日更新が止まってしまいそう…。


父が戻ってきてから1週間以上経ったが、此方への接触はなかった。監視鴉に様子を見に行ってもらったところ、どうやら今まで任せっきりだった領地経営の方に報告と違う部分があったようで、その対応に追われているとか。まぁ主にこの森についての報告だろうけど。



「…。今日も曇り…。もう始まってるのかな。」



自室で外を確認した後にカレンダーに天気を記入する。太陽を見なくなって今日で4日目だ。

まだ4日、されど4日。畑に関しては初日に防寒シートを作成し翌日に各自設置、毎朝の作業時に土を温めてもらい、与える水の温度を上げて撒き。各家庭で備蓄していた食糧は一度全て回収して街の備蓄庫にしまった。

シート設置後にレイル君から呼び出しを受けて駆け付けた時に、



「もし作物獲れなくなったら新鮮な野菜でご飯作れなくなるんでしょ?獲れても品質下がるんでしょ?ならサラの所で一番良い状態で保存すれば、しばらく獲れなくても美味しいご飯食べれるじゃん?」



と自宅から持ってきたであろう備蓄を傍らに言い出した為だ。それを聞いていた他の住民から徐々に話が回り、結局全員備蓄庫に持ってきたわけで。皆、そんなに美味しいご飯食べたいのか。いや、分かるけども。一番影響受けるだろう稲が駄目になったら美味しい白米食べられなくなっちゃうもんね。毎朝納豆ご飯食べないと1日が始まらない私としても死活問題になるからね(冷蔵庫チートはその食材が作れるようになると補充されなくなった。今は主に甘味や調味料が詰まっている。)。



「ロシュロール殿下も信じてくれたおかげで初動は完璧。後はどこまで日照不足が続くのか。」



今までの冷害は原作開始後、国がアルテナを承認して交流するようになってからの発生だった。

つまり、此処で備蓄していた食糧のことも知られていただろうわけで。国からの命令で巻き上げられて食糧難もあったに違いない。それを思えば想定外に早く発生して良かったというべきか。



「さてさて、たまには家に引きこもろう。」



私の本来の目的は素晴らしき引きこもりライフだ。道のりはまだまだ遠いが今日くらい許されるはず。

最近お気に入りのルームウェアに身を包み、フカフカのベッドへダイブ。

二度寝最高!














「誰だ我の快眠を妨げたのは。」

「落ち着きなさいサラ。」



可笑しいな。ベッドでの二度寝はどこへいった。何故私は城門でトゥコーテンさんに首根っこを捕まれているんだ。幼児虐待だぞこの野郎。



「さっサラお嬢様、お久しぶりでございましゅ!」

「お元気そうでなによりゃです!」



そんな捕まった猫の如くびろーんとなっている私の前には、汗だく噛み噛みなオズマン侯爵家の使用人が2人。両方とも見たことある気がするだけで名前も何も覚えてないけど。



「何か用ですか。」



下ろされ地に足を着けてとりあえず用件を聞いてみる。というか、普通こういう訪問にただの使用人を使うのか?



「い、1週間程前に旦那様が王都よりお戻りになられまして…。」

「うん。知ってる。」

「森にいるだろうから連れてこいと…。」

「なんで。」

「自分が居なかった間の屋敷の様子が知りたいと…。」

「そんなもんお母様達に聞けばいいのでは?私に関してのことならメロでもいいと思うし。」

「彼女はお嬢様が出ていった後にお辞めに…。」

「はぁ?」



自分がほったらかしにしてたのに何を言ってるんだあの阿呆親父とか言いたいことは山ほどあったのに、最後の一言で全部ぶっ飛んでしまった。

まさかメロが辞めたなんて。もしかしたら自分からではなくて、他の侍女に辞めさせられたのかもしれない。なんてこった。

彼女の実家は確か領内にあったはず。



「ちょっと外出てきます!出でよ!カツラ!」

「ちょ!アンタ何言ってるのよ!?というか何その呪文は!?」

「メロを探しに行くんです!」

「お嬢様!?メロなど後回しでまずは屋敷の方に…「『黙れ』『伏せろ』。」…!?」



頭の中で何かがブチッと切れた音がした気がする。

魔法で上から圧が掛かったのか勢いよく膝をついた2人はそこから血を流していた。結構な力だったみたいだ。骨が砕けてないことを祈りたい。



「散々粗末な扱いをされた私が戻るとでも?貴方達の言うことを素直に聞くと?馬鹿ですか?私は出ていったんじゃない。追い出されたんですよ。もう侯爵家の人間じゃありません。だから帰りません。用があるなら自分で来てくださいと侯爵様にお伝えください。それと、次メロを下に見るような発言してみなさい。生き埋めにしてやる。」



その時の私の様子を後からトゥコーテンさんが教えてくれたが、魔女を通り越して魔王みたいだったらしい。残しておいた森の魔素が私の怒りに反応して濃度が一気に濃くなったとか。



そんなことを考えてたらしいトゥコーテンさんに使用人を任せて、カツラを被った私はそのまま外へ飛び出したのである。













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