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【完結】魔女の箱庭  作者: うかびぃ
197/208

婚約者は語る。


思ったより時間を潰してしまったので、急いで病院へ向かう。道中住民に呼び止められ野菜を渡されたり、お菓子を渡されたりで余計時間がかかってしまったけど。

「無事戦争が終わったから」らしい。正確にはまだ終戦したわけではないけど、帝国ももうこちらに手は出せないだろうと先程父の推測を聞かされたし、それが周知されているようだ。



「ごめんなさい、遅くなりました。」

「あら、待ってたわって、また随分沢山もらったわね。」



少し分けなさいよと病室に入って早々にトゥコーテンさんにお菓子を奪われた。いいんだけどさ。



「僕にもちょうだい。」

「あれ、レイル君生きてたの?」

「ねぇさっきから僕に対して酷くない?絶対気絶する自信があるから、説明終わるまで待ってもらってるの。」



そんな自信欲しくないよなぁと同情しつつその口に飴を一粒放り込む。残りを彼に渡して、トゥコーテンさんが持ってきてくれた椅子に腰かけ、今度こそ説明を聞ける状態にできた。



「…今回元に戻せたのは、定期的に街の状態が記録されていたのを見つけたからなんだ。」

「あぁ、やっぱり。」



あの箱庭、バックアップ機能も搭載されていたようで。しかも優秀なことに三時間おきに記録されていたとのこと。

それを見つけたレイル君は夜中にもかかわらずトゥコーテンさんに連絡を取り、回復薬をもらった後箱庭部屋に籠ってデータを確認して、呪いが落とされる前の一番新しいものを一晩かけてリストから発見。

翌朝(今朝)呪いを受けなかった人達を緊急招集して箱庭のことを伏せて事情を説明し、交易門の方に避難してもらった後に急いで部屋に戻って回復薬を限界まで口に含み、見つけたデータをロード。魔力がごっそり持っていかれる感覚に襲われたと同時に薬を飲みこみ意識を繋ぎ。

倒れはしなかったものの、カッスカスの魔力状態だったので更に薬を飲んでから交易門に戻り、待機組を連れて街に戻って様子を見れば見事成功。

後は私に報告をと思ったけど、いつ遭遇出来るか分からないのでとりあえずメモだけ残して父の手伝いをしようと役所に行き、交易課で話をしてたところ予想以上に早く私がやってきたと。



「いや、なんで私に報告してからやらなかったのよ?」

「驚かせたかったから。それに、拡張の時くらいの消費で済むと思ったんだ。」

「レイルの説明意味分からなかったけど、まぁ元に戻るなら協力するしかないじゃんって感じで。ホント成功して良かったわよね。」



その代償がコレなのは許せないけどと、トゥコーテンさんが問答無用でレイル君の腕に点滴っぽいものを付けていた。

続けて口に薬瓶を突っ込みニコニコ。

不意打ちのせいで拒めなかった彼は飲み込んでしまい、悲鳴をあげることなく気絶。

ご愁傷様である。



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